『四畳半タイムマシンブルース』を読む
森見登美彦先生の最新作が発売されました。
その名も『四畳半タイムマシンブルース』。
この作品は『四畳半神話大系』の続編となっています。
今回は劇作家・上田誠の「サマータイム・マシンブルース」に着想を得て執筆されたコラボ企画ですが、正式な続編。
続編とはいっても、後日談ではなく、もちろん同時並行世界(パラレルワールド)のお話。しっかりと原作のお約束も守られています。
主人公は大学3年生、入学時に入った「京福電鉄研究会」の内部抗争に巻き込まれた挙句、追い出され自室の四畳半に入り浸って無為で怠惰な生活を満喫中。
原作と異なるのは、主人公が下宿の1階から2階の209号室に引っ越しているという点。この部屋には年代物のクーラーが設置されており、このクーラーのリモコンを巡ってタイムトラベルが繰り広げられるのです。
今回の作品はすでに『四畳半神話大系』を読んでいるということが前提になっています。読んでいない方は作品内のテンションに付いていくことができず、置いてけぼりになること請け合いです。
前作を読んでいる方や、森見先生の愛読者の方々はきっと満足できるはず。
ナタデココをこよなく愛する旅のひと。