見出し画像

6/18(日) 特別講座「鳩の巣原理」開講します

 こんにちは。Dear Hope 副塾長の伊藤です。

 来る6月18日(日)、Dear Hope設立5周年記念の特別講座の第2弾として、「鳩の巣原理」(数学)を開催します。本講座は、塾生でなくてもご参加いただけますので、今回の記事では、そのご案内をさせていただきます。

画像をクリックすると、特設ページに移行します

論証スキルとしての「鳩の巣原理」

 数学で大切なことは、いかにして着想を得て、かつ議論を上手に進めていくか、だと考えています。そのためには、さまざまな議論の仕方を知っていることが力になります。

 例えば、「背理法」という論法があります。これは、「何かが存在しないこと」や「何かが成立しないこと」を証明するにあたって、いったんそれを否定して(つまり、存在する、あるいは成立するとして)議論を進め矛盾を導く、という手法です。互いに意見が食い違ったとき、相手の意見を受け入れたと仮定すると、「こういう問題が生じますよ、だからこっちの方がいいんじゃないですか」という議論の進め方です。

 このような議論の進め方の一つに、「鳩の巣原理」というものがあります。この原理自体は比較的わかりやすい話であり、「9つの巣の中に10羽の鳩がいるなら、少なくとも1つの巣の中に2羽以上の鳩が入っている」というような原理です。

鳩の巣原理の例

 例えば、4つの整数a,b,c,dがあるとします。これら4つから2つ選んで差を作ると(a-b,a-cなど)、必ず、3で割り切れる数が現れます。これはなぜか?
 このような問題を解く際に、鳩の巣原理が役立ちます。

 すなわち、整数を3で割った余りは、0,1,2のいずれかです(巣が3つ)。整数はa,b,c,dの4つあるので(4羽の鳩)、鳩の巣原理から、3で割った余りが同じになる整数が少なくとも2つ存在します。ゆえに、そのような2つの整数の差は3の倍数になるから、題意は示されました。

3で割った余り=巣/4つの整数=鳩

 この他にも、鳩の巣原理を用いることにより、

  • 4m四方の正方形の領域に10個の点を配置すると、互いに2m以下の距離にある2点が必ず存在する。

  • 3マス×7マス(計21マス)の長方形領域において、各マスを2色で塗り分けるとき、4隅が同色の2マス×2マス以上の長方形が必ず存在する。

  • 「適当な16桁の整数をとるとき、連続する何桁かの数の積を平方数にすることができる。」

といったことを証明することができます。

 鳩の巣原理を用いる際には、何を「巣」と見て何を「鳩」と見るか、が鍵です。その見極めは、鳩の巣原理に関する様々な問題を通じて感覚を養っていくのが近道だと思います。

数学に興味を持つきっかけに

 「鳩の巣原理」にまつわる問題は、大学入試で頻繁に出題されるわけではありません。しかし、なるほどすごい!と感動するような問題に多く出会えます。今回の特別講座では、そのような問題に一緒に取り組むことにより、数学への興味を深めつつ、論証のスキルを高めていっていただきたいと考えています。
 また、中学生でも楽しく取り組んでいただけるよう、興味深く、かつ感動的な問題を用意する予定です。授業の後半では、数学オリンピックの過去問にもチャレンジします。
 多くの皆様のご参加をお待ちしています!

《内容》 典型的な問題で鳩の巣原理を確認し、大学入試や数学オリンピックの過去問に取り組みます。
《対象》 高校生(数学に関心の強い中学生も可)
《日時》 6月18日(日)10時30分~12時
《料金》 5,500円
《実施方法》 対面・オンライン

 本講座は、下記のフォームからお申込みいただけます。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?