志摩

小説みたいなものを書いてます。 基本的には、その日の昼食の記録です。 昼食を食べて思ったことをエッセイにしています。

雪の降るよる⑧ 蟹と無精ひげ

谷野恭平からメッセージの返信が来たのは、友人が勝手に私のスマートフォンを使ってメッセージを送ってから、二週間後だった。 『お久しぶりです、勝手にフォローしてしま...

さみしさに病みそうな日

世界から遮断された、こんな小さな私でも、誰かの夜を思うことができるし、いつかの記憶を愛することができる。果てしなく暗い足元につまずきそうになっても、花瓶に挿した...

特に面白くはないラーメンを食べた日記

この界隈では有名なのだというラーメン屋に行った。長らく住んだ街だが、あまり外食をして来ず、数年経って初めて足を踏み入れた。平日の昼間、タイミングよく待ちはなし。...

雪の降るよる⑦ ウイスキーと優しさ

痛む後頭部を抑えながら、何も言えずに布団にくるまると、裕也がどこかへ出かける物音が聞こえた。しんと静まり返った部屋で、悔しさに震えた。目を瞑ったって、眠れる訳が...

さみしさの話

終わりは否応なしに寂しいものだけど、その終わりを終わりのままにしておくのもまた美学である。ひとは味わい尽くして味がしなくなるまで分からないものであるし、そこまで...

ラズベリー

正常であるということを考えたときに、流行り病のように浸食しているものを感じずにはいられない、例えばコース料理のデザートみたいに、そこで提供されるラズベリーみたい...