2アウトランナーなしで送りバントのサインを出してくる監督の話

親友と、今までにあった理不尽だと思った話を、ブログ形式でつらつらと書いていこう、という話になった。

生きてきた約四半世紀、何かと文句を言っては忘れ、文句を言っては忘れ、の人生だった。今となっては、まあいっか、みたいなものが多いとは思っていたが、いろいろ思い出してみると、結構不可解だったり、今になって腹が立ってくることが多い。多分これを読んだあなたも、そういう出来事があっただろう。

思い出してみると、たくさん出てきたのだが、今回はそのうちのひとつである、

「2アウトランナーなしで送りバントのサインが出される事件」

について簡単に記していきたい。

自分は小学生でソフトボールを初めて、その流れで中学校では野球部に入った。正直今となっては「野球部に入る」こと自体が適切な選択ではなかったと思っているが、この話はまた別の機会にしようと思う。

野球部の中では珍しく左打ちだったこと、守備はまともに出来たこと、そして小技がちょっとばかり使えたおかげで、2年の夏からレギュラーになることが出来た。

小技の中でも、特に「バント」は得意で、どんな局面でも、どんな球が来てもバントを成功させていた気がする。割と自信はあった。

その取り柄を部長の先生が認めてくれていたものの、如何せんパワーが全くなかったので、毎回下位打線に送られていた。これに関しては全く異論もない。

基本的に、どんな試合でも、自分が打席に立つときは、ランナーがいたので、2アウトでない限りは送りバント、ランナーが3塁にいたら、スクイズをしていた。

スクイズは各自で調べてもらうとして、送りバントというのは、バッターがバントをしてアウトになる代わりに、ランナーをひとつ進めるという戦術である。

当然のことながら、ランナーがいる、且つ、2アウトでないと言うのが条件になってくる。

しかし、ある日の試合、「2アウト、ランナーなし」の状態で監督のサインを見ると、なんと送りバントのサインが出ている。おかしいと思い、もう一度サインを出してほしいと言う合図をしても、やはり送りバントのサイン。

とても訳が分からない状態であったが、監督の指示には逆らえない。

1球目から綺麗にファースト方向にバントを行い、見事にアウトになった。

自分が首を傾げながら、ベンチに帰ると、監督は、なぜか満足そうに頷いていた。その満足そうなしたり顔は忘れられない。

この事件を機に、「意味のわからんサインを無視したら次の試合でベンチに下げられた事件」につながるのだが、これも別の機会にしよう。

この事件、ずっと、おかしいな、意味が分からないなと思っていたが、最近になって、このバントの意図が少しだけ分かった気がする。

1つ目は、「相手チームにプレッシャーを与える」ということである。
『2アウトからバント??相手チームは何を考えている??」という、相手をいい意味で紛らわせたい、という意図だったのではないか。

2つ目は、自分が、2アウト、ランナーなしなのに監督の方を向いてしまったことである。確かに、この場面で、サインの出しようもないのだが、小技がちょっとできる人間に、バントのサインを出して、ワンチャンヒットにする、という考えがあったのかもしれない。

と思ったが、そのどちらもやはりおかしい。
そもそも、2アウトランナーなしで送りバントのサインを出してる時点でやっぱり意味がわからないし、出すにしてもセーフティバントだと思う。

ちなみに、中学2年から、3年にかけての1年間で、我が野球部はなんと公式戦を1勝も出来なかった。
中学で苦楽を共にしたチームメイトとも、かれこれもう5年は連絡をとっていない。

もし中学をやり直すのであれば、将来職業で使うためのプログラミングでも勉強しておくんだったと後悔する社会人2年目の夏だった。

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