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関係を築く

時間を奪うシステムについて書こうと思ったんですが、なかなか壮大なテーマなので構想を練ってから書き始めたいと思います(^_^;)

それにしても映えない写真(笑)
最近切り干し大根作りにハマってます。
これがまた簡単で切って干すだけ。
(専用おろし金で削ると食感がいいです)
買ってきた機械乾燥の切り干し大根とは全く別物。
旨みが全然違う。
オススメですよ!


…ということで今回のテーマは「関係を築く」。
特に医療者として患者さんとどう関係を築くか、について書きたいと思います。

私は急性期病院でOTとして働いていますが、患者さんと信頼関係を築くことは言うまでもなくとても大事なことです。
※OTについてはこちらをご参照ください。
作業療法(OT)とは
(いつもリンクを貼ってクドいですが、それだけOTのことを知ってほしい、という思いです)

…ですが、関係作りでつまづいてしまうこともよくあることです。
私自身、患者さんとうまく関われずに悩むことが何度もありました。
しかし、経験を重ねる内に患者さんと信頼関係を築くことはさほど難しいことではないのでは…ということに気付きました。
医療に携わる方だけでなく、人と接する仕事をされている方皆さんに役立つのではないかと思い、シェアさせていただきます。

①相手の望んでいることを捉える
これが基本中の基本なのですが、患者さんの望んでいることは概ね共通しています。
それは「辛い思いを理解してほしい」ということです。
患者さんは多かれ少なかれ皆傷ついています。
軽症で一見元気そうな方でも病院という不自由な場所で何かしらのわだかまりを感じていることがほとんどです。
まずはその傷を認識するところから始まります。
これが簡単なようでできている人は少ないように感じます。
それは病院にいることが日常になっているため、入院することの辛さを感じる人と接することに慣れて感受性が下がってしまうためです。
医療職にとって日常でも患者さんにとっては非日常。
そんな当たり前のことを日々認識する必要があると思います。

②相手の望んでいることに応える
多くの患者さんは「辛い思いを聴いてほしい」と思っています。
しかし医師はほとんど話せないし看護師も忙しい。
それに比べリハビリーテーション(以下リハ)職は非常に恵まれています。
病院のリハは一コマ20分なので他職種よりしっかり患者さんと向き合う時間が取れます。
そして病室に伺ったら体調を訊くのですが、私は必ず「夜は眠れましたか?」「ご飯は食べられましたか?」と具体的に尋ねます。
皆さん眠れていない方がとても多い。
様々理由でご飯を食べられない方も多い。
そこに辛さを感じています。
その辛さにフォーカスを当てる。
すると堰を切ったかのように話し始める方が多くいらっしゃいます。
そして色んな話をしてもらえるようになることが多くあります。
辛い入院生活。
その辛さを誰かに理解してほしいけれど話せる人がいない。
医師も看護師も忙しそうだし家族に言うのも気が引ける。
(そもそも今は家族面会が禁止されているところが多く、そのことも患者さんを苦しめています)

中には話したくない、という方もいらっしゃいますが、そういう方も「理解はしてほしい」と感じていると思います。
そんな状況でその辛さにフォーカスを当ててくれる人がいたらうれしいですよね。
中にはとめどなく話が出てきてそれだけで時間が終わってしまう、なんてこともあります。
でも私はそれでいいんじゃないかと思います。
そこにはとても大きな価値があると思うので。
もちろん患者さんの状況に応じて必要なことを提供できるよう、二回目以降は話を聴くだけで終わらないよう工夫はします。
それでも毎回話を聴くことは一番大事な要素だと思っています。

また、時間がなくても相手の辛い思いに寄り添う言葉掛けをするだけで大きく関係性は変わります。


③聴いた話のシェアは慎重に
患者さんから聴いた話はとても重要な情報です。
何が課題になっているのか、何を目標にリハをするか、退院先はどうするか…。
これらを考える上で患者さんの話は土台となる情報になります。
そのため、リハ職同士や看護師などと情報共有することがあるのですが、その時注意が必要です。
患者さんは「あなたを信頼しているからこそ話した」という情報もあるはずです。
その話を安易にシェアしてしまうと「自分の話を言いふらされてしまった」と捉えられかねません。
そのため、大事な話は「この話はこれからリハビリを進める上でとても大事な情報なので他のリハビリや看護師さんにも伝えたいと思うのですがいかがですか?」など、ご本人の了承を得ることが大事になります。


この三点だけです。
上記の通り、医療職だと相手(患者さん)の望んでいることのベースは概ね共通していると感じますが、他の仕事だと多様なニーズがありそう簡単ではないかと思います。

ただ①相手が何を望んでいるのかを捉える、②それを満たす、③聴いた情報は慎重に扱う、ということはどんな場面でも共通することなのではないかと思います。
「相手の望みが無理難題」ということもあると思いますが、ニーズの根底にある本質的な望みにリーチできると展開が変わるように思います。


…とここまであれこれ書いておいてなんですが「マニュアル」なんぞないです。
究極的には「相手の助けになりたい」という思いと行動さえあれば事足りると思います。
日々の業務に追われて相手の根本的な欲求に応えられないことが多いように思います。
自分のやっていることが本質とずれていないか。
日々確認したいですね。

どんな仕事も人が関係しています。
表面上のことだけでなく本質的な望みを捉えられるとより深い仕事ができるかと思います。
「なんのために」を意識して動いていきましょう(^-^)

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