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東大に推薦合格したKさんとMさんが今、考えていること ~塾生との座談会より~

 こんにちは。Dear Hopeです。
 いつも記事をお読みいただき、ありがとうございます。

 この記事は、副塾長(夫)が書いています。

 去る5月22日、Dear Hopeでは、東京大学に推薦で合格したKさんとMさんを塾に招いて、塾生たちとの座談会を開催しました。お二人から塾生に向けて、たくさんの有益なアドバイスや体験談をお話しいただいたのですが、今回はその中から、彼女たちがいま考えていことが垣間見えるエピソードをご紹介したいと思います。

東大に学校推薦型選抜で合格したKさんとMさん

 まず、お二人の経歴とDear Hopeとの関わりを簡単にご紹介します。

 一人目のKさんは、都内の中高一貫校を卒業され、今年、学校推薦型選抜で東京大学の理科Ⅰ類(工学部)に合格されました。
 Kさんは、Dear Hopeに中学三年生の終わりから三年間通われ、英語と数学を受講されました。さらに高校三年生になってからは、推薦に向けたサポートも受けられました。

 二人目のMさんも都内の中高一貫校を卒業され、昨年、学校推薦型選抜で東大の文科Ⅲ類(教育学部)に合格されました。
 Mさんには、高校三年生の受験期に、Dear Hopeの「受験カウンセリング」を受けていただきました。
 Mさんは、東大に入学した後もときどき連絡を取り合い、今年度から、私たちの塾Dear Hopeで国語、小論文、そして総合型選抜対策の講師として活躍されています。

左から、Mさん、Kさん、塾長(妻)

 座談会では、一般入試の対策、推薦入試の対策それぞれについて、たくさんのお話を聞かせていただきました。その中でも特に印象に残った言葉を、なるべく彼女たちの言葉に忠実にご紹介したいと思います。


東大・推薦合格者からのメッセージ

どこの大学に入るかよりも、どのように社会貢献したいかが大切

(――ひととおり塾長(妻)からの質問に答えた後で)

(Kさん) 
塾長の伊藤先生から、事前に今までのような質問事項をいただいたんですけれど、それ以外で私からお伝えしたいことがあって。それは、「第一志望校に落ちても人生終わりじゃない」ということです。高校生のときは、第一志望を模試のたびに書かされたり、先生や親に聞かれたりするので、そこじゃないといけないし、そこに落ちたら恥ずかしいとか、自分の人生が失敗になっちゃうとか思うかもしれません。でも、いざ大学に入ってみると、自分は○○大学の学生だ、みたいな意識ってそこまでなくて、どちらかというと「何がしたいか」とか「どういう人になりたいか」とか、そういうことを考える方が多いです。
 何が言いたいかというと、「東大」ってたぶんみんな憧れるし、ネームバリューもあるし、入れたらいいなって思う人は多いと思います。でも、いざ入ってみると、私の友人の実際の言葉なのですが、「将来は寝ていても稼げる政治家になりたい」とか「大企業に就職して安定した生活を送れればそれでいいんだ」とか「どの授業ならサボれるかな」とか、そう発言している人って結構多くいます。偏差値の高い大学に入っている人が、社会のことをすごく考えているかというと全然そんなことはなくて、大学名とは切り離して考えなくてはいけないなと思いました。だから、どこ以上の大学に入らないと人間的な価値が失われてしまうとか、中高生はそういう恐怖心みたいなものをもってしまうことがあると思うんだけど、全くそれは気にしないでほしいし、実際全然そんなことはないと思います。
 どこの大学に入るかじゃなくて、自分の能力を活かしてどういうふうに社会に貢献したいかとか、どんな世界にしたいとか、そういうことを真剣に考えている人の方が立派だなっていうふうに最近は思います。これは自分に言い聞かせていることでもあるんですけれど。東大に入ったことにあぐらをかかないで、どういう自分を作っていくかということを考えていないと、本当にダメな人間になってしまうなっていう危機感があって。こういうようなことを最近思っています。

(塾長) ありがとうございます。大学名は、人を判断するときに使われがちな指標の一つだとは思うけれど、でも一番大事なのは、「何を思って生きている人か」かなと、私自身は思っていて、すごく納得させられました。そういうことを感じながら過ごしているんですね。
 Mさんは何かありますか?

東大生という「張り紙」をどう使ったらいい動きができるかを考えている

(Mさん) いまKさんがおっしゃったことは、私自身もそうだなと思いながら聞いていたところです。
 一方で、東大に一年間在籍してみて、大学の外に出てみたり、東京ではない場所に行ってみたりする中で、東大生としての自分を逆に意識するようになりつつあります。今までは、どこの大学に行ったとしても「どんな私でいるか」が大事だと考えていたのですが、少しずつ東大生っていう「張り紙」をどういうふうに使っていったら、もっといい動きができるだろうかとか、東大生っていうネームバリューを使いながら広げられる活動のあり方っていうのはあるのかなとか、そういったところにも関心が向きつつあります。
 本当にあっという間に一年過ぎてしまってあっという間に進級してしまったんですけれど、自分が見えているものが全てだと思わずに、四年生まで、あるいはその先まで過ごしていけたらいいなと思います。

受験は自分の大事な歴史だと思って頑張ってほしい

(塾長) ありがとうございます。
 私はもう東大を卒業してだいぶ長い身なのですが、社会に出てみて、社会で幸せそうに活躍している人と学歴は関係ないなと思います。
 ただ一方で、自分は自分の人生しか生きられないので、私としては、「やっぱり教育に携わりたい、そのために最高の環境で学びたい」と思って東大を目指して頑張ったこととか、いろんなことを考えながら過ごせた時間はすごくありがたかったなと思っています。だから、これから受験を迎えるみなさんは、自分のストーリーとしての受験だから、本当に大切にしてほしいし、その結果が、Kさんが言ってくれたように第一志望じゃなかったとしても終わりじゃないし、でも本当に自分の大事な歴史を歩むっていう気持ちで頑張ってほしいなと思っています。


Kさん、Mさんのような聡明な東大生をかつてサポートできたことは、大きな誇り

 彼女たちのように、「自分をどのように社会に役立てていくか」を一生懸命考えて大学での学びを深めている学生は、東大の中でも貴重な存在だと思います。

 私自身、日ごろは、「東大に入りたい」とか「数学の成績を上げたい」という希望をもった高校生に対して、数学や物理の授業を行っています。
 ただ、本当に伝えたいことは、数学や物理を学ぶプロセスで得られる論理的な思考力や、学ぶことの楽しさです。さらに、勉強を通じて、社会で役に立つための「考える力」を養って欲しいとも願っています。だから、数学の成績が良くなったら偉いとか、東大に合格したら偉いとか、そういう考えは持たないで欲しいなと。それは、自分がいかに評価されるかという「我欲」であり、社会貢献とは何ら関係がないと思っています。

 もちろん、これは東大を目指すべきでないという話では全くありません。東大は、明確な目的をもって勉強したい学生にとっては、非常に良い環境であることは言うまでもありません。したがって、東大を真剣に目指している塾生には、ぜひ東大に合格して欲しいと思って、私も真剣に(厳しく?)指導しています。
 また、東大に行くことの利点として、優れた学習環境で学生生活を送れることはもちろん、Mさんのお話にあったように、東大生という「張り紙」を得られることだと思います。この張り紙をぜひ、社会貢献に大いに役立ててほしいと思います。

 さて、Kさん、Mさんお二人の視線の先には、分野は違えども、社会貢献がありました。東大に入学したことはゴールではなくスタートであるということをよく理解して、来るべき未来に向けて、高校時代に描いた将来のビジョンをさらに深化させていることも、座談会を通じてよく伝わってきました。これほど自己の生き方について自覚している大学生は、なかなかいないと思います。彼女たちは、大学生の中で、きっと東大生の中でも、ひときわ聡明な学生たちだと感じました
 私たちDear Hopeが、Kさん、Mさんをかつてサポートさせていただけたことを、とても誇りに感じました。今後のお二人の活躍が楽しみでなりません。

Mさん、Kさん、貴重なお話をありがとうございました。

 今回の座談会を終えて、私たちDear Hopeは、引き続き、「Hope」である塾生一人ひとりが、将来、社会で役立つ人材、言い換えると利他の精神もつ大人になるための手助けを行っているという自覚のもとで、塾生の「いま、ここで、考える力」が育まれるよう指導に邁進していきたいと、気持ちを新たにしました。

 ちょっと真面目な記事になってしまいました。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


 このnoteでは、小さな大学受験の学習塾「Dear Hope」のスタッフが、大切にしていることや、日々考えていることなどを書き記していきたいと思います。

 今後とも、よろしくお願いいたします。

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