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ハギワラシンジ
2018年12月16日 11:13
誰も話さなくなった日の終わり、私はそれが夜だということに気付いた。 どこかに落としてしまったマフラーについて考えていると、ぽつんと街灯に照らされた自販機を見つけた。誰も話さない夜は寒く、気を抜いたら凍ってしまいそうだった。温かい缶コーヒーがある。手を伸ばす。でも止めた。なぜなら温かい缶コーヒーは温かくなくなる。今の私は冷えが、例えスチールにでも染みていくという事実を受け入れることが出来なかっ