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菩提心の称賛《宝珠の灯》第61偈

61)菩提心には自他同等がある。
菩提心には自他交換がある。
菩提心には自らより他を大切にすることがある。
菩提心には二利円満がある。
 
 


自他交換を通して、菩提心を生じさせる順番である。
 
先ず、全ての有情を等しく受け入れ、
自らと他者の大切さは同じだと思うところから始まる。
 
同等になったところで、
他者と自ら、と順番を入れ替える。
 
心に無理なく菩提心を生じさせる手順だ。
 
同じことが、我々の身の回りでも起こっている。
 
生きることで精一杯の生きものは、
まず自分を満たさなければならない。
自らを、他より優先するものだ。
 
余裕が出てくると、
自他の利益を同等に考えることができるようになる。
自分だけ良くても、
幸せになれないと考えるものだ。
 
他者が嬉しいから、自分も嬉しい。
 
自他の重要度が同じになれば、
自分を大切にすることと、他者を大切にすることを取り換えたり、
あるいは
幸せを得るための方法を他者と共有することができるようになる。
 
自分も他者も変わりないから、
どっちも幸せになりたいから。
 
他者へ対する愛情が更に強くなると、
自分は少し我慢しても、
誰かのためになれれば良いな、
と思ったりする。
 
結果、自他ともに幸せな円満成就がやってくる。
 
ただ、これだけで終わってはもったいない。
 
心の浄化と能力の会得を、
考え得る最高の目的に据えれば、
そこまで道は続く。
 
他者だけではなく、自分だけでもない、
皆がそれぞれにとって、最高の幸せを得るために。

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