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ジャガモンド斉藤の「初出し」――映画紹介人の僕がオススメする映画を見てはいけない! 編

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「初出し」とは――


「どこにも話してないココだけの話」をコンセプトに、「初出し1テーマ」×「30分」で、狭く、深く、掘り下げるインタビューシリーズ。

インタビューを受けていただいた取材対象者の方に「印税」を支払う、新たな仕組みへの挑戦。 

3歳で見た「スピード」が僕の人生のはじまりだった



――今日はありがとうございます。よろしくお願いいたします!

とんでもないです。よろしくお願いします。

――今回の初出しテーマが「僕が勧めた映画を見るな!」ですね。普段はYouTubeで映画紹介をされている斉藤さんからは意外なお言葉で。

すみません、過激なことを言ってしまって。

――いえ、とても聞きたいです。その本題に入る前に斉藤さんがなぜ「映画紹介人」と名乗られるようになったのかを簡単に教えていただけますか?

はい。そこが今回のテーマにも関わるところにもなってくるんですけど。

僕は3歳の頃にお父さんに勧められた映画を見て、映画が好きになったんですね。

そこからずっと映画は嫌いだった時期がないというか、今に至るまでずっと好きで。高校生の頃は映画監督になりたいという夢もあって。

今は芸人をやらせてもらってるんですけど、同時に好きな映画の話をブログなどにアップしていたら、だんだんYouTubeのチャンネルに呼んでいただけるようになったんです。

――ご自身のチャンネルでも映画紹介をされていて、他のチャンネルにもゲストで出られているんですね。

ジャガモンド斉藤のヨケイなお世話

はい。今は「シネマンション」と「おまけの夜」というチャンネルに呼んでもらって。

シネマンション(登録者数9.4万人/2023年5月13日時点)

おまけの夜(登録者数11.3万人/2023年5月13日時点)

気づいたら映画紹介人という仕事をたくさんいただけるようになって、映画のことを話すことが増えていきました。

――趣味からはじめたものが仕事になっていったんですね。とても興味があるんですけど、3歳の頃にお父さんに勧められた映画は何だったんですか?

「スピード」というキアヌ・リーヴスが出ている映画と、「アンタッチャブル」、それと「ミッション:インポッシブル」の1作目でした。

父が海外に出張する仕事をしていたので、字幕なしのVHSのこの3本をお土産で買ってきてくれて、それを一緒に見たのがきっかけです。

――3歳のときにどんな感情をもったかという記憶はあるんですか?

後で親から聞いたところによると、僕は「スピード」が怖くて泣いたらしいんですね。

ただ僕としては夢中になったり、面白いと思ったりしたはずなんですよ。

というのは、当時通っていた幼稚園でみんなと「スピードごっこ」をしようとした記憶があるからです。

僕はみんな見てると思ってたんですよ、「スピード」。幼稚園生はみんな見てると思っていて。

「おかあさんといっしょ」とか教育番組と一緒で、みんな見てるものと思ったので、幼稚園で休み時間に「スピードごっこしよう」とみんなに提案して。

あれはバスに爆弾が仕掛けられる映画だから、幼稚園にあったアスレチックをバスに仕立てて、「俺がキアヌ・リーヴスやるからみんな逃げて」みたいな。

でも、誰も見てなくて。

学校内を「雪駄」で歩くほど寅さんに影響を受けた



――まわりの園児はみんなポカーンと(笑)。

それが結構ショックだったんですよ、当時。

その頃に「映画の話って、しちゃいけないんだな」と思ったのは鮮明に憶えていて。

それが原体験ですね。

――その体験は強烈ですね。そこから時間を進めていくと、Wikipediaによれば斉藤さんは高校のときに演劇部に入られて自主映画を撮られていたそうですね。

はい。

――3歳で「スピード」を見てから高校生で映画つくりはじめるまではどのような映画体験があったのでしょうか?

3歳のときに洋画を見てるじゃないですか。

その後、中学のときにうちのおばあちゃんと一緒に住む機会がありまして、おばあちゃんが「男はつらいよ」が凄い好きだったんですね。

おじいちゃん、おばあちゃんってみんな好きじゃないですか、「男はつらいよ」。

僕としてはお正月で親戚が集まったときにテレビでやってるぐらいのイメージだったんですけど、VHSをおばあちゃんがもっていて。

シリーズ1から何となく見たんですね、おばあちゃんと一緒に。

そうしたらめっちゃ面白くてハマっちゃって、中学のときの上履きを雪駄に替えて。

――寅さんの真似をして雪駄に(笑)。

校内を雪駄で歩くみたいな。

まわりはほぼ寅さんを見てないし、見ていてもおじいちゃんおばあちゃんの横で少し見ていたぐらいの感じで、真剣に見ているのは僕しかいなくて。

そのときに「男はつらいよ」48作を一気に全部見たんです。

――僕も「男はつらいよ」が好きで全作見てるんですけど、一番お好きな作品だったり、どんなところが魅力かもぜひ。

「寅次郎と殿様」が好きですね。四国のお殿様の生き残りの老人を演じた嵐寛寿郎さんが出ている回が僕は凄く好きで。

寅さんはいろいろな魅力あるんですよね。

人の立場とか権威とかそういったものを無視してコミュニケーションを取ることができる人物だと思っていて。

そのへんに歩いてるおじいちゃんおばあちゃん、子どもとか。世間から嫌われているような、つまはじきにされてる人とも普通にしゃべるし。

殿様みたいに偉くて権力がある人にも態度を変えずに万遍なくしゃべれるというか。

それがやっぱり寅さんの一番尊敬しているところ、魅力的なところで。

人間みんなそうありたいと思うはずなのに誰もそれできないですよね。

偉い人にはちょっと気を使っちゃったりするし。

でも、寅さんは良い意味でも悪い意味でも、それこそうつ病になった人にも関係なくガンガンいくというか。

そこが寅さんの魅力だなと思いますね。

自主映画を撮るようになったきっかけ



――そこはたとえば当時の中学生の頃の斉藤さんが学校での上下関係などを感じて、違う世界にいる寅さんに魅力を感じたとかも?

うーん、どうですかね。

魅力を言語化できてわかったのは今なのでちょっと難しいですけど、とにかく見ていて気持ちいいというか。

僕は怪獣映画も好きで、怪獣映画の魅力にも近いところがあって。

怪獣って相手関係なく直進で歩くじゃないですか。

誰がそこにいるとか、どういう人や建物がいるとか関係なく、行きたいところにまっすぐ進んでいくという。

それって子どもは理解しやすい怪獣の気持ちよさだと思って。それと同じものを寅さんにも感じたのかなぁという気はしますね。

生きたいように生きるみたいな。

それが悪いところでもあるんですけど(笑)。そういうところに何となく気持ちよさを感じていた気がしますね。

――生きたいように生きる眩しさはまさにそうですよね。

その流れで「日本映画も面白いんだ」と思って、中学の終わりか高校はじめの頃に黒澤明の方向に行ったんですよ。

「男はつらいよ」で三船敏郎が出ている「知床慕情」って回があって。

あれを見て三船敏郎という俳優はかっこいいなと思って、「黒澤明映画に出てるよな」と見はじめて。

そうしたら三船敏郎さんが出ている「椿三十郎」の居合斬りの有名なシーンがありまして。

――はい。

速すぎて見えない居合斬りが凄い有名なんですけど、この居合斬りどうやって斬ってんだろうと思ったんです。

映画を見ていても、全く見えないスピードで斬るものだから、どうやってるんだろうという疑問から映画の情報、裏を知る、というところに向かっていったんですよね。

実際の行動としては、それからブックオフに行って黒澤明の本を買ってですね。

「あ、こうやって斬ってるんだ」と知って、学校でほうきで居合斬りの練習を1人でするみたいなことをして。

つくる側に興味をもつようになったのは、そういう体験が大きかったですね。

――映画を好きになる入り口は洋画で、日本映画で本格的に映画にハマっていった感じなんですね。

そうですね。

背景や映画の情報を調べだしたのは寅さんとか三船敏郎とかなので、日本映画ですね。

――制作の裏側に興味をもつだけでなく、実際に自分で映画をつくろうと思ったのはなぜなんですか?

僕は高校で演劇部に入ったんですけど、俳優とか出る側になりたいとは全く思ったことがなくて。

もちろん見ていてキアヌ・リーヴスや三船敏郎かっこいいなと思ったけど、こうなりたいなとは思わなくて。

それよりもどうやってこんなに居合斬り速く見えるんだろうとか、映画の技法みたいなところに最初に興味がいっちゃったんですね。

自分で映画を撮るとなったのも、出る側に興味があるじゃなくて、こう撮ったらこう見えるみたいなところに興味があったんです。

映画紹介は10年以上、煙たがられ続けてきた



――そうすると現在「映画紹介人」として映画を紹介されているのは、「この映画はこういう背景でつくられている」であったり、つくる側の視点から紹介したいというところが大きいんですか?

そこが、まさに今日のテーマなのかなと思うんです。

いきなり変なこと言いますね。

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