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グラフィックデザイン考察班

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2024年9月の記事一覧

【毎日広告賞 優秀賞】日本公園緑地協会「公園の未来」

毎日広告賞で優秀賞を受賞した広告。

何を言い得ているのか公園は遊ぶだけでなく、遊びを通して感情を育て、人と人との関係性が変化していく場所でもある。このグラフィックは、そんな関係性や成長を「言語によって可視化」することで、公園で起こる群像劇を想像させ、人の営みを感じ取ることができるところに面白さがある。
ジャングルジムや滑り台などの遊具に「張り紙」を装って「ここで何が起こったのか」がテキストで示さ

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【毎日広告賞 優秀賞】象印マホービン

【毎日広告賞 優秀賞】象印マホービン

2014年、毎日広告賞で優秀賞を受賞した広告。

何を言い得ているのかタンブラーを乗り物に見立て、人がタンブラーに覆われている状態によって、「保温」という機能性と、あたたかいものを飲んだときの「体や心が温たくなる」という感情を掛け合わせて表現している。
日常の身近な場面に寄り添う製品であるということを、日常の場面とタンブラーに置き換える見立てによって表現している独創性に面白さがあるビジュアルである

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【毎日広告賞 最高賞 】ロゴス

【毎日広告賞 最高賞 】ロゴス

2014年、毎日広告賞で最高賞を受賞したアウトドアブランド「ロゴス」の広告。

何を言い得ているのか通常のデザインであれば、草花の写真や絵などを使って自然を感じさせるものが広告としては多いが、このグラフィックは、ビジュアルとコピーによって風の「音」、草の揺れる「音」、火が燃える「音」を想像させるビジュアルに落とし込んでいる点に面白さがある。

評価されているポイントは?キャンプなどのアウトドアは、

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【毎日広告賞 最高賞 】のりたま

【毎日広告賞 最高賞 】のりたま

2013年、毎日広告賞で最高賞を受賞した広告。

何を言い得ているのか「ご飯のお供」としての存在であるのりたまを訴求するために、「ご飯」を主役にするという広告の主従を入れ替え、通常のお弁当では魅力的でないおかずの全くない白米のみの弁当によって、「のりたまをかけることが最高のごちそうになる」ことを訴求している。
また、母・父・娘の3連のお弁当になっていることで、のりたまをよく使うであろう家族層に向け

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【毎日広告賞 優秀賞】光文社新書

【毎日広告賞 優秀賞】光文社新書

2014年、毎日広告賞で優秀賞を受賞した広告。

何を言い得ているのか映画映像を無断で使用し、短くまとめた違法動画が問題視されている「ファスト映画」の「短縮されている」という特性を、「タイトルを短くまとめる」という手法で端的に表現している。

評価されているポイントは?映画タイトルをただ短縮するだけではなく、ビジュアル面でもシンプルき削ぎ落とし、「省略する」という文脈に一貫性がある。
例えば「ショ

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