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鬱病の予兆(口癖)を知る
ストレスの現代社会。世界保健機関(WHO)報告書によると、うつ病を患う人は世界で推計2.8 億人を上回っています。
そんなうつ病の人の発する言葉には、特徴があると言います。
さて、どんな言葉を良く発していると思いますか?
A:でも
B:絶対
C:どうしよう
医学雑誌「Clinical Psychological Science」に掲載された新研究により、最新言語分析により、うつ病患者は“鬱語”ともいうべき特殊な言葉を話していることがレポートされています。
もともと、うつ病患者の話す言葉には言語的な特徴があることは以前から知られており、これまで、米ロックシンガーのカート・コバーンや、米詩人のシルヴィア・プラスといったうつ病を罹患していた人物が書いたエッセイや日記が分析対象として活用されてきたそうです。しかしながら、いくら慎重になっても、人間の能力では言葉遣いの細かな違いを見逃してしまう場合があります。
そこで英レディング大学の心理学研究者モハンマド・アルモサイウィ氏らは、64のオンラインメンタルヘルス掲示板から6400人のメンバーの会話データを最新のコンピュータ解析技術を利用して計測・分析した結果、うつ病患者には言語スタイルにも有意な違いがあることが分かったといいます。
うつ病の人が使う言葉には3つの特徴
研究を指揮したモハンマド・アルモサイウィ氏によると、うつ病の人が使う言葉には3つの特徴があるのだそうです。
その特徴とは、「私(自分)」の多用、「否定的」な言葉の多用、「絶対」の多用でした。
「私」「自分」一人称代名詞の多用
うつ病患者には、“私”“あなた”“彼ら”などの人称代名詞の使用頻度に大きな偏りがあるようです。アルモサイウィ氏によると、英語の1人称代名詞、me、myself、Iの使用頻度が統計的に多かったといいます。
逆に「彼女(she)や、彼ら(they)など二人称、三人称を使うことはほとんどなかったようです。これは自分自身に意識が集中しており、他者への関心が少ない為と考えられています。
否定的な感情を過剰に表現する
うつ病の人が書いたものには、否定的な感情を過剰に表現している特徴があるようです。「孤独」「悲しい」「寂しい」「悲惨」など否定的な形容詞や福祉を多用する傾向があるようです。
「絶対」「完全に」といった言葉の多用
うつ病の人が書いたものには、完璧主義、潔癖主義的な発言や言葉が目立つものが多いようです。これらは、「独立語(absolute words、絶対語とも)」と呼ばれるようです。独立語というのは、“常に(always)”、“何もない(nothing)”、“完全に(completely)”といった「例外がなく、100%正しいか、100%間違っているかいずれかの場合に使用される語」(「Austin Community College」より)のことのようです。
さらに、うつ病から回復した人々が集うオンライン掲示板では、ポジティブな感情表現の使用頻度は、うつ病と特別関係のない掲示板と比べて約70%も高かったが、独立語の使用頻度も比較的高かったそうだ。これは、うつ病が再発しやすい精神疾患であることと関係していると研究者は見ている。うつ病の自覚がない人でも、無自覚な独立語の多用はうつ病再発のサインだというわけだ。同様の傾向は1人称代名詞の多用にも見られるが、ネガティブな感情表現には見られなかった。この点からも、ネガティブな感情表現よりも、1人称代名詞や独立語の使用頻度の方がうつ病患者特定に有効のようです。
最後に
ということで、答えはBでした。
企業からコーチングの依頼をうける時、やる気のあるクライアントばかりではありません。もちろん悩み多き人はいます。
傾聴する上で、一人称による発言の多用、「絶対」などの独立語の多用などは、注意深く聴きたいですね。
最後までお読み下さりありがとうございました!
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