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「ロック」な気風、「演歌」な気風 (2022/7/14)

記事の長さはおよそ1,600文字。2〜3分程度で読めます。

【私の履歴書】13 団塊三人衆
部下が上司を育てる
ロック路線が支えた自由な気風
丸山茂雄(ソニー・ミュージックエンターテインメント元社長)

2022/7/13(水)日本経済新聞朝刊

記事のポイント

  • ミュージシャンもスタッフもおおむね団塊の世代かそれ以下というのがエピック(※エピック・ソニー)だった。

  • 私なりにこの世代を分析すると、ビートルズを聴き、アメリカのドラマを見ている。伝統的な上下関係を気にしない根性で努力なんていうのは格好悪いと考える。

  • 企画制作2部の次長という立場にあったころ、業界紙の取材で、どう部下を育てているのかと聞かれた。私の答えは、「上司は部下を育てられない。部下が上司を育てる」。

  • 小坂さんたち3人(※丸山さんの部下)も私が見出したのではなく、「使い勝手のいい上司」として私の方が彼らに見出されたのだ。

  • エピック行きを命じられたとき、好きなようにやっていいと言われても、好きなことが何もなく困惑した。しかし若い連中と仕事をするうちに、ロックならば一生懸命やれると思うようになった。そういうものとの出会いは生まれて初めてだった。

  • 団塊の世代は私に対してタメ口だったが全然、気にならない。大学生のとき高校のラグビー部で監督をしていた。部員たちもタメ口で、私には免疫ができていた。

  • リベラルな家庭環境で育ったことも影響しているかもしれない。父は、研究者の自主性を重んじていた。

  • 私は間近でそれを見ていたから、エピックでは部下たちに好きなアーティストと契約させた。放任だ。もちろん限度はある。一人で面倒をみるアーティストは3人までと決めた。その範囲なら進むか退くか、判断は部下たちに委ねた。

  • ポリティカル・リリース(政治的な発売)がゼロとは言わないが、エピックではほぼほとんどなかった。だから会社は合理的で、業績も伸びた。硬い組織の論理を押し付けていたらエピックの企業文化が作れなかっただろう。

  • エピックはタテ社会ではなくヨコ社会だった。


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今年の2月から毎日、日経新聞から1つ記事を取り上げて投稿してきましたが、「私の履歴書」からは今回がはじめてです。

「私の履歴書」は日経新聞の看板企画のひとつで、月ごとに執筆者が変わります。
今月はソニー・ミュージックエンターテインメント元社長で、プレイステーション生みの親のひとりとも言われている丸山茂雄さんです。

7/13分では、企画制作2部次長時代の部下との接し方や、エピック・ソニーの企業文化について書かれていました。


私は、個人が自分の能力を遺憾なく発揮でき、活力があって成果の上がる組織に関心があるので、いろいろと調べたり、実現に向けたお手伝いをさせていただいたりしているのですが、記事を読むと当時のエピック・ソニーはまさにそういった組織の典型のように感じました。

活力があり成果のあがる組織の特徴

  • 心から好きなことに取り組む

  • 上司と部下が対等な関係

  • 遠慮なくものが言える

  • 自主性を重んじる

  • 判断を委ねる

  • 組織の論理を押し付けない

  • 根性・努力ではなく合理性

  • 失敗を許容する(好きなようにやっていい)

  • 何をしもしていいわけではない(責任はある) など。


エピック・ソニーのようなクリエイティブさを求められる音楽業界に限らず、一般の製造業やサービス業でも先が見通せないVUCA時代を迎えて、同じことだけを繰り返していては会社はジリ貧になってしまいます。

社員全員にイノベーションを生み出せるような、クリエイティブさが求められるようになりました。

そういった環境を実現するためには、上記にあげたような特徴をもつ組織になることがとても大切です。

まさかみなさんの組織は、
「着てもらえないセーターを、寒さをこらえて編んでいる」ような気風
ではないですよね?



本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。

みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。

「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川




美味しいものを食べて、次回の投稿に向けて英気を養います(笑)。