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迫る”物流崩壊”の裏にある、トラック運転手を取り巻く環境

PLEXで取締役・ドライバー採用サービスの事業責任者をしている植田と申します。

最近、自社やマーケットに関して、外部の方に説明する機会が増えてきたので、記事としてまとめてみようと思います。

正直なところ運送業界はとても複雑で、課題解決の難易度が高く、僕の力だけで出来ることは少ない感じています。

なので、この記事を読んで、「面白い!」と思っていただける方に、是非お力を貸して頂き、一緒に課題解決できると嬉しいなと思っています。

※もちろん僕の仮説が間違ってることも多々あるので、「これ違うのでは?」と感じる方は、ぜひコメント頂けると、すごく助かります!

ちなみに、PLEXってどんな会社?

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PLEXは「ドライバージョブ」という、ドライバー採用サービスを展開している、創業2期目のベンチャー企業です。

メンバーは約30名程度で、年齢が25歳前後の方が多く働いています。

運送業界の課題って何?

運送業界は日本の課題が詰まった業界だと感じています。

特に、①ECの成長 ②人口動態の変化 ③働き方改革という世の中の変化が大きな影響を与えています。

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恐らくこの記事を読んでる方であれば、一度は耳に挟んだことがある言葉が多いかと思います。

検索すれば、このような運送業界の課題に関する情報は沢山出てくるので、ここでは僕なりの仮説と解像度で説明できればと思います。

「運送業界」というマーケットの特性

僕たちが参入している「運送業界」マーケットでは、以下3つのような現状や特性があります。

①圧倒的な人手不足
②業務効率が改善されづらい
③課題と解決策がメッシュに切られている

①圧倒的な人手不足

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■必要なドライバー数は増加するが、むしろドライバーは減少。

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今後、ECの成長で更にドライバーの需要は伸びます。

例えば食品のEC化などは進みきっておらず、高齢化に伴い需要増加することを考えると、大きな成長余地が残されています。 

しかし、人口動態の変化により、ドライバーの数は減少していきます。
この需要と供給のギャップが広がり続けると、現代の”物が安定的に届く社会は崩壊”します。

■労働環境が全産業より劣っており、入職率が低い
ドライバーの労働環境が悪いというのは、何となく知ってる方も多いかと思います。

労働環境の改善が進みづらい結果、未経験からドライバーになる人も全産業に比べて少ない状況です。

背景として、全産業に比べて、所得額が40~100万円ほど少なく、労働時間が300~400時間ほど長いことが要因として大きいと考えられています。

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出典:物流業界の動向~ドライバー不足・生産性向上・次世代型物流施設の状況

■高齢化に伴い、肉体的に負荷がかかる求人は更に人手不足
運送業界では平均年齢が年々向上しています。

僕がドライバーさんとお話させて頂くと、肉体的に負荷がかかる業務は、年齢が30~40代になってくると相当厳しい印象を受けます。

特に紙や飲料の配達は、腰や肩を痛めやすく、痛めてしまうと仕事が出来なくなってしまうため、年齢を重ねたドライバーさんから敬遠される傾向にあります。

今後は、ドライバーさんの肉体的負荷を軽減するために、企業が投資をしたり、案件の調整を行わなければ、人材確保は更に難しくなってくることが予想されます。

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出典:物流業界の動向~ドライバー不足・生産性向上・次世代型物流施設の状況

■人手不足から起きる、採用単価の上昇
運送業界でドライバーを採用する場合には、ハローワークか求人媒体への掲載がメインとなっています。

しかし、そのモデルは業界の状況に合わなくなってきたと感じています。

求人媒体は掲載課金型で、サイトに掲載するだけで費用がかかります。

例えば、月額掲載料を100万円支払った結果、0人採用しても、100人採用しても、同じ100万円の費用がかかります。

しかし運送業界ではドライバー人口が減少しており、求人媒体で今まで通りの採用単価で、採用することが難しくなってきています。

その結果、以下のような負のループが回っている状況です。

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■仮に応募が来ても採用・定着に繋がらない
運送業界には、6.2万社の運送会社があります。

6.2万社だけ聞くと、あまり馴染みが無いかと思いますが、コンビニの数が約6万店舗なので、コンビニよりも多い会社数となっています。

また、運送といえば、ヤマト、佐川などの会社名を思い浮かべる方が多いですが、実はそのような大手は全体の1%未満しかありません。

トラックの車両数10台以下の中小企業が残り99%を占めており、SmallBばかりの業界となっています。

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出典:物流を取り巻く現状について

そのような中小企業では、社長が経営とドライバー業務を兼任していることもあり、採用のプロセスが整っていない会社も珍しくありません。

そのため、仮に求人媒体で応募が来ても、採用や定着に至らないケースが多々存在しています。 

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■人件費がコストの40~50%を占めており、会社に合う人を採用する必要がある。
採用しづらい状況であれば、採用ハードルを下げることも効果的のように思いますが、運送業界でそれは命取りです。

その理由は大きく分けて、2つあります。

[理由1] 利益率が低く、人件費比率が高い。
人件費が費用の比率で約40%を占めています。

そして、会社の利益率は0~2%なので、仮に採用で失敗(例:採用したが、十分に働いてくれない)すると、瞬く間に赤字になり、経営的にも危険な状況に陥ります。

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出典:日本のトラック輸送産業 現状と課題

[理由2] 採用したドライバーが事故した時のリスクが大きい。
ドライバーが仮に人身事故を起こした場合には、賠償金で会社が倒産してしまう可能性もあります。

なので、ルールをきちんと守り、安全運転できるドライバーを採用する必要があります。

このような理由から、採用ハードルを下げるという意思決定がしづらい状況です。

そして、採用ハードルを下げずに、良いドライバーを採用するためには、
・労働条件(給与,休日など)を平均以上にする。
・労働環境(肉体的負荷の削減など)を平均以上にする。
という施策が効果的です。

しかし、先ほど記載した通り、運送業界は99%がSmallBで、利益率も0~2%程度なので、人件費向上や労働環境改善のために投資する余力が残ってる会社は多くありません。

②業務効率が改善されづらい

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ドライバーの人手不足を解決する方法としては、
[ 1 ] ドライバーの数を増やす
[ 2 ] 運送業界の業務効率を高め、必要なドライバーの数を減少させる

という2つの選択肢に大きく分かれます。

今後の日本の人口動態を考えると、[ 2 ] 運送業界の業務効率を高め、必要なドライバーの数を減少させるが最適解です。

しかし、業務効率の改善が大変行いづらい業界構造になっています。

運送業界をもう少し広い視点で見ると、運送業界はサプライチェーンの一部に取り込まれていることが分かります。

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仮に運送業界で効率化を進めるのであれば、このサプライチェーンを一気通貫で見た上で、解決策を投じる必要があります。

でなければ、部分最適になり、他の部分で新しい非効率が生まれるような可能性もあるためです。

しかし、サプライチェーンの全ステークホルダーを合わせると、膨大な会社数・ユーザー数になり、それぞれの経営目的や、享受したいメリットがその数だけ存在するので、全ステークホルダーの同意を取り、効率化を推し進めることは難易度がかなり高いと感じています。

もちろん個社対応で、効率化コンサルなどを行う方法もありますが、あまりにも会社数が多く、気が遠くなるほどの時間が必要です。

そこで僕たちは、運送業界を含むサプライチェーン全体の効率化は、国と企業が連携し、進めていくと仮説を立てています。

そのため、国が運送会社や運送会社へサービス提供している会社と連携を取り、業界の効率化を大きく動かすタイミングが来てもいいように、現在も事業化に向けて取り組んでいる段階です。

③課題と解決策がメッシュに切られている

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運送は、何か1つの解決策で、全ての課題が解決出来るような業界では無いと感じています。

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例えば、自動運転。
自動運転車で、物が自動で届く未来を期待する声は多いですが、例えば「自動運転車が人を轢いた時に、誰が責任を取るのか?世論はそれを許すのか?」など、普及するには様々な課題が残っています。

また、自動運転車が完成しても、全てのエリアで自動走行することは難しく、どうしてもドライバーが必要なエリアが残ってしまいます。

例えば高速道路など、人がいないエリアに関しては、早い段階で実用化が浸透していくことが予想されますが、住宅街などのラストワンマイルはまだ時間がかかると考えています。

また、運送業界に特化した話だと、荷物,交通状況,天気,荷主のニーズ,ドライバーの性格など、大小様々な変数が存在しており、こちらも一筋縄ではいかないことが多いです。

そのため、データ化して全てを効率的・自動化することが難しく、今でさえも、効率的な荷物の積み方や運ぶルートに関しては、人の勘に頼っているような状況です。

加えて、そのような無数の変数が存在している上に、様々な企業がツールを提供しており、課題だけではなく、解決策までもメッシュに切られ、複雑化しています。

例えば動態管理システム。
このシステムを利用することで、営業車両の車内に搭載したGPSを利用し、以下のようなことが可能となります。
・事務所にいる管理者がPC上で、トラックの位置情報を把握。
・走行距離や稼働時間の管理。
・急ブレーキの情報などから危険運転の予測や危険箇所の把握。

しかし、「動態管理システム」と検索してみると分かる通り、20~30社以上が同じようなシステムを提供しており、どれが自社に最適なのか分かりづらいです。

実際に運送会社の方とお話をすると、「どのシステムが良いのか分からない。導入しても、後からその会社が潰れてしまうリスクが怖い。国がどのシステムを使うべきか指定して欲しい」などの声をよく聞きます。

PLEXの戦略:複数事業で課題を解決する。

ここまでご説明させて頂いたように、運送業界には、いわゆる日本の産業における課題が、沢山詰まっている状況です。

その上で、課題と解決策がメッシュに切られている業界なので、解決すべき重要度の高い、中小規模のマーケットがいくつも存在していると捉えることが出来ると考えています。

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そこでPLEXでは、物流業界という括りで、複数事業を展開し、1つずつメッシュに切られた課題を解決していくような戦略を描いています。

例えば、採用サービスだと分かりやすいと思うのですが、
・応募が来ない課題を持ってる運送会社には、沢山の応募が来るサービスを提供。
・応募は来るが、採用できない課題を持ってる運送会社には、採用課金型のサービスを提供。
など、課題に合わせて、サービスを細かく設計していくようなイメージです。

採用だけではなく、運送会社の案件獲得,トラックの購入,労務,法務などの領域で、メッシュに切られた課題に対して、1つずつサービスを提供していきます。

いくつかの領域で課題解決を行うと、業界での信頼,利益,独自データなどが徐々に積み上がっていきます。

そして、業界の人と、お金のやり取りをする中で、世の中に出ていない情報感度が社内に蓄積されるため、「どのタイミングで、どんな動きがあると、業界全体が一気に変わるのか?」というブレイクスルーのポイントにおける解像度が増していきます。

解像度を向上し続け、「業界が変わる大きな流れが来ると確信したタイミングで、今まで提供していたサービスから生まれたリソースを一気に投下する」というようなステップで、戦略設計を行っています。

ちなみに、複数事業を展開するためには、必須条件があります。
それは、1つの強烈な事業を所有していることです。

いくつものサービスを薄く広く提供していると、
・競合が出てきた時に、会社全体が揺らぐ。
・1つの事業で利益を大きくあげられず、他事業への投資が進まず、結果的に進捗が遅くなる。
などのデメリットに繋がるリスクがあります。

一方で、グローバルで見ると、Amazon、Google、Facebook、Apple、日本で見ると、楽天、リクルート、DMMなど、複数事業を展開している企業は、顧客から強烈に求められる1つの事業を所有していることが多いです。

そして、以下のような形で、toC,toBのID連携を進めていることが多いと感じています。
【ステップ1】main事業から、sub事業へ連携が始まる。
【ステップ2】main事業を含め、sub事業同士が緩やかに連携し始める。
【ステップ3】全事業が強く連携する。

いわゆる、世の中のエコシステムや、人間の生態系のようなものを、会社の中で一つずつ作り上げるイメージです。

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この構造が進むと、main事業(顧客から強烈に求められる事業)を起点に、集客したtoC,toBの顧客一人ひとりに対して、複数のサービスを提供することで、顧客獲得あたりの利益を最大化させることが可能です。

例えば楽天の場合、楽天市場によってtoCを集客し、商品を購入してもらうだけではなく、楽天カードを利用してもらうことで、更に楽天の収益が増加します。

このような仕組みをtoC,toBでいくつも所有し、顧客獲得あたりの利益を何倍にも増加できることで、更に顧客獲得コストに投資することが可能となり、加速度的な成長に繋がります。

もちろん”顧客獲得あたりの利益を最大化”という言葉は、サービス提供側を視点に立って、言語化したものです。

顧客視点から見ても、1つのサービスに登録すると、高いUXで他のサービス連携を行うことが出来るので、双方にメリットがあると考えられます。

そしてPLEXでは、強烈な事業を1つ作るために、創業1~2年目はドライバー採用サービスに、全社のリソースを集中させていました。 

これからは、ドライバー採用サービスを更にグロースさせると共に、多様な業界課題に取り組んでいく予定です。

なので、ここでは直近の1~2年でPLEXが取り組む課題を中心に紹介していきたいと思います。

直近で取り組む業界課題

直近では、以下3つに取り組んでいく予定です。

①ドライバーの人口増加(+業務の効率化)
②マッチング精度の向上
③経営支援

①ドライバー人口増加(+業務の効率化)

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先ほどご紹介したように、ドライバーの人手不足を解消するには、以下2つに大きく分かれます。
[ 1 ] ドライバーの数を増やす
[ 2 ] 運送業界の業務効率を高め、必要なドライバーの数を減少させる

そして、弊社のドライバー採用サービスは、[ 1 ] ドライバーの数を増やすことに貢献するという目的で運営しています。

ドライバーの人口を増やすためには、未経験の方がドライバーとして就職・転職し、ドライバーが他業界に流出するのを防ぐ必要があります。

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現在の運送業界は、平均給与が低く、労働時間が長く、中にはドライバーを物として扱うような企業も存在しています。

普通に考えると、転職すれば済む話です。
しかし、運送業界は求人情報を事実以上に魅力的に記載してしまうなど、転職に関する情報が不充分です。

そのため、そのような企業も少なからず人を確保出来てしまうので、健全化が進みづらい状態が続いています。
このような労働環境では、未経験の方がドライバーになり、人口が増えることは見込めません。

そこで私達は、”ドライバーへ、充分な転職の情報提供を行う”という手段で、魅力的な業界を実現し、人口増加を目指します。

情報により、ドライバーがより良い企業へ転職できる環境が整うと、自然と優良企業が成長し、魅力的な業界となり、人材確保に繋がると考えているためです。(ここでの優良企業とは、”ドライバーから求められ続ける会社”という定義)

また、優良企業はドライバーにより良い労働環境を提供するために、肉体的負荷の軽減や、業務効率化を現在でも積極的に取り組んでいます。

そのため、ドライバーへ転職情報を届けることは、ドライバー人口の増加だけではなく、業界全体の効率化にも貢献できると考えています。

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そのために、PLEXがすべきこと
ドライバー採用サービスのPMFは完了しており、自社の課題と向き合うフェーズに入っています。

そして、自社における課題では、採用力,組織力,実行力の強化です。

人材紹介を軸にサービス展開しているため、結局はPLEXメンバーが、どんな人で、どんなサービスを、どんな思いで提供するのか、という人周りの作り込みが重要です。

例えば、ドライバー,運送会社,PLEXのどれかに寄り添い過ぎてもダメで、それぞれでバランス良く重心を取る必要があります。

ここのバランスを崩すと、「PLEXは自分の利益だけを優先している」とマーケットから嫌われてしまったり、反対に、ドライバー,運送会社へ寄り添いすぎて、自社の利益が出ないような状況に陥ります。

バランスを保てる強固な組織を作り、メンバーが実行力を徹底的に高め続ようと思える設計を作ることで、高品質なサービス価値を提供でき、マーケットから求められ続けることが可能だと考えています。

そのような組織を作るために、
・徹底的に実行力を磨きたい。
・自分の成功,失敗を、ナレッジとして組織浸透させたい。
・一緒に強固な組織を作ることに興味がある。
という方がいらっしゃれば、ぜひ応募頂ければ幸いです。

②マッチング精度の向上

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今後、ドライバー採用サービスにおいて、更にドライバーと運送会社のマッチング精度を向上させていきます。

実は、このマッチング精度を向上させることが、未来の事業展開に大きな影響を与えます。

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運送業界に限った話ではないですが、多くの企業では採用戦略が経営戦略に深く紐付いています。

特に労働集約型の産業では、人がコストとなり、人が利益を生み出すため、どんな人を採用するかによって、会社の未来が決まります。

そして、僕たちのドライバー採用サービスでは、荷物,肉体的負荷の詳細,労働環境,労働条件,採用状況,経営状況など、様々なデータが採用に活用出来るため、運送会社からヒアリングし、データとして蓄積することが可能です。

つまり、マッチング精度を向上させることで、ドライバー採用サービスにおける顧客満足度と自社の利益率を向上出来るだけではなく、未来の事業に活用出来るデータが溜まっていきます。

そのために、PLEXがすべきこと
データの構造化と、データ蓄積方法の最適化が、PLEXの経営的に重要課題となります。

[ 1 ] データの構造化
構造化は、イメージとしては、「”どんなデータを、どんな形で蓄積するか”を定義すること」です。

データが資産となり、提供サービスの価値向上、競争優位、マッチング精度の根幹となるため、マーケットや自社の経営戦略から落とし込んで、構造化する必要があります。

[ 2 ] データ蓄積方法の最適化
これらのデータは人が記入する部分もあり、記入漏れ,記入ミスが発生します。

また、運送会社の状況も変わるので、頻発にデータの修正が必要となります。

仮に、経営陣が現場へ、一方的にデータ記入の負荷を掛けてしまうと、ミスの増加や現場の疲弊へ繋がります。

そのため、現場が自分自身のメリットに繋がると理解した上で、データを簡単に、正確に記入できる環境構築をする必要があります。

データを蓄積し、未来の事業機会へ繋げるために、
・現場の業務に泥臭く取り組み、現場理解を自ら進んで行える。
・マーケット,経営戦略,事業戦略,人材戦略に好奇心がある。
・それらを深く理解できる。
という方がいらっしゃれば、ぜひ応募頂ければ幸いです。

③経営支援

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運送会社は、トラック,案件,ドライバーが揃うことで経営が成り立ちます。

ドライバーの採用における課題は当然大きいのですが、トラック,案件においても、大きな課題が存在しています。

トラックにおける課題
トラックの購入などに関する課題は沢山あるのですが、運送会社の経営的視点に立つと、例えば「トラックを購入しても届くまでに半年~1年程度かかる」ということは、1つの大きな課題だと考えています。

届くまでに時間がかかるので、例えば急に案件を獲得出来たり、ドライバーが採用出来たとしても、「トラックが無いから仕事が出来ない」という状況が発生してしまいます。

トラックのリースなどもありますが、中小企業の運送会社では、更に利益率を圧迫してしまうので、毎回選択できる手段とは言いづらいです。

案件における課題
運送会社は荷主から案件を獲得し、荷物を運び、運賃をもらいます。

多重下請け構造になっており、下請けに進むほど、売上が減少するので、利益率が悪化します。

加えて、荷物の小口化,多頻度化などの影響で、トラックの積載率(荷物を積んでる率)が減少しています。

実際に平均積載率は40%となっており、残りの60%は空気を運んでる状態です。

このように1度に運べる量が少ないと、その分、何度も運ぶ必要があり、必要なドライバー数が増加してしまいます。

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出典:物流を取り巻く現状

そのために、PLEXがすべきこと
トラックと案件の領域において、現在取り組んでる事業のアイディアを実現し、グロースさせるメンバーの採用が必要です。

web,開発,営業,マーケティングなど、幅広いスキルが深く求められるため、社外からの採用と、社内での教育を同時に進めている状況です。

・スキルに自信があるので、新規事業を作ってみたい。
・PLEXでスキルを身に着けて、新規事業に挑戦してみたい。
・新規事業を作った経験があり、運送業界でも作ってみたい。
という方がいらっしゃれば、ぜひ応募頂ければ幸いです。

運送・物流業界で、事業展開する面白さ

ここまでマーケットの特性や、PLEXの戦略などについて書いてきました。

そこで、ここでは事業展開している側の視点から、「運送・物流業界で、事業展開する面白さ」について書いてみたいと思います。

未開拓領域を切り開く経験ができる

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市場規模25兆円という巨大マーケットでありながら、課題が沢山あり、複雑性が高いので、未開拓領域がまだまだ残されています。

また、インフラとして利用されている背景から、社会的にも重要性が高く、国や企業が業界全体を大きく変革し、新たな未開拓領域が増加していくことが考えられます。

物流だけではなく、更に世の中全体の変化が激しくなり、複雑性が増していくことを考えると、このような未開拓領域で事業を作ることは貴重なスキルや経験になるのではないかと考えています。

また、誰も解いたことが無い課題に対して挑戦出来るのは、ベンチャーの醍醐味であり、ビジネスマンとして働く中でも希少な機会だと個人的には感じています。

多くの産業に貢献し、社会的インパクトを残せる

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日本には100個以上の産業があり、そのほとんどに直接的,間接的に物流(運送)業界が関わっています。

そして、他産業の企業でも「物流コストが課題」「依頼を受けてくれる運送会社がいない」など、物流に対する課題感が年々増しています。

これは逆に言えば、「物流業界で課題解決を行えば、他産業の成長にも貢献出来る」ということだと捉えられるのではないかと思っています。

また、個人的には物流業界は日本の成長におけるボトルネックになっていると日々感じます。

日本で成長している大きな産業は数えるほどで、その中でもEC業界の成長率は凄まじく、今後も様々な領域にも拡張していくことが予想されます。

しかし、物流が止まると、そのECの成長すらも止めてしまうことになります。

ECの成長と物流の停滞から生まれる、この大きな歪みを解決することは、日本全体の視点に立っても、かなり社会的に重要性があるのではないかと思うわけです。

PLEXで事業を作る面白さ

経営の自由度が高い

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前提として、エクイティ・ファイナンスを否定している訳では全くありませんが、PLEXはエクイティ・ファイナンスをせずに、会社を経営しており、自分たちの意思決定で自由に動かすことが出来ます。

僕たちは複数事業で、マーケットの課題をいくつも解決していく戦略を描いています。

そして事業同士のシナジーも考えながら、事業のポートフォリオを組むので、戦略も複雑になりがちです。

戦略が複雑になると、理解し、咀嚼するための業界理解や社内の業務における深いナレッジが必要となり、外部の方には説明しづらい特性があります。(なので、競合が生まれづらい特性もありますが)

また、ドライバー採用サービスで収益化が出来ているため、業界の解像度とキャッシュの必要性という観点で、エクイティ・ファイナンスをせずに進んできています。

もちろん、今後は資金調達の可能性もあり得ますが、現時点では自分たちで意思決定し、戦略を描き、事業を推進させることが出来ます。

なので、新規事業なども「まずは試す」という思想で、どんどん自由に作っていくことが可能です。

経営の自由度、複数事業などの話は以下を参考にして頂ければと思います。


データ駆動型で、事業を作ることが出来る

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PLEXはマーケ的思考を持っているメンバーが多いです。

なので、「とにかく電話を掛ける!」「とにかく訪問する!」など、仮説が無い意思決定はしないです。

時間は有限なので、どこに、どうやって、どのぐらい時間を投下すると、跳ね返りが大きいのか?などを、定量的,定性的に判断し、事業を推進させています。

そして可能な限り定量的に、正確な判断をするために、様々な独自データを蓄積しています。

例)ドライバーの集客から転職するまでを、定量で可視化し、サービス品質を向上させている

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(※モザイクかかり過ぎて、何が何だか分からないですが、、)

どんな風に流入し、どんなプロセスを経て転職し、その後楽しく働いているのか?などが、全て数字で、一気通貫で見えます。

ここまで数字で見える化すると、事業的に重要なKPIや、メンバーごとの改善すべきKPIがすぐに見えるので、事業や個人の成長に大きく寄与させることが可能です。

例)ドライバーの転職検討理由

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ドライバーがどんな理由で現職を辞めたいと思い、次の会社にどんな条件を求めるのか?など、運送会社がヒアリングしづらいような情報もデータとして蓄積しています。

このデータを活用しながら、会社ごとに労働条件や環境の改善を求めることもあります。

ちなみに運送業界へ参入すると決めた際にも、マーケット全体の数字をよく見ていました。

そのため、自社の事業から生まれるデータだけではなく、マーケット全体がどう変化していくのか?なども見ながら、事業を作るスキルを身につけることが可能です。

簡単にまとめると、
・マクロ(マーケットなど)の数字を認識するスキル:戦略設計力
・業務レベルにおける数字を認識するスキル:実行力
の2つが手に入るイメージです。

手前味噌ですが、ここはPLEXの強みであり、面白さであると思います。

PLEXの未来について - 物流を支え、未来をつくる。

最後に、PLEXのFY2020の動き方について記載したいと思います。

FY2020
FY2020は、以下3つに集中し、会社を成長させていく予定です。

①ドライバー採用サービスを、圧倒的にグロースさせる
採用,集客,営業の改善、組織拡大に伴う役割の拡張など、事業が利益を固く生み出せるように整え、沢山のメンバーを採用していきます。

同時に、圧倒的に事業を成長させられる施策を随時検証していきます。

②人材周辺領域にて、新規事業の黒字化&拡大
直近2ヶ月ほどで、ステルスで立ち上げていた新規事業があり、PMFが完了したので、黒字化&拡大を進めていきます。

ドライバー採用サービスともシナジーが効く事業なので、一定規模まで拡大できた段階で、事業連携を強め、お互いのサービスが市場においてオリジナルな存在になれるようにしていきます。

③中長期戦略に沿って、次の新規事業の検証を始める
今までは会社の1年後も見えず、「まずは目の前のことを進める」というような状況でした。

ただ、事業を作り上げる中で、業界のインプットが蓄積され、解像度が上がり、取るべきマーケットのポイントが少しずつ見えるようになってきました。

そのため、中長期的な戦略を描き、未来から逆算して、事業のポートフォリオ、組織設計、必要な人材の採用、データの構造化などを進めていきます。

ほんの少しでも、PLEXにご興味がある方へ

まぁ色々と書いたのですが、冒頭でも記載した通り、運送業界はとても複雑で、課題解決の難易度が高く、僕の力だけで出来ることは少ないと感じています。

なので、今すぐ転職の検討をしてない場合でも、
業界の課題や、PLEXのMission,戦略などについて共感していただけるのであれば、「ぜひお気軽にお話したい!!」と思っています。
「共感までいかないけど、もっと深く知りたい」という方でも歓迎です!

ご興味ある方は、SNS経由などでご連絡いただけれ幸いです!

ちなみに社内イベントも沢山開催してるので、「SNSでの連絡はハードルが高い。。」という方はイベントにて、お話させて頂く形でも全然OKです!

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今後も経営や業界に関することを、どんどん発信していくので、どうぞよろしくお願いいたします!

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