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癇癪はチカラ

こんにちは。保健師のとらです。
うちの4歳の息子すうちゃんは、毎日さまざまな場面で癇癪を起こします。

今朝は、いつも起きる時間より5分遅かったことを発端に
「遊ぶ時間がなくなった!」
「幼稚園行かない!」
「今日はダメな日!」と大混乱
(ふわふわのおもちゃで家族の寝室にバリケードをつくるという奇行)
という一日のスタートでした。

とにかく朝起きるのがめちゃくちゃ早く、まだ家族が寝ているとき大騒ぎしたので、近所迷惑にもなるし、私も怒ってしまいました。
生理的欲求が満たされてないと、大人も話を聴いたり共感したりは難しいですよね。

とにかく地雷が多い、すうちゃん。
日々繰り返される癇癪とその対応。関わる方は大変ですよね。

癇癪とは、子どもがこれまで親と同一と捉えていた自分を親から分離(自律)しようとする成長過程のひとつと言われています。
多くの場合、その子の中で「こうしたい」という思いがあるのに「できない」「思っていたのと違う」という現実があることでの葛藤から生じます。

もっと年齢が低い場合はお腹が空いた、眠いなどの生理的欲求が大きく関係しているため、どの年齢にも当てはまることですが、まずはそこを満たしてあげるのは大前提です。

そして癇癪は突然起こったように見えても多くの場合は小さな我慢やストレスが少しずつ溜まっていて、ある一定を超えたところで噴出しています。
原因があるので、なるべく爆発する前に、少しづつガス抜きしてあげるだけで違います。
「困ってない?」の声がけや
「どんなあなたも大好き。あなたがいて幸せ。」というありのままの受容など良きです。

つまり、癇癪は訳のわからないわがままではなく、自分との闘い、葛藤が生じているということになります。
子どもは自分でなんとかしようともがいているんです。

大人も自分がやらなきゃいけない仕事があるとわかっていて、でもやる気が出ないと葛藤しているときに「やりなさい!」と頭ごなしに言われたら、どう感じますか?
逆効果ですよね。
わかってるわー!!ってなります。

でも大声で泣きわめく子どもに1時間向き合うとか、無理ですよね。だって相当な忍耐とエネルギー持っていかれますから。
ですから先ほどの「こまめにガス抜き」に合わせて、癇癪を起こしてしまったときは「反応しない」がポイントとなります。

これは無視とは違います。
冷たい態度でもありません。
子どもの反応に同調したり、過度に声をかけすぎたりしないということです。
癇癪を起こしている子は本人のキャパオーバーになっています。その子にさらに刺激を与えると、受け取りきれず反応を長引かせます。
(でも「ママ抱っこ!」など求めてくる場合は抱きしめてあげてください。心の安心を失って逆にヒートアップするよりも、その求めには応じて安心させてあげるのは良いと思います。)

最初は反応してくれないことに逆にもっと大騒ぎするかもしれません。でも何度か繰り返すうちに落ち着く時間が早まってきます。

少し落ち着いたところで、抱きしめたり、お茶を飲ませたりして、その子が辛かった気持ちをできる限りで紐解き言語化してあげます。
この「安心」と「言語化」のセットがとても大切で、積み重ねていくことで癇癪という方法から言葉で気持ちを理解し伝える段階へと成長していきます。

癇癪で大切な心構えは、子どもは自分でなんとかしようとがんばっている人なんだ、いう認識です。
ただ、それをコントロールすることは子どもにはまだ難しいんです。

この癇癪の現れは子どもが自分を律する力を養う大切な成長の時間となっています。
いわば心の筋トレです。
筋肉は一日にしてつきません。
癇癪への対応は毎日の繰り返しで疲弊してしまう方も多いと思います。
でもかならず癇癪は終わります。

自分を律する力を得た子どもは、いつかあなたから離れ、自分で人生を選択し力強く歩んでいくことでしょう。


こんな書いてる私ですが、夕方に疲れて自分のお腹が空いてるところで癇癪を起こされ、まんまと怒り返して全然対応できませんでした…

私もご飯食べたら落ち着きました!
そんなもんです。笑

読んでいただきありがとうございました。

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