【ダヨリン恋愛相談室】vol.3 「好きだけど恋人はいらない」と言う彼
先日IKEAに行ったら、もうクリスマスムードでした。「クリスマス……今年は一人か……」「今年も一人か……」などと黄昏れている人もいるかもしれません。が!! クリスマスのためだけに彼氏を作ったりすることほどムナシイことはありません。そんなときは友達と美味しいモノでも食べて過ごす! いいじゃありませんか! ワタシは、女友達と二人で恵比寿ガーデンプレイスにツリー見に行って、敷地内にあるマクドナルドからノートパソコン使って「ファービー E・Tバージョン」をヤフオクで落札したりしてましたよ!! ……というヨタ話をしているヒマは実はありません。なぜなら、今回の相談はとっても長いのです!こちら!!
……まずは、これだけ長いメールを携帯で打ってくれたことに敬意を称します。ワタシが「ディテイルを書いてください!」とお願いしたからですよね。ありがとう!!今回初めてワタシ、みのもんたのように要点を書き出しちゃいましたよ。
では、まず結論から言います。彼の気持ちを確かめるためには、どうしたらいいか?……彼に直接聞くべし!!……と言いたいところですが、たぶん聞いても無駄です。おそらく彼は今までのように、「嫌いじゃないよ」「大事に思ってるよ」などと、中途半端にアミさんを期待させるセリフを口にするだけで、「だったらなぜ……」と、アミさんが疑問の渦に巻き込まれる、というエンドレス・パターンにはまっていきます。ではどうするべきか?一つ一つ真実を見極めていくしかないのです!
アミさんの置かれている状況に「分かる分かる……」「私もそんな感じ」と共感する人は少なくないと思います。なぜなら、この状況、モテるけどズルイ男と積極的で一途な女の織りなす典型的ズルズルパターンだからです。典型的という言葉を悪い意味で取らないでくださいね。それだけ、女にとって抗しがたい要素を含んだ悩みだということです。ジタバタしてしまって当然なのです。
では、アミさんの置かれた状況から、一つ一つ真実を見極めていきましょう。ちょっとキツイかもしれませんが、我慢して聞いてください。
●出会いは一目惚れで始まった。
→彼が相当カッコイイ男性であることを示しています。アミさん同様、彼に一目惚れする女性はきっと多い、つまりライバルが多いことになります。彼はその女性を選べる立場にいるのです。
●優しいとすぐ分かった。
→彼が女性に優しくすることに慣れていることを示します(下心があるかないかは不明)。そして、これまた同様に「優しいなぁ」と他の女性も感じている可能性が高い。というわけでやっぱりライバルは多いはず。
●知り合って1年半後にメールで告白したら返事はなかったが、彼の態度が優しくなった。
→彼は「つきあう気はないが、振るのはもったいない」と思っています。つまりキープしたいと思っているのです。
●1年前に再告白したら「彼女は作らない」と言われた。
→そう言えば「君は彼女にしたいと思うほどじゃゃない」というセリフを言わずに済みます。
●「好きでいていい?」と言ったら「いいよ。嫌いじゃないよ」と言われた。
→「近くにいられるのはウザイ」とは思われていないし去られるのは寂しいけれど、「好き」と言うことで生じるリスクは負いたくないのです。
◎その後は本音を言うようになった。
→アミさんは本当に自分のことを好きなんだと実感したので、素の自分を見せても大丈夫だと確信したのかも?
●抱きしめてくれる、キスしてくれる、なぐさめてくれる。
→これらの行為は、相手を「恋人」と認めるのとは違って、お互いを束縛することには繋がりません。ゆえに、いくらでもできるのです。
●また「好きになってよ」と言ったら「彼女はいらないけど好き」と言われた。
→彼女にしたいと思うほどじゃないけど、去られるのはイヤ。彼は自分にとって都合のいい形でつきあい続けたいと思っている。
◎最近よく「会わんや?」と言ってくる。ドライブもする。
→彼から誘う頻度が増えているのだとしたら、アミさんへの気持ちが進化している可能性あり?
●がしかし、彼の送り役にも使われている
→実はこれ彼にとって重要なのかも?
●結局4年間片思い
→……。
……ごめんね。こんなこと言われてツライと思います。でも、おおむね間違っていないはずです。これを彼に読ませたら、彼、何も言えなくなると思います。いや、「そんなひどいこと思ってないよ!」とか言うかもしれません。実際、アミさんに好意があることは嘘じゃないでしょう。が、それでもやっぱり彼はアミさんを恋人にしたくはないのです。なぜなら、それはアミさんに束縛される、そして他の女性と会えないことを意味するからです。
素朴なギモンなのですが、彼にはアミさん以外に仲のいい女性はいないんでしょうか?モテモテ(だと断言します)の彼に寄ってくる女性はアミさん以外にも山ほどいるはずです。彼がゲイであるか、仕事のストレスによって性欲が後退しているのでもない限り、確実に他のところで他の女性とセックスをしているはずです。まず、それを想像してみてください。どう感じますか?イヤですよね?それでも彼を想い続けますか?…ここで「続けない」と言ってくれればワタシの役目は終わるんですが……たぶん想い続けますよね…。では「束縛」の話に戻ります。
なぜ彼がアミさんと恋人になりたがらないのか?それはアミさんに束縛される関係を「良し」としていないからです。逆を考えてみれば分かります。アミさんはなぜ彼と恋人同士になりたいのでしょう?彼を独り占めしたい、彼に甘えたい、彼といっぱい会いたい、彼に自分を最優先してほしいから、ですよね?彼は「彼女はいらない」と言っていて、本当に今は彼女がいないのかもしれません。が、さきほど書いたように、それに準ずる相手がいる可能性は大いにあります。
そして、アミさんと端から見たら恋人同士だと思われるような交際をしている。にも関わらす「彼女はいらない」。これはもうズバリ「俺はお前に束縛されたくない」「お前の全てを受け止める気はない」と言っているんですよ。「お前とおしゃべりしたりドライブしたり抱きしめたりキスしたりするのはいいけど、束縛はされたくない」と。
たぶん彼は、「面倒なこと」を避けたい性格だと思います。あと、「悪者になりたくない」タイプです。じゃなかったら、とっくにアミさんに手を出していると思うので。……というか、もしや「抱きしめる」にはそういう行為も含まれているんでしょうか?(これ重要なんですが)……まぁ、手を出していようがいまいが、彼がアミさんの人生を背負う気がないことは間違いない。「つきあうって人生を背負うこと?そんな大げさな」と思うかもしれませんが、彼にとってはそうなんだと思います。そして彼がそういう価値観を持っていることには、彼の何らかの過去が関係しているはずです(昔、彼女にめちゃくちゃ束縛されてシンドかった、とか)。
ただ、前向きな要素が全くないわけではありません。さきほどあげた要点のうち、◎印は「もしや彼のアミさんへの思いが変化している?」と思わせる箇所です。4年に渡って想いをアピールし続けたことで彼の心も傾き始めた……のか。しかし、なにせ彼は男ですからねぇ……女性が男性からの根気あるアプローチに陥落、というパターンは珍しくないですが、これまで何度も言ったように、男性は労力をかけずに落ちる相手には本気になりにくい習性が……(モテる男であればなおさら)。
もしアミさんが、「誰が何と言おうとも彼を想い続ける」と言うのであれば、とことん彼のヒーラー(癒す人)となるのも手です。戦士を慰めるマドンナとなって、自分は何も求めず、彼のイヤな経験(あると決めつけてますが)から何からをひたすら受け止めてあげるのです。そうすれば、そうだなぁ、あと5年後には恋人になれる……かもしれない。
でも、それは「都合のいい恋人」になるということだと思います。だってアミさんは彼に一定以上のものを求めちゃいけないわけですから。これはキツイです。仮面夫婦の恋人版、しかも片思いバージョン。アミさんの大事な20代はそんな彼に捧げることになるわけです………やっぱりダメです!!そんなのダヨリンが許しません!!!アミさんの愛を都合のいいようにあしらう彼ではなく、「待ってたよ!」とばかりに受けとめてくれる運命の相手が他にいるはずなんですよ!!!なんで「悪者になりたくない」ことばっか考えてアミさんを飼い殺しにする男を想い続ける必要があるんですか!!!!
……と、他人が説得したところで、「でも好きなんだもん」ってなっちゃいますよね、きっと……。それが恋というものです。だから、今後も彼を想い続けたからといって、アミさんは悪くありません。
ただ、人には体力と気力の限界というのがあります。ツライ恋愛は一生は続けられないものです。強い気持ちが、何かの瞬間にポッと折れるものだったりします。アミさんが投げかけた質問に対する彼の回答にハッと目が覚める、とか。その質問は、たぶんワタシが考えてもダメです。アミさんの胸から出た問いかけでないと。……でも今、何とかして彼の真意を確かめたい、ヒントをつかみたい、と願うのであれば。「あなたにとって恋人とは?」と彼にきいてみてください。その回答から見えてくるものがきっとあるはずです。
色々キビシイことを書いてしまいましたが、愛のムチだと理解してください。ダヨリン的には、とっとと彼への想いを断ち切って新しい人を探してほしい。それが無理なら、後悔だけはしないよう、彼にききたいことをきき、伝えたいことを伝えてください。今後彼とどうなるにせよ、心から誰かを好きだと思い、本気で問いかけ、本気で咀嚼し、本気で受け止めるコミュニケーションは絶対に無駄にはなりません。がんばって!!
*本記事は2005年~2012年に「ebookJapanコミック」の携帯サイトに掲載した記事を加筆修正したものです。
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