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医師も分かってくれない糖尿病へのスティグマ

糖尿病って言われると、多くの方が生活習慣病を思い浮かべると思いますが、それってすごく差別的な言い方ですよね。

だって、その人の生活が悪いから病気になったって言われているわけですから。

つまり、糖尿病だと診断された多くの方々は、まだそう診断されていない人たちから「あなたの生活が悪いから病気になったんだ」って差別を受けている。

実はそれがまた糖尿病の中で次の差別を生んでいるんですね。

『不摂生でなったんだからそれは自業自得であって、インスリンが原因不明で作れなくなったせいで発症する1型糖尿病と一緒にされたくない。』      注**1型糖尿病だとしてもこの発言をする方、しない方、様々です。問題定義上記載していますが、この『』を読んで嫌な気分になったとしても、どうか一部にそうおっしゃる方がいるのだということで何卒ご理解くださいね、お願いいたします**

1型糖尿病と共に生きるためにどれだけ頑張っているか?を考えれば、そう言いたくなる方の気持ちもわかります。でも逆に本当はそんな風に思いたくないのに・・という気持ちもわかる気がします。

ところで、その方が一緒にされたくないと思っている非1型糖尿病の方は自業自得なのでしょうか?その人達はそう言われて辛くないのでしょうか?

実は、本当に糖尿病の原因はたくさんあるんです。たとえ、もしその方が体の限界を考えずに不摂生の限りを尽くしていたとしても、なぜそういう状況になっているのか?を考えてみましょう。

幼少期から親にそう育てられた、誰かを守るため、金銭的な問題、心身の限界、、などなど、あえて誰にも言わない深淵の問題があるのかもしれないじゃないですか?

どんな人も糖尿病になったからといって誰からも蔑まれる原因なんて本当はないはずなんですけどね。

例えば、、、、

会社の多くの社員を路頭に迷わせられなくて必死に生きている社長さんが、あまりにも眠る時間も無く、とてつもないストレスでヘビースモーカーだったとしましょう。

それで肺の病気になり、治療で血糖が上がる薬を使っているうちに糖尿病になったとしたら?そしてさらに肺癌になったと言われたら?その方が忠告を無視してたばこを吸ったからであり、自業自得だって思いますか?

そう、病気になる原因はヘビースモーカーだった・・・ではなくて、社員を守るための責任感だった。。。と思いませんか?

誰も悪くないし、何も悪くないはずなのに、悪い原因を勝手に誰かが定義してしまっている。

世の中ってこういうことが多いですよね。

そもそも糖尿病に対する差別って、医療従事者の中で驚くほど直面します。

よく別の診察室から声が聞こえてきますが、『ああ、あの先生も糖尿病を分かってくれていないな・・・』と思うことがよくあります。

自分が今辛いことを他の問題にすり替えてしまっていないか?と、冷静に考えて、この負のスパイラルを断ち切らないと差別ってなかなか無くならないんだよな。。。

と思うものの、人間だから難しい。。。。

今糖尿病の学会は国内外で糖尿病への差別について何とかしないといけない!と動き出しています。

スティグマ。。差別や偏見って訳されるみたいです、聞いたことありますか?

次回はこのスティグマについてもう少し考えてみたいと思います。


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