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番外編・フェミニズムの歴史とジュディスバトラー⑥

どうもアコニチンです。

フェミニズム(女性解放のための思想と実践、性差別からの解放)とジェンダーの定義についてまとめていきます。


1、第一波フェミニズム(19世紀末から20世紀初頭)

男女同権論、母性保護、女性参政権の獲得。日本では1925年の普通選挙法(男性のみ)の成立ののち、1945年に女性も参政権を獲得した。

≪ジェンダーの定義≫
ジェンダーはセックスそのものである。
「男らしさ」「女らしさ」は生まれつき備わっている。


2、第二波フェミニズム(1960年代以降)

雇用などの社会制度、社会慣習による性差別の撤廃。「家父長制的」社会ないしは家族における男(支配者)・女(被支配者)の関係性、二元論的な精神・身体、文化・自然、理性・感情、男・女の関係性はこのままで良いのか考えられる。

≪ジェンダーの定義≫
セックス(生物学的な性差)とジェンダー(社会的な性差)
を区別するようになった。
ジュディスバトラーは以下のように言った、
「ジェンダーは、それによってセックスそのものが
確立されていく生産装置の事である」


「ジェンダーは、それによってセックスそのものが確立されていく生産装置の事である」とはどういう意味なのか、友人に説明してもらいました。

ジュディスバトラーの著書「ジェンダー、トラブル」によると、それまで「セックス」とされていたものは政治的、社会的利害を寄与するために様々な科学的言説によって言説上作り上げられたものにすぎす、「セックス」と呼ばれる物こそジェンダーと同様に社会的に構築されたものであるとしている。バトラーは、身体の物質性は言語によってカテゴリー化されない限り確定せず、言語は身体に優先していると述べている。男女の区別は生物学的に収斂するのではなく、言説においてのみ存在し、セックスは自然として構築された身体性にのみ還元される「ジェンター」であり、(セックスは実体としては存在しない)全ては社会的に構築された「ジェンダー」であるとし、そして「ジェンダー」とはまさしくそれによってセックスそのものが確立される生産の装置であると定義している。「パフォーマティヴィティ」とは、「ジェンター・アイデンティティ」は本質的には存在しないにも関わらず、一般的には異性愛とされる文化的コードを、「行為体(Agency)」か操り返し演じることによって、「社会的に構築されたジェンダー」を元々存在している本質であり、主体がそれに先立って存在しているかのような効果をパフォーマティブに作り出しているとする概念である。

おわかりいただけたでしょうか。バトラーはジェンダー問題において有名な人で、哲学の博士号を持っています。私には何言ってるのかよく分からないんですけれども、なんとなくまとめてみると、「ジェンダーは、それによってセックスそのものが確立されていく生産装置の事である」→「性別による違いはセックス、ジェンダーともに文化的に作られたものである」ということだと思います。もっと踏み込んでみると、「セックス(生物学的な性差)は先天的には存在せず、男性器・女性器などという言葉があるからセックスが生まれる」「生まれながらの異性愛者も同性愛者もおらず、あくまで社会によって性的指向は培われる」「この性的多数派が異性愛者の社会において、異性愛者であるのは絶対ではなく、自分が身を置いた社会によっては同性愛者になる(なっていた)可能性がある」ということでしょうか? バトラーの著書は読んでないんですけれども。


アコスは激怒した。必ず、かのバトラーの難解な書を読まなければならぬと決意した。アコスは本が読めぬ。アコスは、意識低い系である。漫画を読み、ゲームをしては盛り上がっていた。けれども無知だと鼻で笑われることに対しては、人一倍に敏感であった…...

という訳でアコスはyoutubeを見ることにした。

僕たちは常に権力の網の目(哲学者フーコーを参照)を通して、性的にも主体化しているわけです。なので、自分で思ったように女になったり、ならなかったり、レズビアンであることを選択したりなんてことはできないわけですね。

上記の引用を見ると、「私はレズビアンである」という主体的な、社会(権力の網の目)に影響を受けない選択はできない。ということは、社会の影響を受けてレズビアンになる。レズビアンになりたくてなった(レズビアンを選択した)訳ではない。レズビアン(つまりはジェンダー)は社会によって生み出されたということだろうか。えー、なんで?同性愛者を排除する社会が同性愛者を生み出すの闇が深いなー。


社会構築主義的なことをいうと、社会(権力の網の目)は、「現実、つまり現実の社会現象や、社会に存在する事実や実態、意味とは、個人の頭の中で作られるものではなく、人々の交渉の帰結であると考え、言語的に構築される」(Wikipediaより引用)。性的に主体化するときに、権力の網の目の影響を受けるが、権力の網の目を作るのは主体化された人間達である、みたいな?フーコーはどう思ったかしりませんけどねー


3、第三波フェミニズムもしくは現代フェミニズム(1980年代以降)

異性愛と同性愛の非対称性。カミングアウトしなければ、異性愛者として扱われるのおかしくない? 

LGBTが罪、病気という認識から「プライド」になった。「LGBT、いわゆる性的少数者が、差別や偏見にさらされず、前向きに生活できる社会の実現」を目指した団体、およびイベントの総称のことをレインボープライドといいますが、同じ語源でしょうか。

女性らしさ(胸)を異様に強調した献血のポスターがネットで問題になりましたね。女性の性的なポスターは作られるのに、男性バージョンが少ないのはなんででしょうか。


コ口ナの影響で貧困に陥ったかわいい女性が風俗で働くことを「面白い」と表現したことで炎上しました。風俗がセーフティーネットなどと揶揄されることもありますが、女性がお金のために身体を売り、それを男性が消費するという性的に不均衡な構造を当たり前のように思うなよ。


風俗といえば、妻や娘などがセックスワーカーとして働くことを拒否しながら、夫が風俗を利用するという、女性を二分化する構造も問題ですね。

このように、現在では様々な男女格差を問題視しています。日本は男女の格差を表すジェンダーギャップ指数2019が121位/153ヵ国と過去最低を記録しました。日本はまだまだ男性中心の格差のある国です。女性も男性もLGBTも、性別にかかわらず平等な社会にしていきましょう。




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