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顧客ロイヤルティを可視化する、たった一つの質問。NPS調査とは?

みなさんは自社の顧客満足度を定期的に計測していますでしょうか?
どのような方法で顧客満足度を計測していますでしょうか?

私たち電通ダイレクトはサービスを利用していただいているクライアント様に定期的なアンケートにご協力いただくことで、満足度を計測しています。
アンケートではNPS®を活用し、調査を行っています。

本記事では、NPS調査とはどのようなものか?ということと、
電通ダイレクトが実際に行っている運用方法をお伝えいたします。

本記事を読むことで、
✅NPS調査の概要を知る
✅NPS調査のメリット・デメリットを知る
✅NPS調査の実際の運用ポイントを知る
ことができると思います。

それでは是非最後までお読みくださいませ!

NPS調査とは?

NPS®とは、Net Promoter Scoreの略で、2003年にベイン・アンド・カンパニーのフレック・ライクヘルドを中心としたチームがハーバード・ビジネス・レビューで発表した顧客ロイヤルティを数値化する指標です。

NPS®を調査する際には、以下の一つの質問を行います。
 「○○を上司、同僚、友達にお勧めする割合を10点満点で教えてください」
※○○はサービス名称や社名

この時に選んだ数値を基に、顧客を推奨者・中立者・批判者にカテゴリ分けします。多くの場合に10~9を選ぶと推奨者、8~7は中立者、1~6は批判者を基準にカテゴリ分けされます。

NPS®はこのカテゴリ分けを利用して、回答者全体に占める推奨者の割合から、批判者の割合を引いた数値がNPS®の値となります。

NPS計算方法

基本的に推奨者の割合が多いほど、NPS®が高くなります。しかし、NPS®に直接関係しない中立者があまりに多い場合などは推奨者の割合が批判者の割合より高くても低いスコアが出るので、注意が必要です。

NPS®は購買行動と相関性が高く、「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化することで、LTV・継続率の向上に繋げる施策に生かすことができます。欧米では顧客満足度に変わる指標として多くの企業で用いられており、日本でも注目されています。

NPS調査とは、このNPS®を計測するための調査のことであり、アンケート形式で計測されます。弊社でも定期的にお客様にアンケートを回答いただくことで計測しています。

どのような効果があるのか?

では、NPS調査を行うことで得られるメリットとはどのようなものなのでしょうか?

NPS調査は、先述した通り「企業やブランドに対してどれくらいの愛着や信頼があるか」を数値化することです。これにより、お客様が企業に対して愛着や信頼があるかを知ることができるので、施策によってお客様がどのような反応をしているのかを知ることができます。

もちろん、お客様が企業に対して愛着や信頼があるとその後も関係が続く可能性が高いですし、逆に愛着や信頼がないと関係が終わってしまうかもしれません。

新規顧客の獲得コストと既存顧客の維持コストは4~10倍ほどの開きがあり、将来の収益確保の観点から「既存顧客」の価値見直しが再評価されており、その文脈で既存顧客の維持を計る指標としてNSPが注目されています。

『売上の8割は、顧客全体の2割であるロイヤルカスタマー』だと言われており、ロイヤルカスタマーを把握するための指標としてNPS®は効果的で、様々な企業でも活用されています。

NPS調査のメリットデメリット

NPS調査はロイヤルカスタマーを把握するためや既存顧客の維持などに役立ちますが、もちろんデメリットも存在します。ここでは、NPS調査のメリットデメリットを紹介していきます。

メリット

顧客の信頼度や愛着を図れる
NPS調査では、顧客の信頼度や愛着を図ることができます。

この数値を利用してロイヤルカスタマーを醸成したり、既存顧客の維持に役立てたりなど、とても利用する方法も多岐にわたり、重要な数値となっています。

理解しやすい
NPS調査で出てくる数値は、顧客の信頼度や愛着度を数値化したもので、数値が高ければ高いほど、愛着があると判断することができます。

数値の高い低いによって顧客のカテゴリー分けなども容易で、小難しい用語や計算式もないので、直感的に理解がしやすいです。

事業成長と相関がある
NPS調査は企業の事業成長と相関関係にあることが多いです。

裏を返せば、NPS調査が高いと事業成長をする確率が高くなるので、NPS調査の数値を高める努力をすれば事業成長にもプラスになるといえます。NPS調査は顧客の愛着度を図るためでなく、事業全体に影響することですので、活用してみてはいかがでしょうか。

デメリット

科学的根拠がない
NPS調査は科学的根拠に乏しいという意見があります。

NPS調査は科学的な計測などを使用しているわけではなく、アンケートをとる環境やユーザーに大きく左右されるという特徴があるので、科学的根拠に乏しいとも言われています。

計測が難しい
NPS調査はアンケートの形式で行われますが、NPS調査の数値はアンケートをとる環境やユーザーに大きく左右されるので計測が難しいです。

また、日本人の特徴として中間の数値が出やすいので、海外などの事例と数値のずれが生じてしまうのもデメリットです。

フィードバックが必要
NPS調査はあくまで顧客の信頼度や愛着度を数値化するものです。

NPS調査をするだけでは事業成長などにつなげることができないので、フィードバックが必要不可欠です。また、NPS調査だけではどの施策がNPS調査の結果に影響を及ぼしているか分からないので、他の調査と組み合わせて活用するのも必要になっていきます。

電通ダイレクトでのNPS調査プロジェクト

電通ダイレクトではお取引のあるクライアント様へ定期的なアンケート調査を実施しています。
アンケートの目的は提供するサービスレベルの向上を目的としております。

NPS調査の結果を自社サービスにきちんと反映できるよう私たちの実施しているNPS調査をご紹介させていただきます。

・NPS計測質問と小設問の設計
クライアント様へ提供しているサービスのどこに付加価値があるのか?
これを知るために、NPS®がどの活動と相関性が高いかを分析する必要があります。分析を過不足なく行えるよう小設問を設計しました。

小設問とは、NPS質問とその理由を聞く以外の個別質問です。タッチポイント(顧客接点)とクオリティ(質)で構造化しています。
以下の表をご参照ください。

NPSアンケート構造化

・コンサルタントがチームでスコア共有し、アクションプランを策定
よりよいサービスを提供するため、アンケート実施で完結はしません。
クライアント様毎のNPS®はチーム内で共有され、各コンサルタントのアクションプランまで落とし込みます。
一人で考えるよりもチームで考えることで様々なアイデアが創出され、結果クライアント様への質の高いサービス提供になると考えております。

実際にアクションプランを策定しているスプレッドシートとなります。

Google スプレッドシート _NPSプランpng

・評価の高いクライアント様への個別インタビューの実施
すでに当社のサービスに高い付加価値を感じてくれているクライアント様に個別インタビューを実施しています。
これは質の高いサービスとは何か?の解像度を上げ、自社のサービスへフィードバックするためです。
具体的にはNPSは9,10が推奨者と定義されますので、そのクライアント様へインタビューさせてもらっています。

・コンサルタント個人評価
これは少し内部事情をお話いたしますが、2021年より当社の人事評価において担当クライアントのNPSが重要指標として盛り込まれております。
「NPS®の改善アクションプラン」と「コンサルタントの人事評価」が連動することで、質の高いサービスの提供とコンサルタントの成長を両方実現できるものと考えております。

最後に

いかがでしたでしょうか?
クライアント様の声を聴くことは事業成長を実現するために重要なアクションとなります。
ですが、一言に顧客満足度と言っても手法は様々です。
その中の一つの手段として、NPS調査をお伝えいたしました。

声を集めるアクションは費用をかけずに実施することも可能です。
ぜひ、明日からでも着手してみるのはいかがでしょうか?

この記事がみなさまにとって、新しい気づきになれば幸いです。