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JOKERひとくち悪魔レビュー

※注意書き後若干のネタバレあり、核心には迫っていないが気になるものは読まぬよう

笑いあり・涙ありの成り上がりムービー

「ジョーカー」とはバットマンシリーズに登場する代表的な悪役である。バットマンと対峙する稀代の大悪党であり狂人。悪のカリスマ
ということを、大体の人間は承知の上で見るだろう。
ので、もう最初から曲がメチャクチャどんよりしている。明るくしてごまかす必要などないのだ! みんなしってるから。これが超有名ヴィランの映画ってこと。
初っ端に映るピエロの男。あ、これたぶんジョーカーか。こいつが最悪のヴィランになるのかあ。いつ人殺すんだろうな~。何人殺すんだろうな~。
という気持ちで見れるので、もうルンルンである。
そう、これはある男がジョーカーになるまでを隣でよ~く見てみよう! という映画なのだ。
あまりにもか弱いその姿に、そのうち応援もしたくなる。がんばれー、がんばれー! ジョーカーまであとちょっとだぞ!

結果がわかっている映画」の良さ、わかってくれたか? B級ホラーもそうやってみると楽しいぞ。もちろんクオリティは違うがね。

全体的に、美に振っている映画だとおもう。ワンシーンごとに美しい。未ジョーカーはよく踊る。
大体の人間がどこか共感できるキャラクター性なので、かなり見やすいのではないだろうか。歌って踊れるシーンも満載、共感性羞恥にはちょっと厳しい箇所もあるが、それを耐えてでもぜひ見るべきだ。


※以下若干のネタバレあり。核心には触れない。

とにかく未ジョーカー(ジョーカーに至ってないジョーカーの事)が日々悪魔に囁かれながら、苦しそうにあえいで生きている。それに共感する人間も大勢いるだろうね。そう意識して作られているだろうし、それについては別記事を読め。(まだ書いてない)
最初の憂鬱な空気を丁寧に描いた分だけ(未ジョーカーが小動物に見えてくるぐらいな勢いだ)ジョーカーへ至る過程がとにかく爽快である。未ジョーカーについている悪魔、気持ちいいだろうな~! どんどん抗えなくなり、悪魔のささやきに身を堕としていくのは見ていて気持ちがいい。
色々あって未ジョーカーが自信を掴むんだけども、終盤に差し掛かるとちいさい拍手をしたくなる。具体的に言うとマンションでグサグサ! の所とか。おもわず微笑んでしまった。
いらない部分を切り捨てるたびに、鮮明になるのがよく見える。最後に彼がようやく見せる心からの笑みは、ぼくたちの心を晴れやかにしてくれるだろう。

バットマンジョーカーを敬愛していたものたちから、「ジョーカーではない」等の意見があるらしい。なに、気にするな。ジョーカーはそうとうの気狂いだ。自分がどうして今ここにいるかもわかってないこともよくある。つまりは、この映画は全部ジョーカーのテキトーな作り話かもしれないのだから。

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