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「小さいもの」にチャンス到来 (2022/6/24)

記事の長さはおよそ1,700文字。2〜3分程度で読めます。

オンライン授業 単位の上限緩和
文科省、来年度にも
大学の国際戦略広がり

2022/6/22(水)日本経済新聞朝刊

記事のポイント

  • 文科省は21日、大学のオンライン授業の単位上限を2023年度にも緩和する方針を固めた。

  • 審査機関が「特例」として認めれば、新型コロナウイルス禍の緊急措置だったオンライン主体の授業が常時可能になる。

  • 文科省令の大学設置基準は、大学卒業に必要な124単位のうちオンライン授業で取得できる単位の上限を60単位と定めている。

  • 省令改正案では、特例の審査機関として中教審に有識者の専門組織を設置する。特例は各大学が学部・学科単位で申請する。認める条件は、

  •  先進的な教育プログラム

  •  授業に関する積極的な情報公開

  •  授業の内容を点検・評価する仕組み など。

  • 省令改正が実現すれば、制度上は全ての単位をオンライン授業で取得することも可能になる。

  • 特例制度の導入にあたり、課題となるのが指導ノウハウを持つ教員の養成。海外に比べてオンラインの特性を生かした指導が十分にできる教員は不足している。

  • 海外ではコロナ前からオンライン授業が浸透している。

  • 全面的なオンライン授業に取り組む米ミネルバ大では、学生が世界7都市にある学生寮を拠点に各地を移動し、オンライン上で討論形式の授業に参加。学生同士は課外活動でも交流を重ねる。

  • 世界で人材争奪戦が激しさを増す中、日本が国際競争力を高めるには国内外を問わず優秀な学生を受け入れ、定着してもらうことが欠かせない。

  • レベルの高い教育環境を整備するには、オンラインの活用を含めた大学の創意工夫が求められる。

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5/27の投稿「『卒業証書』がなくなる日」で、
「仮想空間で学べるようになれば、特定の学校の過去の学習記録(卒業証書)に代わって、あらゆる時期や場所での学びを総合的にログ(記録)しスコアリング(点数化)することで、今現在のその人の学びのレベルが的確にわかるものが主流になってくるのではないか」とお話ししました。

100%オンライン授業が可能になることで、また一歩実現に近づいた気がします。


日本では若年人口の減少によって、大学は淘汰の時期を迎えています。
私は100%オンライン授業が可能になることは、地方にある大学や小さな大学にとっては生き残りのみならず、躍進する大きなチャンスになるのではないかと考えています。

これまで特に日本では、大学の評価は概ね「場所」「学校の歴史」「業績」などから「総合的」に決まっていました。
都会にあって、創立が古く、多くの学部・学科で顕著な業績を残している学校が評価されました。

みなさんの考える評価の高い大学を、ひとつ思い浮かべてもらえますか?

ほとんどの方が「総合的」に評価の高い大学を思い浮かべたのではないでしょうか。

もちろんこれからも東大やハーバード、スタンフォード、ケンブリッジといった超一流の評価はあまり変わることはないでしょう。
しかし、100%オンラインが実現した世界では、「総合力」はなくても一科目だけでも際立ったものがあれば、世界中から優秀な学生を集められる可能性が広がります。


際立った科目を設定するときに大切なのが、その学校の「創立の目的」や「立地する場所」などその学校固有の歴史や特性を活かした「ストーリーのある科目」を選ぶこと、そして自己満足ではなく第三者が「世界レベルと評価する」レベルにあることです。

例えば、

  • 世界に誇れる住環境があるところの学校であれば、住まいや街に特化した科目にする。

  • 美味しい食材に恵まれている地域であれば、食に関する科目を充実させる。

  • 有名な観光地であれば、ホスピタリティに特化する、など。


そういう科目が設定できれば、ほとんどの科目はハーバードで履修したけど、「街に関する科目」だけは◯◯大学で取りたいという学生が履修してくるのではないでしょうか。

大きな環境変化が起きるときには、小さくて弱いものに大きなチャンスがあります。

大きなものの真似ではなく、自身の特徴を活かした戦略を立てたいですね。

追伸
詳細な文科省令は未確認ですので、現時点ではジャストアイデアですが、実現すると面白いと思いませんか?


本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。

「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川




美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。