総まとめ・「同性婚」LGBTについてまとめました ディベートや生物学の話もあります
どうもアコニチンです。
昨今、BLの影響もあるのでしょうか、それとも時代の流れでしょうか、LGBTもとい性的少数派についてよく取り上げられるようになったと思います。会社の研修や大学のガイダンスでもおなじみ、LGBTについてまとめてみました。
LGBTって何?
LGBTとは、Lesbian(レズビアン、女性同性愛者)、Gay(ゲイ、男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシュアル、両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー、性別越境者)の頭文字をとった単語で、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)の総称のひとつです。
電通ダイバーシティ・ラボの2015年の調べ(全国69,989名にスクリーニング調査を実施)では、日本におけるLGBTの割合が人口の7.6%存在すると言われています。7.6%というと、13人に1人ですから、かなり多くのLGBTが身近にいるということですね。
LGBTにQ(クィア、そもそも異性愛がないなど性を有していない人の総称)を追加してLGBTQといったり、その他の性的指向を追加してLGBTTTQQIAAP+といったりします。この記事では性的少数派=LGBTというような捉え方をしておりますが、実際にはLGBT以外の性的少数派もいます。
LGBTの象徴、レインボーフラッグ
さて、LGBTの象徴とは何でしょうか? タイトルでネタバレしてますね、虹色・レインボーフラッグです。
レインボーフラッグが最初に使われたのは、1978年のサンフランシスコで開催されたパレード「Gay Freedom Day Parade」です。美しいから、虹は多様性を表すからという理由で虹色がLGBTの象徴となったのです。LGBTだけでない「人間の多様性を守ること」という思いを込め、デザインされたレインボーフラッグにはこのような意味があります。旗(フラッグ)にするときに、技術的な問題で6色になりました。
LGBTについて、おさらいしました。では、LGBTの問題のなかで、同性婚を取り上げてみましょう。同性婚を認可すべきか否か、意見と反論を挙げてみました。
同性婚賛成派の意見
結婚は幸せ。結婚は幸せなもの。結婚は結婚する2人を幸せにするから結婚する人が多く、それは相手が異性でも同性でも同じ。結婚することで互いの重要さの確認というか、節目としてというか、ただの紙切れにサインするだけで幸せになれる。また、結婚して子供を授かったり、養子をもらったりする。同性同士での子供は今のところ技術的に難しいので、子供が欲しい同性カップルは養子をもらい、もらわれる養子も幸せになれる。ちなみに、同性マウスから子供を誕生させる技術はないこともない。
(反論)異性カップルにとって結婚は幸せなのものである、またそれは同性カップルでも同じである、これは納得できる。だが、別に結婚する必要はなく、結婚せずとも愛し合っていればいいじゃないか。
幸福追求権。結婚する権利。相手が異性だろうが同性だろうが、幸せになる権利を持っている。同性婚ができないのはこの権利を奪っている。
(反論)さきほども反論したが、わざわざ結婚する必要はない。別れるときにごたごたしなくていいじゃないか。結婚しないでも十分幸福を追求できる。むしろ同性婚を認める、今までと異なる家族の形を認めることで「普通に生きたい」と思う家族や兄弟、子どもの幸福を奪うことにつながるかもしれない。
結婚する人の制度上の問題。結婚するしないで、相続、子どもの親権、外国人パートナーの在留資格など民法上の差異が生まれてしまう。詳しく言うと、結婚して配偶者になっていれば法定相続人として遺言が無くても相続分があるが、同性パートナーには形式通り書かれた遺言が無ければ一切相続できない。相続できたとしても、相続税が高くなるという違いがある。同性パートナーは共同で親権を持つことはできず、どちらか一方が親権者、もう片方は法律上の後見人となり、子どもは非嫡出子となる。外国国籍のパートナーと日本で暮らす場合、就労ビザの取得でしか滞在が認められず、仕事を失った場合には日本に在留できなくなる。血縁者でないと出産の立ち合いや病状説明、面会ができないこともある(病院次第)。
戸籍上の性別を変えることで、(元)同性同士でも結婚することができる。しかし、戸籍の性別を変えるには、以下の条件を全て満たしている必要がある。健康な臓器(精巣や卵巣)の切除やホルモン治療、陰茎切除などが必要で、この条件はかなり厳しい。2004年に施行されてから、2018年までに合計8860人が性別の変更を容認されている。
(反論)結婚することで、未婚の時には得られなかった民法上の保障が多くある。しかし、なぜ政府が上記のように多くの保障を既婚者に与えるのか考えてみてほしい。それは、子どもを産むから、というのが最も大きな点であろう。少子化対策になるから、既婚者を優遇するのだ。同性同士で結婚したとして、同性婚を認めたとして、どうして政府は異性夫婦と同じように同性夫婦の生活を保障する必要があるのだろうか。
性的少数派の偏見差別の軽減。政府が同性婚を認めるのはおおきい。宗教によっては犯罪となる同性カップルの存在を認め、彼ら(私たち)のための政策を施行することで、性差別撤廃にとっても前進となる。現在、日本では、同性婚は犯罪ではないが、同性婚できず、PACSなどの代替制度はなく、差別禁止法もない、なにもない状態なので。
(反論)政府が同性婚を認めたとして、本当に性的少数派への差別は減るのだろうか。同性婚を認める、というのは国際的なムーブメントとなりつつあるが、では同性婚が認められた他国では年々差別やハラスメント(嫌がらせ)は減っているのか。フランスでは、同性婚が法制化されLGBT当事者たちが声をあげられるようになり、今まで隠れていた被害が明らかになったことを原因のうち一つとしてあげつつ、同性愛者に対する暴力などハラスメントの件数は19.5%増加したという。同性婚認可→ハラスメント増加という関係は、SNSによる影響がどれほどのものだか分からないので、簡単に成り立つとは言えないが、事実のみを照らし合わせると成り立っている。日本ではハラスメントが増えるのか減るのか分からないため、同性婚認可→偏見差別の軽減というのは簡単に言えるものではない。
同性婚反対派の意見
同性婚は憲法違反。憲法24条の「両性の合意」が同性婚では満たされない。両性は男性と女性の性を表し、男男・女女の組み合わせは想定していない。憲法で両性と明記されていて、民法でも男女のペアを前提とした夫婦という言葉が用いられている。【憲法24条1項】婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
(反論)憲法24条の「両性」とは、確かに文言から考えると男女のことととれるが、この趣旨は、戸主の意向によらず当事者の合意のみによって婚姻が成立することを表している。憲法制定時には、同性婚について想定されていなかったので、憲法24条は同性婚について禁止も保証もしていないととる方が理にかなっている。また、憲法13条の「個人の尊重」「幸福追求権」、憲法14条「法の下の平等」を踏まえると同性婚を認めないのはむしろ憲法違反なのではないか。【憲法13条】すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。【憲法14条1項】すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
少子化対策。現在、同性愛者(またはホモセクシュアル、反対は異性愛者でヘテロセクシュアル)が結婚するとしたら、結婚したいとしたら、異性の相手と結婚する。結婚すれば、子どもを産む夫婦が多い。ということで少子化対策になる。同性愛者は結婚しようが結婚しまいが、子どもを産むことはなく、少子化の面から考えると「生産性」がない。
(反論)結婚は子どもを産み育てるものである、これは結婚制度を考えるとおかしなことが分かる。勾留中あるいは刑の執行中などの理由で刑務所・拘置所などの獄中にいる人物の結婚、獄中結婚は認められているし、女性男性ともに子どもを残せない体質の人(女性の不妊が取り上げられがちだが、不妊の男性も女性と同じくらいいる)もいる。獄中でセックスできない夫婦にも、子どもを残せない体質の夫婦にも結婚の門戸は開かれている。同性カップルのほかにも子どもを残せない・残さないカップルもいる。子どもと結婚は別々の問題で、結婚するかも子どもを産むかはカップルの自由であり、「生産性」などと結婚は全く関係のないものである。
伝統。結婚は異性同士でするもの。そういうものとして、結婚という制度が出来た。結婚は当事者の幸せのためのものでもあるが、社会保障や税金の変化がある。政府が結婚した人に配偶者控除や社会保険料免除など多くの保障をするのは、結婚して子どもを産むという前提の考えがあるから。政府にメリットがあるから結婚(=社会保障や税金の優遇)をする。これに対して同性婚は政府に対してメリットがない。
(反論)じゃあその伝統を変えればいいじゃないか。長らく同性愛は病気だと扱われていたが、性的指向の一つであると認識され、同性婚が認められるようになってきた。2001年にオランダで婚姻を同性同士でも出せるようになって以来(パートナーシップ制度は1989年デンマークより)、同性婚は世界中で認められるようになった。結婚は、政府のためではなく、当事者のためのものである。政府のために結婚するわけではない。
差別。同性カップルの子どもが可哀そう。LGBTに対する差別は、現在少なからずある。アメリカのアンケートでは、同性カップルの子どもの過半数が嫌がらせを受けている。同性婚を認可することで、嫌がらせを受ける子どもが増えてしまう。同性愛者ないしLGBTへの差別は生理的なものであり、根絶するのは難しい。
(反論)生理的にLGBTは無理、という思考は改めろ。LGBTは13人に1人いて、珍しいものではない。誰を好きになろうが、どんな人を好きになろうが、個人の自由である。ちなみに、10人に1人は左利きである。左利きの人とLGBTは同じくらいいるのだ。差別がどうしてもなくならないなら、政府が差別をなくすように、何かアクションを起こす必要がある。
結婚の多様化。同性愛者のための制度、同性婚を認可したとする。性的少数派の自由、幸福を認めるならば、一夫多妻・多妻一夫の重婚(複数婚)、近親婚など他の結婚制度にも寛容になる先駆けとなる。同性愛者の性的指向を認めるなら、重婚をしたい人、近親と結婚したい人の性的指向も認めなければならない。
(反論)重婚、近親婚が禁止されている理由↓
「重婚」
について説明していきます。重婚とは、結婚した人が重ねて婚姻をすることで、複数婚、一夫多妻制、多妻一夫制とも言います。日本では、民法によって禁止されています。
民法 732条「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」
禁止されている理由としては、少子化、教育費、既婚者の偏り、性感染症などがあげられます。
妻または夫の人数が一人から複数人に増えたことと、子どもの人数が増えることがつながるとは限りません。一夫多妻のギネス記録保持者はケニア人の男性で、妻120人に対して、子供は210人いるそうです。ケニアの出生率は4.5なので、妻120人に対して子どもは540人以下ならば、少子化に拍車をかけていることになります。重婚は少子化につながるのです。
皆さんご存知の通り、日本で子どもを育てるには莫大なお金がかかります。2018年の日本の出生率は1.42ですから、二人の夫または妻がいる場合、3人以上の子どもがいなければ少子化につながります。3人分の教育費を払うのはとても大変です。重婚して貧しい暮らしをすることになってしまいます。という訳で、重婚は子どもの教育費を考えるとよくないのです。
日本の人口は男:女=1:1ですから、一人が複数人と結婚すると結婚できない人が出てきてしまいます。重婚は結婚できる人、できない人の偏りを生み出してしまうのです。最後に、重婚ができるようになると性感染症が広まる理由です。ウオータールー大学のクリス・バウチ教授とマックス・プランク進化人類学研究所のリチャード・マクエルリアス博士の研究によると、300人の大規模集団では性感染症の流行で、出生率が低下し、一夫多妻制を罰するルールを作ると、一夫一妻制を取る者の数の方が多くなり、性感染症の流行も収まるとともに、一夫一妻制が定着するという結果が出ました。一方、30人の小規模集団では、性感染症は短期間の集団発生にとどまったため、一夫多妻制の方が出生率が高いため、一夫多妻制が続く社会なることが分かりました。つまり、300人以上の集団で重婚が認可されると、性感染症が流行するということです。
「近親婚」
について説明します。近親(いとこなど)と結婚し子どもをつくるとある問題が生じます。それは、同じ劣性遺伝子を持っている可能性が高くなり、普段あまり表に出てこない特性を持った子が産まれることです。障害や先天性の疾患など、我々にとって都合の悪いものが発現してしまいます。
そんな近親婚で有名なのがスペインのハプスブルグ家です。近親婚をして近親相姦をすれば、血が薄れないと考えたのですが、あごがしゃくれていたり、乳児死亡率が高かったり、知的障碍をもつ子どもが多く生まれたことが原因で5代ほどで滅びてしまいました。
重婚も近親婚も禁止されているなりの理由があります。同性婚が認可される動きがありますが、それに乗じて重婚や近親婚を認めないのはなぜだ!と暴動がおこることはおそらくないでしょう。
参考資料
LGBTの親がいることが原因で,学校内で「安 全でないと感じる」と答えた子どもは23%,「ホモ」 や「レズ」など,同性愛者を侮辱する蔑称を「頻繁 に」または「しばしば」聞いたことがある子どもは 64%という結果が出ている。実際の被害では, LGBTの親がいることが原因で,言葉による嫌がら せを受けたことがある子どもは42%,身体的な嫌 がらせや暴力を受けたことがある子どもも12%い た。
この資料を見ると、同性愛者への差別はあるとみて間違いないだろう。先ほど、「同性婚を認める、今までと異なる家族の形を認めることで「普通に生きたい」と思う家族や兄弟、子どもの幸福を奪うことにつながるかもしれない。」と差別丸出しの反論を書いたが、悲観的に見て、同性カップルの子ども(養子)は差別を受ける。直接的にいじめを受けるケースでないとしても、偏見を感じることは少なからずあるだろう。同性婚を認めることで、偏見や差別がなくなればこんな心配をする必要もないのだが、、、
結婚したい人の婚活支援をしているのは、民間企業だけではありません。民間企業と比べると認知度は低いですが、実は全国の多くの自治体が出会い・婚活・結婚の支援をしています。
多くの自治体が「税金を使って」婚活などの支援をしているらしい。
「なぜ政府が上記のように多くの保障を既婚者に与えるのか考えてみてほしい。それは、子どもを産むから」と書いた。ここで、結婚は個人のもので、個人のためにあるので、政府の保障うんぬんは関係がないという反論があるだろう。だが、自治体が個人の結婚事情に干渉してくる是非は置いておくとして、実際に税金が婚活に注ぎ込まれている現状がある。多くの自治体は、自治体にメリットがあるから婚活を支援していて、目に見えない当事者のためだけの幸せのために婚活を支援しているわけではない。自治体のメリットは?と考えるとやはり少子化対策ではないだろうか。この婚活は子どもを産んでくれるかもしれないカップルを増やす目的なのだ。結婚でもそうなのだが、婚活でも、出会い系サイトでも、マッチングアプリでも、同性愛者は排除された異性愛者のためのコミュニティとなっている。
全国で無作為に選んだ20~79歳の男女2600人を対象に行い、1259人から回答を得た。回答の内訳は賛成14.7%、やや賛成36.4%、やや反対25.4%、反対15.9%。同性同士の恋愛感情については半数以上が「おかしくない」「どちらかといえばおかしくない」と考える一方、自分の子供が同性愛者だったら45.6%、きょうだいだったら38.0%が「嫌だと思う」と答えた。
賛成とやや賛成を足して51.1%、やや反対と反対を足して41.3%、というわけで同性婚賛成派が10%ほど反対派を上回る結果となった。しかし、身近な人が同性愛者だとしたら「嫌だと思う」人も多い。
現代では、不妊治療が必要とされるカップルは10組に1組ともいわれ、約半分の割合で不妊症の原因の男性にあるとも言われています。
【不妊症原因の割合】
女性のみに原因がある・・・41%
男性のみに原因がある・・・24%
男女ともに原因がある・・・24%
原因不明・・・・・・・・・11%
不妊といわれると女性が原因と思われがちだが、実際は男性不妊も多い。
フェミニズムの歴史
フェミニズム(女性解放のための思想と実践、性差別からの解放)とジェンダーの定義についてまとめていきます。同性婚やLGBT、男女の概念はどのように生まれたのでしょうか。
1、第一波フェミニズム(19世紀末から20世紀初頭)
男女同権論、母性保護、女性参政権の獲得。日本では1925年の普通選挙法(男性のみ)の成立ののち、1945年に女性も参政権を獲得した。
≪ジェンダーの定義≫
ジェンダーはセックスそのものである。
「男らしさ」「女らしさ」は生まれつき備わっている。
2、第二波フェミニズム(1960年代以降)
雇用などの社会制度、社会慣習による性差別の撤廃。「家父長制的」社会ないしは家族における男(支配者)・女(被支配者)の関係性、二元論的な精神・身体、文化・自然、理性・感情、男・女の関係性はこのままで良いのか考えられる。
≪ジェンダーの定義≫
セックス(生物学的な性差)とジェンダー(社会的な性差)を区別するようになった。ジュディスバトラーは以下のように言った、「ジェンダーは、それによってセックスそのものが確立されていく生産装置の事である」
「ジェンダーは、それによってセックスそのものが確立されていく生産装置の事である」とはどういう意味なのか、友人に説明してもらいました。
ジュディスバトラーの著書「ジェンダー、トラブル」によると、それまで「セックス」とされていたものは政治的、社会的利害を寄与するために様々な科学的言説によって言説上作り上げられたものにすぎす、「セックス」と呼ばれる物こそジェンダーと同様に社会的に構築されたものであるとしている。バトラーは、身体の物質性は言語によってカテゴリー化されない限り確定せず、言語は身体に優先していると述べている。男女の区別は生物学的に収斂するのではなく、言説においてのみ存在し、セックスは自然として構築された身体性にのみ還元される「ジェンター」であり、(セックスは実体としては存在しない)全ては社会的に構築された「ジェンダー」であるとし、そして「ジェンダー」とはまさしくそれによってセックスそのものが確立される生産の装置であると定義している。「パフォーマティヴィティ」とは、「ジェンター・アイデンティティ」は本質的には存在しないにも関わらず、一般的には異性愛とされる文化的コードを、「行為体(Agency)」か操り返し演じることによって、「社会的に構築されたジェンダー」を元々存在している本質であり、主体がそれに先立って存在しているかのような効果をパフォーマティブに作り出しているとする概念である。
おわかりいただけたでしょうか。バトラーはジェンダー問題において有名な人で、哲学の博士号を持っています。私には何言ってるのかよく分からないんですけれども、なんとなくまとめてみると、「ジェンダーは、それによってセックスそのものが確立されていく生産装置の事である」→「性別による違いはセックス、ジェンダーともに文化的に作られたものである」ということだと思います。もっと踏み込んでみると、「セックス(生物学的な性差)は先天的には存在せず、男性器・女性器などという言葉があるからセックスが生まれる」「生まれながらの異性愛者も同性愛者もおらず、あくまで社会によって性的指向は培われる」「この性的多数派が異性愛者の社会において、異性愛者であるのは絶対ではなく、自分が身を置いた社会によっては同性愛者になる(なっていた)可能性がある」ということでしょうか? バトラーの著書は読んでないんですけれども。
私なりにかみ砕いてみたが、よくわからなかったのでyoutubeでバトラーを調べた。
僕たちは常に権力の網の目(哲学者フーコーを参照)を通して、性的にも主体化しているわけです。なので、自分で思ったように女になったり、ならなかったり、レズビアンであることを選択したりなんてことはできないわけですね。
上記の引用を見ると、「私はレズビアンである」という主体的な、社会(権力の網の目)に影響を受けない選択はできない。ということは、社会の影響を受けてレズビアンになる。レズビアンになりたくてなった(レズビアンを選択した)訳ではない。レズビアン(つまりはジェンダー)は社会によって生み出されたということだろうか。えー、なんで?同性愛者を排除する社会が同性愛者を生み出すの闇が深いなー。
3、第三波フェミニズムもしくは現代フェミニズム(1980年代以降)
・異性愛と同性愛の非対称性。カミングアウトしなければ、異性愛者として扱われるのおかしくない?
・LGBTが罪、病気という認識から「プライド」になった。「LGBT、いわゆる性的少数者が、差別や偏見にさらされず、前向きに生活できる社会の実現」を目指した団体、およびイベントの総称のことをレインボープライドといいますが、同じ語源でしょうか。
・女性らしさ(胸)を異様に強調した献血のポスターがネットで問題になりましたね。女性の性的なポスターは作られるのに、男性バージョンが少ないのはなんででしょうか
・コ口ナの影響で貧困に陥ったかわいい女性が風俗で働くことを「面白い」と表現したことで炎上しました。風俗がセーフティーネットなどと揶揄されることもありますが、女性がお金のために身体を売り、それを男性が消費するという性的に不均衡な構造を当たり前のように思うなよ。
・風俗といえば、妻や娘などがセックスワーカーとして働くことを拒否しながら、夫が風俗を利用するという、女性を二分化する構造も問題ですね。
このように、現在では様々な男女格差を問題視しています。日本は男女の格差を表すジェンダーギャップ指数2019が121位/153ヵ国と過去最低を記録しました。日本はまだまだ男性中心の格差のある国です。女性も男性もLGBTも、性別にかかわらず平等な社会にしていきましょう。
同性婚が認められている国と認められていない国
日本では”まだ”認められておりませんが、同性婚が認められている国は増えてきています。
下の画像を見ればわかる通り、同性婚を認める国の数や人口はまだ四分の一程度です。ヨーロッパで同性婚認可の動きが始まり、ヨーロッパ全土に広がっていったので、GDPでみると多くを占めています。そのうちの一部の国を抜き出してみました。
デンマーク・1989年に初めて異性婚とは別制度のパートナーシップが認められた。その後、2012年に同性婚も可能になった。
オランダ・2001年に世界で初めて異性婚と同じ制度での同性婚が認められた。
フランス・PACSという独自の結婚制度がある。2013年に同性婚も認められた。
PACSとは?
「PACS」(パックス)とは「民事連帯契約」というもので、簡単に言うと、婚姻より規制が少なく、単なる同棲(事実婚)よりは法的権利がある契約のことです。この契約とは共同生活を営むカップルが対象で、同性カップル、異性カップルを問いません。この「PACS」ですが、「同棲」以上、「結婚」未満のような関係とも言えるでしょう。
台湾・2019年にアジアで初めて同性婚が認められた。
なかには、同性婚を認められないどころか、刑罰を与えられる国もあります。イスラム教原理主義では同性愛に厳しい態度をとっています。
イラン・同性愛に対して死刑が定められている。
ガーナ・男性は違法だが、女性は合法。
生物学的に見た性別
動物の性別の決定にかかわる要因についての説明と、男性・女性・同性愛男性の脳の構造のちがいについてまとめました。イラスト多め
蜂の社会について。雌蜂は雄蜂と交配できない理由などをまとめました。イラスト多め
「多様性のない人」を認めるのは多様性?
主に性的な多様性について持論を書きました。
多様性って何だと思いますか? 多様性の意味ってなかなか難しいですよね。教科書的な、辞書的な意味は分かると思いますが、それを身近なことと捉えたときの意味は簡単ではないと思います。さて、このnoteでは、本質的な「多様性の意味」について迫っていきます。
Wikipediaによると、多様性とは以下のような意味だそうです。
多様性(たようせい)とは、幅広く性質の異なる群が存在すること。性質に類似性のある群が形成される点が特徴で、単純に「いろいろある」こととは異なる。また、diversity(多様性の英訳)とは、相異なる要素を有する、もしくはそれから構成される状態であり、そこから更に、異なったタイプの人々をあるグループや組織に包摂すること、とされている。
多様性とは、いろんなグループに似た人が集まることで、そのグループはたくさんある。もう一歩踏み込んだことを言うと、グループ1つ1つを認めることが大切、ということだと私は受け取りました。
多様性を認めようという話は、LGBTの多様性を認めてあげよう!みたいな話につながりがちです。好きな人が同性だとか、身体の性と心の性が違うだけで差別するのは良くないと思う人が増えていると思います。ですが、ゲイの人と友達になりたい!というのは差別的だという捉え方もあります。自分は差別がない、と思い込むのは簡単ですが、当事者が差別だと感じないレベルまで認めあえるというのは、やはり難しいと思います。「認めてあげる」という立場ではなく、互いに「認め合う」互いに話し合うのが大事だと思います。
見出しより、「多様性のない人」を認めるのも多様性? この答えは、多様性を語るうえで「多様性のない人」を含め全員を認める必要はないと、私は考えます。多様性、多様性とうるさく言われるようになりましたが、それは差別されてきた人や差別をよく思わない人による、互いに認め合うことの大切さの主張がマジョリティの目にとまったからだと思います。多様性は「多様性を認めない人」「差別をする人」を排除することで成り立ちます。
しかし、どうしても生理的にLGBTは認められない!気持ち悪い!という人はいるのではないかと思います。実際にLGBTへの差別やいじめはありますからね。ではどうすればいいか、というとどうもしないでいいです。差別をなくせという人が差別主義者を差別するのは笑えない冗談です。差別主義者は放っておいて、社会を変えていきましょう。差別主義者が生きにくい社会にしていけばいいのです。社会が変わる前には住み分けをしましょう。わざわざ上げ足をとったり、悪口を聞きにいかなくてもいいです。
村田沙耶香さんの寄稿・多様性
コンビニ人間の作者、村田沙耶香さんの多様性についての寄稿です。2000字ほど文字に起こしてあります。
LGBTの支援者
「アライ」と聞いたことがありますか? LGBTの支援者のことをアライと呼ぶのだそうです。
アライ(ally)には、盟友や味方といった意味があります。「支援」という言葉より、身近というか、当事者ではないなりにLGBTのことを考えていますよ、お手伝いさせてください、というような親近感を感じる言葉だと思います。アライの方やLGBT当事者がどのような意味を持って使用しているのかは、残念ながら聞いたことがないのですけれども。
そこで電通ダイバーシティ・ラボが、当事者の人たちとともに考案した、「ALLY RAINBOW ACTION(アライ・レインボー・アクション)」というものがあります。私もアライになりたい一人なので、虹色の旗を記事の画像に掲げています。
以前、LGBTのことを「生産性がない」という言い方をした人がいました。本当に、LGBTは生産性がないのか、LGBTの支援(同性婚認可)にどんな意味があるのか書いてあるサイトがあったので、紹介します。
国家の制度は、「資源利用の効率性」を高めるべきものです。結婚制度もその意味では長期的で安定した2人が関係を誓約し、しかし離婚の際には資産や所得の分割方法を事前に定める結婚制度は、家族や社会が安定性と生産性を向上させる制度であると言え、同性カップルに結婚を認める国は、より社会全体の生産性を向上させていると言えます。 また、同性婚を認めた国では、ウェディング産業が活性化した例があります。 そして何より、同性カップルにも法の下の平等を実現し、性的少数者を公的に認知を行うことが、人口の5%以上いると言われる性的少数者への社会的偏見や差別をなくし、性的少数者が自己の尊厳を保って生きられる社会を実現することにつながるのです。
LGBTの支援は意味のあることです。性的多数派にとっては関係のないことに思えるかもしれませんが、少数派に配慮した社会をつくることは誰にとっても必要なことです。多数派にとって住みやすい世界と少数派にとって住みやすい世界とは必ずしも一致しません。全員にとって住みやすい、を目指しながら、よりよい社会をつくっていけたらいいなと思います。その第一歩として、アライとして、同性婚の認可がされることを願っています。
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