vol.5 コミュニケーション不足を感じる彼から『一緒に住もう』との提案。嬉しいけど戸惑う自分……この不安は一体何?
こんにちは、もしくはこんばんは、ダヨリンです。この記事は、過去に携帯サイト「ebookJapanコミック」で連載された「ダヨリン恋愛相談室」の記事を加筆修正して公開しています。主に女性の読者から届いた相談に回答するコラムです。
今回から目次をつけてみました。7000文字近くあるので、ないと読みづらいかもなぁ、と思いまして。note初心者なので(まだそう言える!笑)、おかしいところがあったらすみません。気付いたら直します。
では、そろそろ今回の相談に行ってみましょう。こちら!!
今回の相談
……ひまわりさん、メールありがとうございます。 これは、とても繊細なたぐいの悩みですね。というのも、目に見える部分だけで考えると、特に悩む必要なんてないようにも思えてくるからです。
でも、ひまわりさんの中には、確実に、戸惑いと不安がある。
けれど、その不安がどこから来るものなのかが分からない。
おそらく、不安の源は一つではないですね。
そのうちの一つは、ひまわりさんのメールの中に既に書かれているとワタシは感じていますが、ひまわりさんがハッキリと自覚していない原因もあるように思います。そのあたりをなるべく明瞭な形で見通すべく、まずは状況を箇条書きにしていきます。
今回はメールの文面がとても短いので、わざわざ箇条書きにしなくてもいいかな……と一瞬思ったのですが、箇条書きにすることは、たとえ短くても何かを浮き彫りにする効果があるのでやってみました! 特に注目すべき点には◎印をつけてます。
ひまわりさんの状況
……ハイ。では一つ一つ、これらの状況から何が見えてくるのかを、掘り下げていきましょう!
1.彼とは付き合って3ヶ月
……ここを読んで、「短い!」と感じた人は結構多いかもしれません。
ただ、交際の濃度は、必ずしも期間で判断できるものではありません。出会って1ヶ月でもお互いを人生の伴侶だと感じ、実際にそうなるカップルもいます。逆に、付き合い初めてから1年たっていても、相手が自分をどう思っているのか分からなかったり、常にアタマにハテナマークだらけのカップルもいます。大事なのは中身なのです。なので、注視すべきは、付き合って3ヶ月ということではなく、
2.休みが違い、彼の仕事が忙しいため、会えたのは6回
……ここですね。ここがモンダイ。
3ヶ月で合計6回ということは、1ヶ月に2回。つまり2週間に1度しか会えていない計算です。付き合い始めでこれでは、そりゃ物足りないだろうなぁ、と思います。一番イチャイチャしたい時期だし、たわいもないことをあれこれ話したい時期ですよね。なのに2週間に1度というのは……ひまわりさんの物足りない気持ち、ワタシもよ~~く分かります。
もちろん、こういうのは人によって個人差があるものなので、一概にこの状況がモンダイであるとは言えません。お互いがそれでナットクしているのであれば、いいのです。でも、ひまわりさんはナットクしていないわけですからね。
というわけで、
3.物足りなく感じていることを彼に伝えたら、気を遣ってくれるようになった
……物足りなく感じていることを彼に伝えたのは賢明です。ちゃんと伝えたひまわりさんはエライ!で、さらにポイントは、彼がちゃんと気を遣ってくれるようになったということ。人によっては「そんなこと言われても」と困惑したあげく「ごめん、じゃあ無理」と去っていくケースもあると思うのですよ。いや、そこまで言ってくれた上で去るならまだいいですが、さりげなくフェイドアウトする男性も少なくないのではないかと。その男性が仕事に熱中している時期だったら、なおさらその可能性は高い気がします。
彼がひまわりさんに気を遣ってくれるようになったということは、それだけひまわりさんの気持ちを考えてくれているという証拠だし、気を遣うだけの価値をひまわりさんに感じているという証拠。喜ばしいことです。
……なのです、が。
4.しかし、未だにコミュニケーション不足を感じており、大切に想われているのか不安になる
……気を遣ってくれるようになったけれども、やはりひまわりさんはまだコミュニケーション不足を感じている、と。
冒頭で、「不安のうちの一つは、ひまわりさんのメールの中に既に書かれている」と言いましたが、それはここだと思います。
コミュニケーション不足による不安。
その中身はというと、彼が自分を大切に想ってくれているのか分からない、つまり彼の愛情を実感できないという不安です。
彼は、なかなか会えない状況をひまわりさんが物足りなく感じていると知ってからは、何かしらひまわりさんを気遣う言葉などをメールや電話でかけてくれるようになったのでしょうか。
だとしても、会える頻度は相も変わらず少ないまま、ということなのでしょうね、おそらく。
ガッツリ会って、ガッツリ話をして、ガッツリスキンシップを取っていない。だから、いつもどこかに欠乏感が残る。おそらく、ひまわりさんはそういう状況なのではないかと。
やっぱり、実際に「会う」という行為はものすごく大事だし、ココロを満たしてくれるものですからね。
だから、好きになった者同士は、一緒に暮らしたくなるんですよね。
なので、
5.そんな彼から「一緒に住もう!」とのお誘いがあり、嬉しい気持ちの反面、彼はどういうつもりで言っているのか戸惑っている
……彼の提案は非常に理にかなっているというか、彼なりの気遣いと愛情が、言動にあらわれていると言えますよね。
一緒に住むことの重みもまた人によってそれぞれではありますが、相手のことを「気が合わない」「好きじゃない」と思っていたら、さすがに一緒に暮らそうと自分からは言い出しませんよ。女性の方から押しかけられて渋々、という状況だとまた別ですが、彼の方から提案しているわけですからね。
彼は、ひまわりさんを悲しませたくないと思っていると同時に、自分自身もひまわりさんともっと一緒にいたい、と思っているのですよ。受け身だけではない、彼の中から湧き出ている愛情によって。
と考えると、ひまわりさんは、彼の気持ちを信じて、不安が晴れた状態になっていいと思うのです。一緒に暮らせば、たとえ仕事の時間や休みの曜日がズレていても、とにかく顔は合わせられるし、一緒のベッドで相手の体温を感じながら眠ることもできます。
少なくとも、コミュニケーション不足は、今のまま2週間に1回しか会えない状況に比べれば、確実に改善に向かうでしょう。
……とワタシが説明しても、まだひまわりさんの不安がおさまらないのだとするならば。
というか、たぶんおさまらないだろう、とワタシは推測しているのですが、
……不安の原因は、大きく2つ、考えられると思います。
ひまわりさんが不安を感じる原因その1
まず1つめは、ひまわりさん自身が、彼のことを本当に好きだと強く実感できていないから。
彼の「一緒に暮らそう」という提案を嬉しく感じながらも、戸惑ってしまう、不安を感じてしまうのは、同棲という一大リスク(と言えると思います女性にとっては)をおかしてまでも彼のことを好きなのかが分からない。もしくは好きだとは思っているけれども、二人の相性がバッチリだという確信が持てない。
……ということはないですか?
もし、ですよ。
ひまわりさんが彼のことが好きで好きでたまらなくて、でもなかなか会えない日々が続いて、彼はそこまで自分を好きじゃないのかも……と不安に思う日々が続いているとするならば、「一緒に暮らそう」なんて言ってもらえた日には、一瞬「エッ!!」と驚きはするにせよ、そのあとはヒャッホーー♪♪と天にも昇る気持ちでOKし、彼のもとに転がりこむと思うのですよ。
……でも、そうはなれないわけですよね。
おそらく、ひまわりさんは結構慎重な性格なんだろうな、と思います。
ジックリとコミュニケーションを深めて、お互いのことを知って、「やっぱりこの人が好きだ」「この人となら一緒に暮らせる」と実感した上で、先に進みたいと思っているのではないかと。
その気持ちは決して間違いではないし、むしろ大切なことです。
勢いだけで一緒に暮らし始めたはいいけれど、お互い本気でないことに気付いたり、一方が本気でないことが分かったり、好き合ってはいるけれど生活の相性や人生に求めているものがズレていると分かったりして、だけど一度一緒に暮らしてしまうとなかなか別れるがめんどくさくなってしまい、ダラダラズルズルと同棲生活を続けている男女は、日本国内に58万組くらいいるのではないかと思います(ダヨリン調べ)。いや、もっとかもしれません。
……まぁその数字はともかくとしても、上のような状況に陥ってしまい、「結婚まで辿り着かず時間だけが過ぎた」ことに後悔する女性が少なくないことは確かです。
なので、とにかく「結婚」がしたい!と思っているのであれば、ワタシは同棲はオススメしません。その理由は、このコーナーでも過去にさんざん書いているので探して読んでみてください(1冊目の本にも載せている……と思います)。
で、もし結婚に焦っているのではないなら、そして、彼のことを好きだとちゃんと実感できているのなら、勇気を出して同棲するのも一案だとは思います。
でも、もし、ひまわりさんが、「よく考えたら彼のことをどこまで好きなのか分からない」「一緒に暮らすのは早急ではないか」と感じているのであれば、「もうちょっと待ってくれないか」と彼に伝えた方がいいかもしれません。
ひまわりさんが不安を感じる原因その2
不安を生み出している理由として、もう1つ考えられることがあります。
それは、彼の気持ちに対する不安です。
すなわち、彼が「一緒に暮らそう」と言ってくれたのは自分に対する気遣いであって、愛ではないのでは?と、ひまわりさんは感じている。
……どうでしょう?思い当たる部分はありませんか?
彼は、ひまわりさんのメールから推測する限りでは、ちゃんと交際相手のことを気遣い、その上で新たな提案もしてくる、男らしい人だと思うのです。
普通はそのことを「そんなに大切に想ってくれて嬉しい!」と感じると思うのですが、そうなれないのだとしたら、「こうは言ってくれているけれど、彼は本当に自分のことが好きなんだろうか?」とひまわりさんは感じていて、その上で、「私たちはうまくやっていけるんだろうか?」という不安はあるのではないかと思うのです。
……というわけで、
6.この不安が、自分の自信の無さからくる不安なのか、現実として見るべき不安なのかが分からない
……に関する回答としては、
(1)「彼に対する自分の気持ち」に確信が持てない
(2)「自分に対する彼の気持ち」に確信が持てない
という2つの可能性があるわけですが、ひまわりさんは、「彼の行動や態度や状況とは関係なく、自分自身に対して自信が持てないから、自分が誰かに愛されるはずないから、といいう理由から不安を感じているのではないか?」と懸念しているのですよね。
自分の中にある不安が、彼の態度や気持ちなど、現実の状況による不安なのか、それとは関係なく自分で自分に自信を持てないところから来る不安なのかが、分からない、と。
その見分け方としては、もし相手が彼じゃなくても、自分は同じように不安になるか、を考えると、見えてくると思います。
過去に他の男性と付き合ったときも、ひまわりさんは不安を感じていましたか?
相手から大切にされても、不安は拭えませんでしたか?
だとしたら、それは相手うんぬんではなく、ひまわりさんの中に住み着いてしまっている不安である可能性は高いです(この不安を(3)としましょう)。
彼の言動や今の状況とは関係なく、自分に自信が持てない。それが不安に繋がってしまっている。
で、「そんなことはない。他の男性と付き合ったときは、素直に相手の気持ちを信じることができたし安心できた」というのであれば、不安は、自信の無さからではなく、相手とのモンダイ、つまり上であげた(1)と(2)のどちらかから生まれているのだと思います。
まず、自分の不安はこの中のどれから来るものなのかを、じっくり考えてみてください。
考えれば、きっとどれなのかは分かるはずです。
もし(1)あるいは(2)が原因であるなら、すなわち彼の気持ち、もしくは自分の気持ちに確信が持てないという場合、改善すべきは、二人が今置かれている「存分にコミュニケーションできていない」という状況です。お互いの気持ちを素直に伝え合う、誠実かつ密接なコミュニケーションを深める時間を、もっと取ることです。
不安の原因が(3)にある場合、つまり自分の自信の無さにある場合、彼に限らず男性とも女性とも、もっとココロを開いて接することが大切です。他にも色々対策はありますが、ここで全部を書くことは無理なので、よかったらワタシの著書『今度こそ信じられる人と恋愛する本』(すばる舎)を参照してみてください。
そして、(1)か(2)が原因となっている場合、コミュニケーションを深めるためには同棲しかないかも?とひまわりさんは思うかもしれません。
少なくとも彼はそう考えて、ひまわりさんに提案したのだと思います。
その考えは間違っていません。というか、実際それしかないかもしれません。
そんなこんなを踏まえて、ひまわりさんはどうすべきか、ワタシの考えをお伝えします。
現実的な着地点
おとしどころとして有効なのは、「もう少し待ってほしい」と伝えることだと思います。
常識的に考えて、付き合って3ヶ月しかたっていず、しかも存分にコミュニケーションできていない状態で「一緒に住もう」と言われたら、大抵の女性は「えぇっ」と戸惑って当たり前。至って自然な心の反応です。
なので、少し待ってほしいと伝えましょう。「申し出はとっても嬉しいし、前向きに考えているけど、ちょっと考える時間をくれないか」と。
あるいは、「同棲は自分にとって覚悟がいることなので、もう少し交際期間を経た後がいいと思う。でも、あなたのことは好きだし、とても大切に思っている」と。
彼としては、ひまわりさんが不安になっているから提案した、という部分もあるでしょうから、もし現状のままの方がいいのであれば、それはそれでかまわない、ということになると思うのです。
2週間に1回しか会えない今の状況と、リスクを伴うけれどコミュニケーションを深められる同棲との、どちらを選ぶかは、ひまわりさんが決めること。
絶対に「結婚」をしたいのかも含めて、ジックリ考えてみてください。
もし、自分の気持ちにも彼の気持ちにも疑いがないのであれば、思い切って同棲するのもアリだと思いますよ。結婚したい人には同棲はオススメしないダヨリンですが、一定の期間を決めた上で行う同棲であればアリだとも思うので(もちろん、彼と結婚しない可能性を覚悟できるなら、細かいことは考えずに同棲してみるのも全然アリだと思います)。
……なんだか、考えることてんこもりに見えるかもしれませんが、実際のところ状況は決して悪くないと思いますよ。
むしろ、彼がひまわりさんの不安な気持ちをやわらげようと考えてくれたこと、「一緒に暮らそう」と言ってくれたことは大いに喜ぶべきことです!
その幸せをかみしめた上で、自分が一番に求めていることは何なのか、一番避けたいことは何なのか、などを考えてみてください。そうすれば、おのずと不安のありかも取るべき行動も見えてくるはずです。頑張って!!
*この記事は、過去にebookJapanコミックで連載された「ダヨリン恋愛相談室」の記事を加筆修正したものです。
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