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安価で無添加な至高のベーコンは、誰でも簡単に作れる。ちょっとしたロマンさえあれば。
思い至るまでの経緯
事の発端は、何気なく、市販のベーコンの成分表示を見たことであった。そこあったのはおびただしいほどの添加物たちの羅列。
還元水あめ、卵たん白、大豆たん白、食塩、乳たん白、ポークエキス/調味料(有機酸等)、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、コチニール色素、香辛料
水あめ?
いやいや、お菓子かい。もはや。
もちろん、今日、スーパーで買えるベーコンがめちゃめちゃ保存が効くのは、添加物を研究した先人の方々の努力の賜物である。しかし、それと引き換えに、人々は無添加の燻製肉を食べる機会を失った。私は生まれてこのかた、本物のベーコンを食べたことがないことに気がついたのだ。敢えてここでは語らないが、添加物は健康にも良くないとの話も。
本物のベーコンが食べてみたい!
しかし、無添加のベーコンは非常に高額である。そして間違いなく、スーパーには売ってない。なんかわかんないけど、たぶん桐の箱に入ってるのを取り寄せなければいけないはずだ。
なら、作ればいい。これぞDIYの精神である。
まず、パンチェッタを作る
パンチェッタとは豚の塊肉の塩漬けを乾燥させたものである。イタリア料理で、パスタとかに使われる。私は何回も作っているが、普段使いにはこちらが手軽で良いと思う。時間はかかるが、意外に手間はかからず作れる。全然難しくない。
作り方は色々あるが、私は豚バラ肉の塊をフォークでブスブス刺して、塩を適当に塗って冷蔵庫へ入れ、2、3日置いて水洗いし、キッチンペーパーで拭き取り、バッドに網をひいた上に乗せてラップをかけずに冷蔵庫で1〜3日くらい乾燥させる。
私はむしろベーコンよりこっちを皆さんにお勧めしたい。肉のうまみを冷蔵庫に常にストックしておけるのがマジで便利。冷凍してもうまいし。パスタはもちろん、チャーハン、スープ、カレーやシチューにも使える。肉がないって時の強い味方。いつでもうまいもん食える。
ベーコンの方は割と、使い勝手よりもロマンの要素が強いのではと思っている。
パンチェッタ作りはこの動画がとっても参考になります。↓
スモーカー
さあ、パンチェッタを燻せばベーコンである。
燻製をするには、煙を溜めておくのに屋根というか箱というか、そういったものが必要。段ボールでやる強者もいるらしいが、私は火事が怖かったので、3000円弱で買えるこちらを購入した。↓
組み立ては2分ほどで出来て、折り畳むとかなりスリムに。これは使い勝手がよい。軽いし持ち運びも容易である。保管はビニール袋に密閉して入れておけば匂いも出ないであろう。水洗いも出来るらしいが、洗う必要が無さそうなので洗わないことにしよう。
煙の出し方
スモークチップという、おがくずのようなものを下から熱を加えて煙を出す方法もあるが、こちらは熱源としてガスコンロや電熱器が必要である。私は前述のとおり火事が怖いし、まずはなるべく手軽に行いたいので、今回はスモークウッドという、木の粉を集めて固めたようなものを購入した。これを線香のように火をつけて少しずつ燃やしていく事で、熱源不要で、50℃から60℃くらいを保ちつつ、2時間ぐらい燻すことができる。まとめると、スモークチップのほうが温度管理や素材が自由で汎用性が高いが、スモークウッドのほうが手軽で簡単というイメージか。
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今回はヒッコリーを使用。
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また、肉汁が滴っても熱源にかからないよう位置をずらした。そうしないと肉汁で火が消えることがあるらしい。
下には植木鉢と、アルミホイル。思ったより汚れなかった。
いいねいいね。燻製っぽい。とても住宅街のベランダとは思えない。
出来栄え
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見よこの、美味しそうな色。
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フライパンで軽く焼いて
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スモーキー系のウイスキーとともに、美味しく頂きました。感想としては、やはり今まで食べていたベーコンは、ベーコンではなかった。
ジューシーさ、スモーキーさ、何より肉食ってる感じが良かった。ついでに上の網に乗せたゆで卵とナッツも、少し燻し足りなかったけど美味しく出来た。ちなみに卵とナッツは時間差で後から投入して、すぐにスモークウッドが燃え切ってしまった(後述)ため、10分ほどの燻製となった。
問題点
①エアコン
冬季にベランダで行ったため、エアコンをガンガンに炊いていた。すると室外機が外の空気を取り込んで煙を吸い込むため、部屋の中に匂いが入ってきた。そのためエアコンは緊急停止せざるを得なかった。
②煙
今更、という感じがするが、当然煙と匂いが出る。しかしロマンはそう甘くない。うちは周りに農家が多く苦情は来なかったが、ちょっと心配になるくらいの煙は出た。集合住宅で煙を焚くのは普通に非常識なので(←)、自己責任でやるべき。
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③スモークウッドがすぐに燃え切ってしまった。
問題点というか、次に活かすべき失敗であるが、2時間かけてゆっくり燻すつもりが、1時間くらいで燃え切ってしまった。敗因は、スモークウッドをガスコンロの大きな火で広い面に火をつけてしまったことにあると思う。次は、お線香のように片側にだけ火をつけて、ゆっくり燃やそう。
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うん、よく見りゃ説明書きがあったわ。先端面全体にと。
ベーコンはロマン
今回は、人に勧めたいと言う記事ではなく、初心者が思いつきでやってみた結果を残しておく記事であった。
そして、結果得られた1番大きなものは、紛れもなくロマンであった!
…まあただ、ベランダではなくキャンプ場でやれやと言われればそれまでなので、ロマンもほどほどにするべきかもしれない。
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