【レビュー】鬼滅の刃「風の道しるべ」
全体記事35記事目は2つめの読書レビュー、今人気の「鬼滅の刃」の小説版「風の道しるべ」の読書レビュー、書評となります!
人気作品、「鬼滅の刃」。コミック新刊の21巻と一緒に小説版第3弾も発売されました。
21巻ともリンクする話にもなるので一緒に読んで楽しめる小説となっております。
全部で5話あります。
それぞれ独立した話になっております。
第1話…風の道しるべ
第2話…鋼鐵塚蛍のお見合い
第3話…花と獣
第4話…明日の約束
第5話…中高一貫☆キメツ学園物語!!~ミッドナイト・パレード~
以上全5話です。
あらすじ
日輪刀の存在も鬼殺隊の存在も知らず、ただ鬼を殺すことだけに己のすべてを賭す、少年時代の実弥は、鬼殺隊隊士・粂野匡近と出会ったことにより鬼殺隊へ導かれる。明るく屈託のない匡近に次第に心を開いていった実弥は、匡近と切磋琢磨しながら「柱」を目指すことに。あるとき、某屋敷のそばで次々と人が消え始める事件が発生。その調査に向かった二人だったが、そこに現れたのは強敵・下弦の壱の鬼だった! 他にも、無一郎が小鉄と一緒に縁壱零式を修理したり、伊之助とカナヲの友情秘話、さらに鋼鐵塚のお見合い話も収録! 「キメツ学園」では、先生たちが話題の怪談を調査する!?
※下記よりネタバレを含むのでご注意ください※
第1話 風の道しるべ 概要及び感想
風柱、不死川実弥がまだ鬼滅隊に入る前、そして柱になる前の話となっております。
少年時代の実弥が鬼殺隊士の粂野匡近と出会ったことで鬼殺隊士となります。匡近の弟弟子となります。
実弥は憎まれ口を叩きながら、匡近はいつも明るく、2人はいいコンビとなり仲良くなっていきます。
実弥も次第に心を開き2人切磋琢磨していきます。
月日は流れ、2人とも階級は甲(きのえ)となります。
10ある階級の一番上の階級です。
その2人に久しぶりに共同の任務を与えられます。
ある屋敷で子どもが行方不明になっているという事件。
当然鬼殺隊士も調査に行きますが、隊士の中でも行方不明になった者と帰還した者といます。
しかし、帰還した者は全員普通に戻ってきております。
報告も「誰もいなかった」という報告のみ。
2人が失敗すると次は柱が動くことになっております。
早速、その屋敷に行きます。
屋敷に入ってすぐに妙な匂いを嗅いだ瞬間2人は離れ離れになります。
一度、実弥を見失った匡近は屋敷の外に出ます。
そこでその屋敷がある村落にいる老人と出会います。
過去に屋敷内に起こった凄惨な事件について話を聞きます。
その事件に巻き込まれた弥栄(やえ)という女性。その女性が鬼になったと匡近は予想します。
そして再び屋敷の中に入っていきます。
実弥は1人屋敷の奥に進んでいきます。
その先で妙な空間に出くわします。
座敷の中で行方不明になった子どもたちと鬼殺隊士がベッドに横たわっているのです。
そして1人の女が看病をしているのです。
その女は鬼で、しかも十二鬼月、下弦の壱でした。
攻撃を繰り出しますが突如座敷が赤黒い世界に変貌します。
そこは鬼の腹の中ということでした。
そして攫われる人間には共通点があることがわかりました。
それは「親に虐げられていた」ということでした。
母を貶められた実弥は激怒しますが、攻撃は鬼に当たりません。
しかも瀕死の中にいた鬼殺隊士で実弥の同期の浦賀も死んでしまいます。
その時に叫びます。
匡近は実弥の声が聞こえた気がします。
しかしどこにも姿は見当たりません。
屋敷の中に鏡台があり、そこで手紙を発見します。
弥栄の娘が血文字で書いた手紙でした。
その中には母である弥栄が自分を殺そうとしたことと助けてということが書いてありました。
再び実弥の声が聞こえます。先程よりもはっきりと。
しかし見つけきれません。
すると鏡台の鏡の中に実弥がいることを発見します。
鏡の中で実弥と鬼が対峙しています。
しかしこちら側には誰もいません。
他にも香炉が置かれている棚なども鏡の中に見えます。
一方で実弥の攻撃は全く鬼に当たりません。
すると突然鬼が狼狽しました。
直後陶器が割れる音とともに妙な世界から元の座敷に戻りました。
そして匡近の声が聞こえ無事合流できました。
匡近は鏡で見た位置を頼りに飾り棚を切り付けます。
すると陶器が割れる音とともに妙な匂いが決めました。
そして実弥の名を叫ぶと遂に反応があり合流を果たしました。
激闘の末、鬼を退治することができましたが匡近を失ってしまいました。
匡近の死後、お館様に遺書を見せてもらいます。
その中には実弥が知らない匡近の姿がありました。
匡近にも弟がいたこと、その弟を鬼に殺されたこと、両親は匡近を責めなかったが匡近は自分自身を責め続けたこと、母親の制止を振り切り鬼殺隊に入ったこと…。
育ちがいいと思っていた匡近も苦しんでいたのでした。
そして、墓前に実弥の弟・玄弥が鬼殺隊に入ったことを報告します。
玄弥が生きていてくれることが、幸せでいてくれることが、実弥にとって唯一の幸福であり願いであり、生きる意味であること確認します。
弟をどんなことをしても守りたいから、拒絶以外に弟を守る方法がわからないから、自分が憎まれても弟には生きていてほしいと思うのでした。
長くなりましたが以上が「風の道しるべ」の概要です。
コミック21巻で玄弥を失います。
この風の道しるべに書いてある実弥の気持ちを知ってしまうと21巻は涙なしでは読むことはできません。
またあえて戦いのシーンなどは簡潔にしか記載しませんでした。
ぜひ読んでいただきたいと思います。
第2話 鋼鐵塚蛍のお見合い
鬼滅の刃の主人公、竈門炭治郎の刀を打ってくれる刀鍛冶、鋼鐵塚さんのお見合いの話になります。
最初から最後まで笑えるシーンが満載ですが、最後に鋼鐵塚さんの鬼殺隊への思い、炭治郎との絆を見ることができます。
頑固者と思っていた鋼鐵塚さんの、本編では見ることができない炭治郎への思いや絆を見ることができますので必見です。
第3話 花と獣 概要及び感想
嘴平伊之助と栗花落カナヲとが友情を築くきっかけになった話になります。
蝶屋敷にて療養中に看護師3人娘(きよ・なほ・すみ)のきよの髪飾りがカラスに取られてしまいます。
髪飾りを取られたぐらいでうろたえるきよを理解できない伊之助でした。
そんな伊之助に怒ってしまったカナヲや蝶屋敷で働く神崎アオイたち。
この出来事を炭治郎に相談したところ、なぜみんなが理解できない伊之助に怒ったのか判明しました。
この髪飾りは亡き柱、胡蝶カナエと蝶屋敷で働く者たちを結びつけるカナエの形見でした。
しのぶのことを思い出す伊之助。
カラスに盗まれた髪飾りを探しに行きます。
カナヲは先に山に行き髪飾りを探しますが見つけきれません。
すると、木の上から髪飾りを見つけた伊之助がやってきました。
動物たちが考えていることを理解できる伊之助にとってカラスが盗んだ髪飾りを探すことは容易なことでした。
帰りの道中、カナヲと伊之助はお互いを理解しあうようになってきます。そして友情を築きました。
蝶屋敷でもカナヲ、伊之助、アオイ、きよ、なほ、すみ、そしてしのぶと温かい食卓を囲むのでした。
この幸せがずっと続くようにと…。
話が無限城にて上弦の弐を倒した直後に飛びます。
大きな犠牲の上に勝ち得た勝利。
伊之助とカナヲは2人して決意します。
無事に鬼舞辻無惨を倒してみんなの下に帰ることを。
こちらもコミック本誌では触れられなかった伊之助とカナヲの友情の話でした。
また、無限城のやり取りも読者の想像で補うしかなかったやり取りを補完してくれています。
これから発売される22巻・23巻にも繋がるエピソードにもなるのでぜひ見ていただきたいです。
最初はコイントスでしか決定しきれなかったカナヲの成長、獣に育てられたとはいえ思いやる気持ちもあり人に愛を向けることが出来るようになった伊之助の成長。
コミックだけでは読めない2人の成長における心の動きも見れるので2人を好きな読者はぜひ読んでほしいと思います。
第4話 明日の約束
霞柱、時任無一郎と小鉄が壊れた縁壱零式を修理する話になります。
この話も21巻において一コマ出てくる思い出の場面に繋がる話になります。
刀鍛冶の里を守ったことで、炭治郎や小鉄のおかげで人間らしい心を取り戻した無一郎の葛藤や贖罪などコミック本誌では触れられなかった無一郎視点の感情の動きを見ることが出来ます。
くすっと笑えるシーンもありますが、初出の無一郎を知っている読者としてはここまで成長したのかと嬉しくなります。
明日の約束、いつ叶うかもわからない約束、儚い程にもろい約束。
そんな約束は無一郎の心を明るく灯してくれます。
21巻を読むことで無一郎のその後について知っている読者はきっと涙なしでは読めないと思います。
しかし、ぜひ読んでいただきたい話であります。
第5話 中高一貫☆キメツ学園物語!!~ミッドナイト・パレード~
小説版の楽しみと言えばこの「キメツ学園物語」になります。
本誌で柱など年長者たちが学校の先生となり、主人公たちが学生となって繰り広げるパロディ。
生物の先生として赴任された胡蝶カナエと、生物室にまつわる怪談を解決しようとする宇髄天元や冨岡義勇、煉獄杏寿郎たち。
怪談の原因となる妖怪はあの上弦の鬼たち。
そしてまさかの結末が!
本誌では死んでしまった人物たちも出てくる学園パロディです。
全体の感想
全体的にコミック本誌では語られなかった登場人物たちの関係性や過去の出来事、心の動きなどを見ることが出来る話です(キメツ学園以外)。
読者の想像でしかなかったストーリーをきちんと補完していただけるので鬼滅の刃の世界観や登場人物が好きな方はぜひ一度されてください。
読者は知っている悲劇にも繋がるストーリーなので涙なしには読めない話ばかりです。
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