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電通デジタルが考えるデータ系職種のあれこれ(広告領域を中心に)

電通デジタルでデータサイエンティストを務めている荒川です。

電通デジタルアドベントカレンダー2020 前回の記事は「2020年秋、ビルドトラップに浸かりました。」でした。24日目の今日は、電通デジタルの主に広告領域における「データ」に関連する職種のマッピングを試み、どのような業務があるか簡単な紹介をしたいと思います。

本日お伝えしないこと

最初に、やや注釈が多くなってしまいますが本日「お伝えしないこと」をお伝えします。

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電通デジタルの「データ」に関わるすべての職種紹介

電通デジタルは多くの領域でサービス提供をしており、すべての「データ」に関連する業務を網羅的に記述することは困難です。この記事では、現在私が所属するソリューション戦略部が担う広告領域および関連する領域が対象となります。ソリューション戦略部の業務内容は、電通デジタルアドベントカレンダー2020 初日の記事内で紹介した下記の通りです。

機械学習を活用した広告配信ソリューションや因果推論を活用した効果検証ソリューションの開発を担っています。PythonをベースにGCPやAWSで開発しており、LTV予測や傾向スコアによるバイアス補正、最近だとUplift Modelingの実用化に取り組んでいます。AutoML系の技術の活用や、Apache Airflowを使ったMLOps、Tableauなどを用いたダッシュボード開発にも注力しています。

エンジニアに関わる領域紹介

昨今、データとエンジニアを切り離して考えることはできませんが、いわゆる「ソフトウェアエンジニア」に代表されるエンジニア系職種については、別の場でご紹介します。

職種別の詳細な職務定義

採用情報などは別途準備中のため、職種ごとの詳細な職務定義は割愛し、あくまで職種のマッピングや関連性、全体としてどのような業務が多いかをご紹介します。

広告領域における「データ」系職種

では、ようやく本日の本題となる、広告領域および関連する領域における「データ」系職種のマッピング案を提示します。

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マッピングの軸

「ビジネス」と「エンジニア」の2軸でマッピングを試みています。

誤解を恐れずに言えば、縦軸の「ビジネス」軸はクライアント向けの対応を中心に、データを用いたプランニング、コンサルティング、データ戦略の立案、といった業務を指しています。

データを武器にメディアプランや企画を考える「プランナー」
データ分析を通じ課題解決を行う「コンサルタント」
データ戦略を検討する「データストラテジスト」

といった職種が代表的です。なお、「プランナー」の方が「コンサルタント」よりビジネスレベルが高いような図になっていますが、表記上の都合で上下関係を示すものではありません。

横軸の「エンジニア」軸はいわゆる開発業務を中心に、リサーチ、データ基盤開発、機械学習の実装などを担います。

主に自社のデータ基盤の設計や運用保守を担う「データエンジニア」
クライアント/社内基盤向けどちらの機械学習実装も担う「機械学習エンジニア」

といった職種が代表的です。

この2軸の中間に位置する業務のひとつが、いわゆる「データ分析」と呼ばれる職種です。「データ分析」と一言でいっても多様なレベル感がありますが、少なくともExcelを用いたクロス集計といった比較的簡易な「データ分析」ではなく、一定程度の機械学習の実装を要する「データ分析」においては、業務プロセスにおいてクライアントと向き合うフェーズと、データ(コード)と向き合うフェーズが混在しており、「ビジネス」と「エンジニア」両方の側面を持つことになると考えています。上記の図では、

データ分析やBI実装を行う「データアナリスト」
機械学習プロジェクト全般を担う「データサイエンティスト」

が該当します。両者は役割として極めて近いですが、機械学習の実装を専門的に担うかどうかがひとつの分水嶺かと思っています。

また弊社ではクリエーティブ領域もカバーしており、機械学習やエンジニアスキルを、分析ではなくクリエーティブ開発に活かすケースもあり、職種としては

「クリエーティブテクノロジスト」

が有名です。また上記で述べた「機械学習エンジニア」とも近い役割で、画像認識など特定の技術を専門にクリエーティブ分析システム・生成システムの開発を行っています。

職種のカテゴリ

大きく3色で区分しています。グレーの「Biz Dev」、青色の「データサイエンス」、赤色の「クリエーティブ」の3カテゴリです。

「Biz Dev」:お客様やパートナーとのビジネス開発全般
「データサイエンス」:データ分析や機械学習実装
「クリエーティブ」:クリエーティブ領域の業務

これはあくまで便宜上の整理ですが、少なくともプロジェクトごとに、これらの職種は別の役割を担うケースが多いと考えています。

その他の「軸」候補

さて、今回「ビジネス」と「エンジニア」という2軸を選択したことで、抜け落ちてしまった軸もいくつかあります。

典型例が、「統計」や「マーケティングサイエンス」といった軸です。これらの軸は、あえて言えばビジネス寄りであってもエンジニア寄りであっても、いずれの職種においても重要であると考えています。コンサルティングや広告のプランニングをする際に、正しい理論に基づく提案や分析は必須ですし、開発時においても理論面の裏付けがなく単に機械学習ライブラリを動かすだけでは不十分です。

また、「軸」とまでは言えなくても、必要とされる(ハード)スキルは、上記に限りません。例えば、近年では改正個人情報保護法への対応を中心に、法律面の知識や解釈が必要とされることも増えており、お客様のプライバシーポリシーの確認や、コンセントマネジメントのコンサルティング事例も増えています。

他にも、大手プラットフォーマーとデータ領域におけるアライアンスを担うこともしばしばで、パートナーシップマネジメントが必要とされるケースも多いです。

働き方の特徴

ここからは、上記で紹介した「データ系」職種の、特に電通デジタル広告領域における働き方全般の特徴をご紹介します。

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プロジェクトごとに役割が変わる

日々の業務がプロジェクトベースで発生するため、プロジェクトごとに「データ」系職種に求められる役割も変わり、結果的同じメンバーが、プロジェクトごとに異なるを職者や役割を担います。

ある時はコンサルタントとしてお客様と日々ディスカッションをするケースもあれば、ある時はデータサイエンティストとしてデータ(コード)と向き合い実装に明け暮れるケースもあります。また、ある時はプロジェクトリーダーを担いつつ、別のプロジェクトではあるプロダクトの個別の実装を担うケースもあります。

大まかには、上記で整理した3つのカテゴリ内で役割が移動するケースが多いですが、特に最近では「Biz Dev」と「データサイエンス」このカテゴリ間の境界は曖昧になりつつあり、同じメンバーがどちらの役割も担うケースが増えているのが特徴です。これは多くのクライアントでデータ基盤が整備されデータ活用のニーズが高まっていること、また各プラットフォーマーもデータソリューションを強化している背景があると考えています。

クライアント対応と開発の両方を同時に行う

おそらくこの点が電通デジタル広告領域における最大の特徴です。クライアント対応と開発という別の役割をひとつのチーム内で担うことで、クライアントの先端的な課題を「データ」に関する知見を武器に解決しつつ、汎用的なソリューションやプロダクト開発をするという異なる種類の仕事を行ったり来たりしながら進めています。

今年7月にリリースを出した機械学習によるLTV予測を広告運用に活かすソリューション「X-Stack」においては、まさにこのクライアント対応とソリューション開発を並行して行っている良い事例です。

日々クライアント側の課題も変化し、プラットフォーマーの提供する新しいプロダクトに対応する上でも、このワンチーム体制は有効であると考えています。

多様なキャリアパス

今回ご紹介した職種はあくまで一例ですが、これだけでも非常に多くの、多様な職種が存在します。ひとつの職種を担い続けることもできますし、複数の職種を少しずつ担うキャリアも可能です。

またパスとしても、ラインマネージャーだけでなく、スペシャリストとして歩むことも可能になっています。

採用情報

最後に、もし本記事を読んで、電通デジタルに興味をもたれた方は以下の情報を参照ください。

①中途採用について
https://hrmos.co/pages/dentsudigital/jobs/0000012

②22年卒の学生について
電通デジタルの本選考エントリーはこちらから
https://job.axol.jp/cr/s/dentsudigital_22/entry_2210101115/

③23年以降卒業予定の学生について
21年以降のインターンの開催については未定ですが、ご質問やお問い合わせについてはこちらにご連絡をお願いいたします
newrec_inner@dentsudigital.co.jp

次回はアドベントカレンダー最終回「Dentsu Digital テックブログ2020振り返り」です。最後までよろしくお願いいたします。