抗がん剤(FEC療法)真っ只中の心の悲痛な叫びと初めて見た景色。
がん告知から約2年経った今、起業を決意するほど前向きになっている私ですが、抗がん剤中の辛かった心の内もここに記しておきたいと思います。超絶ネガティブなのでお見苦しいとは思いますがお付き合い下さい。
全摘手術から2か月間、術後熱が下がらず常に37.5度前後あり、主治医に言われるがまま歯科、婦人科、内科、さらには膠原病内科まで行ってあらゆる検査をしましたが、結局原因不明なままでした。
「これ以上待てないのでもう抗がん剤していきます。」
熱が下がらないという不安の中始まった抗がん剤1種類目はFEC療法というものでした。
FEC療法とは
アドリアマイシン(またはエピルビシン)に加えて、他の抗がん剤、シクロホスファミド(C)・フルオロウラシル(F)を同時に行う併用抗がん剤療法が標準的方法のひとつ英語の頭文字をとってCAF療法またはFAC療法またはFEC療法またはCEF療法と言います。
初めて抗がん剤を受ける日は、得体のしれない未知との遭遇……いまだかつて経験したことない恐怖感で化学治療室へ入ったのを覚えています。
(入院で抗がん剤をする選択肢もあったのですが、まだ子供が小さかったため通院での治療を選びました)
記念すべき(?)1回目は事前に安定剤(「眠ってしまうけど気にせず眠って」と言われました)と吐き気止めの錠剤を飲まされ、いざ抗がん剤開始。
あらかじめ朝の検査時に右腕に入れたカテーテルから、点滴で薬を流し込むのですが、抗がん剤に加えて、「その副作用を抑えるための強力な吐き気止めと強力なステロイドも含まれているからね」という説明を受けていました。(FECは心臓に蓄積する成分も含まれているので、事前に心臓の検査をしてから回数や投与可能な量を決めるのですが、私の場合心臓が超健康優良児だったので結局、この後計4回この地獄を味わうことになります泣)
点滴から目覚めると、世界が回っていました。
まだその時はテキーラ一気した(あんまりしたことないけど例えがこんなんですいません)ぐらいの足と体の重さでしたが、どうやって会計してどうやって家に帰ったのかも覚えていません。家のベッドに横になると天井がぐるぐる歪んで見えて、座っても立ってもどんどん増していく吐き気がハンパなくて。酷い船酔いの状態が24時間3.4日続くのです。そんな中、通院ケモを選んだ私は抗がん剤投与から二日後に、白血球を上げるためのジーラスタという皮下注射を受けに病院へ行かなければなりませんでした。
とにかく抗がん剤という劇薬を体に入れて、悪い細胞も良い細胞も全滅させる。ジーラスタの力を借りて3週間目に免疫力やら白血球が元に戻ってくるので、3週間後にまた抗がん剤。それを1クールとして繰り返し計8クール(FEC4回ドセタキセル4回)行う予定になっていました。
2回目のFEC療法の頃には、すでに髪もなくどんどん性格が卑屈になり外出もできなくなるほど精神的に追い込まれていました。主人には「別人になった」といわれ、このあたりから徐々に心の距離を感じるようになりました。
そうなんです、
がん治療は経験したことない人には理解されないんです。
FEC療法2クール目の私のインスタ記事を書き起こします▼
【FEC療法2回目12日目】
元々、生理前の鬱、いわゆるPMSがわりとキツくて
ここんとこそれに似た躁鬱状態になってる。
情緒がビックリするぐらい不安定。
自分でもおかしいのはわかってるけどどうしても制御できない。
鏡に映る自分が醜すぎて笑えるレベルで酷くて。
髪の毛もないから濃い目にお化粧してみるけど何着ても似合わないし
ウィッグも不自然やし抗がん剤し出してから中年体形に浮腫んできて
え、誰なんこれ……?
肌も黒ずんで爪もボロボロで
身体も心もボロボロで
乳がんは女の大事なものから順番に奪っていく。
胸がなくなり代わりに大きな傷ができて、
抗がん剤の悲惨な副作用で髪の毛やまつ毛
そしてプライド、自信、自尊心……
大事なものが毎日どんどんなくなっていく。
なんとか自分を奮い立たそうと思うけど
家族や友達の手前、余裕を見せようと思うけど
これで絶対治るって信じてるけど
いくらなんでも辛すぎる
髪の毛ある人見ると羨ましい。
子連れのママ見ると羨ましい。
オシャレしてる人見ると羨ましい。
そんなこと妬む自分が、めっちゃ嫌。
あの人だってこの人だって問題抱えてるかもしれないし
もしかしたら乳がん治療中かもしれないし
ほかの病気を克服したかもしれない
それやのにアホみたいに卑屈になってしまう自分がめっちゃ嫌。
乳がんの闘いは、孤独。
全然、ピンクリボンなんて可愛いもんじゃない。
今思い出してもほんとに毎日メソメソ泣いていたなぁと思います。
この孤独感をどうにか克服するために、この記事の後すぐに闘病インスタのフォロワーさんを巻き込んで、LINEオプチャ「乳がんサバイバー本家」を作ることになるのですが、それはこちらの記事参照願います▼
大切なのは誰かと辛さを共有すること、
同じ薬を過去に体験した人の話を聞くこと、
同じ時期に同じ薬を経験している人の存在
私は一人で、これ以上ない絶望感満載のこんな状態なのに、この世の中には同じようにこれを体験している人がたくさんいるという事実に気付くと、うまく言えないけど、胸がいっぱいで張り裂けそうになりました。
今まさにどん底を経験しているたくさんの人達のために、まだまだ私にはできることがあるはず。私だからできること。この強い想いを形にしていきます。
Dear Lotus(ディアロータス)という名前に込めた想いの記事はこちら▼
今回はFEC療法のことについて書きましたが、ドセタキセルについてもまた書いてみたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
サポートいただいた支援金は、がん患者さんのための事業準備とがん支援の資金に大切に使わせていただきます。ありがとうございます。