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にじさんじ甲子園、対戦攻略のポイントと注目点

 今年もにじさんじ甲子園の季節がやってきた。
 スポーツ選手育成ゲーム『実況パワフルプロ野球』でライバーの容姿を模したキャラクターを育て、チームを作って戦わせるというこの企画は、夏の風物詩として長らく親しまれてきている。2023年度は100人を軽く超えるライバーを上手く振り分けるため、過去最大の10チームが参加する形式となり、予選リーグから白熱した内容となることは確実だ。

 さて、そんなにじさんじ甲子園においては、過去の大会からある程度攻略についての傾向が見えるようになってきている。ある程度データが蓄積されてきたとあって、各チームの監督に指名されたライバー達は、大会ならではのポイントを意識してチーム作りに取り組んでいることだろう。
 育成段階での強さが必ずしも本番の試合運びに結びつくとは限らない点も含め、勝敗のカギになる要素を知ることは、育成配信や大会本番をより楽しむ上でとても役立つ。具体的にいくつか見ていこう。

開始時キャラクターの初期ステータスで勝敗は決まらない

 キャラクターの育成は、高校野球をモチーフとした『栄冠ナイン』モードで行われる。
 このモード内では、毎年4月に新入生としてキャラクターが半ばランダムで追加され、夏の大会で敗退するか甲子園を優勝したタイミングで3年生が引退するようになっており、大会本番では3年目の夏大会終了直後(最初のライバーキャラクターが引退する直前)のデータを使って対戦を行うこととなる。

 1年目の新入生はプレイヤー側で介在できる余地がないため、キャラクターは完全なランダム生成となる。一定の確率で転生プロ(実在のプロ野球選手を元にしたキャラクター)を引き当てる可能性はあるが、多くの場合は全員の合計ステータス値が500~600あたりに収束するよう調整された6人が出てくる。
 およそ2年半の期間ステータスを上げられるとはいえ、スカウトで高水準のステータス持ちや転生プロを引いてこられるようになる2年目以降と比べると、キャラクターの初期値はやや弱く感じられる。しかしながら、必ずしもそうとは限らないのがにじさんじ甲子園の育成パートである。

 たとえば、ニュイ・ソシエールが2022で監督を務めたチョモランマ高校の場合、初期キャラクターの1人は17という下限値をほぼなぞるような状態で生成された。
 一般的なプレイヤーであれば、他はともかくこのキャラクターに対しては育成を諦めてしまうかもしれない。しかし、ニュイはじっくりとこのキャラクターを使い込み、特訓や合宿を活用することで能力を強化し、主力選手の1人として育て上げた。ステータス自体も他のメンバーと比較して遜色ないレベルに到達しており、初期値の低さを補う成長率だったことが伺える。
 このように、1年目のキャラクターについては初期値がどうであれ育成でマイナスを補えるため、転生プロの有無や初期ステータスの高さで優劣が決まらない。大切なのは、育成においてスキル取得や練習効率アップの機会をどれだけ有効に使えるかという点だ。運の要因も大きいが、チャンスが上手くかみ合えば多少のステータス差など簡単に埋まる。そのため、スタートの良し悪しだけではチームの命運が決まると言い切れないのである。

どれだけ打球を飛ばされないようにするかが大事

 にじさんじ甲子園においては、相手の有効打をどれだけ防ぐことができるかが勝敗のカギを握る。特に外野の間を抜くような安打や、一塁・三塁のライン際を抜けるフェアは、相手の走塁や得点を許すきっかけになりやすい。

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