イギリスの複業企業Octopus Groupが、Guardian Angelsの買収によりDeathTechへ参入
ロンドンに本社を置き、投資やエネルギー、不動産業を手掛けるOctopus Groupが、DeathTech企業のGuardian Angelsを買収するとのことです。
▼記事
Octopus Group moves into 'death tech' with Guardian Angel acquisition
Octopus enters ‘death tech’ market with Guardian Angel acquistion
Octopus Group acquires DeathTech business Guardian Angel
Guardian Angelsとは
同社のHPによると、Guardian Angelsは2017年に創業した会社で、創業者であるSam Griceの母親が2016年に交通事故で帰らぬ人となったことが創業のきっかけです。
サービス内容は、生命保険、オンライン遺言、委任状など生前のもの、および死後の遺言検認や遺族サポートサークルなどを対象としています。
例えば顧客に対し、死に備えてどのような生命保険や財産管理を行うことが望ましいかというアドバイスを提供を行うことも含まれます。
いずれもオンラインから簡潔かつ安価でサービスを受けられる特徴が挙げられます。
同社はこれまでに220,000人もの顧客・家族にサービスを提供してきた実績を有しています。
また、母親を亡くした経験を通じて創業したGriceは、事業については以下のように述べています。
「死に関する市場は、テック産業に残された最後の地です。愛する人を失うことは、誰もが経験する最も辛いことの一つであり、事務処理や管理業務に追われるものでなく、悲しみに向き合うために費やされるべきものです。」
Octopus Groupの見解・体制
Guardian Angelsを買収したOctopus GroupのCEOであるSimon Rogersonは、次のように言っています。
「死はタブーとして扱われている。ほとんど誰も触れようとはしない。
Guardian AngelのSamとの面会と通じて、人々の死に対する認識に変化を加えられるとの希望が見いだせました。
Octopusは社会課題を解決する会社だけが成功した会社だとは決して考えておらず、むしろ人々に安心を与えられる会社も同様に成功した会社であるべきと考えています。
Octopusとして、人々が死を通じてより前向きになれるよう貢献できるよう努めてまいります。」
創業者のSamそして、11人の社員は買収後もGuardian Angelsに残り、Octopus InvestmentsのCEOなどを務めるRuth Handcockが、Guardian Angelsの指揮を取ることも決定しています。
なお、Octopus GroupはこれまでにGuardian Angelsに対し、2-300万ポンドの投資を行っております。
今後のシナジーの見通し(個人的見解)
Octopus Groupが金融業などを行っていることから、Guardian Angelsがこれまで展開してきた生命保険や遺言などとの相性は良く、顧客獲得にドライブがかかることは大いに期待できるのではないでしょうか?
日本で言えば、信託銀行やFintech系メガベンチャーが、スタートアップを買収するようなイメージで、高齢者社会は一直線の日本市場において、Guardian Angelsのようなサービスは求められていると同時に、スケールポテンシャルを有していれば、買収のターゲットとして関心を引き付けられる可能性が高いのではと期待せずにはいられません。
国内でも同様のベンチャーの動きが待たれます。