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コピーライターだけど広告コピーにこだわらず、「言語化する人」になっていこう。

20年ほどコピーライターをやっている。この仕事を志した当時は、まだ広告の仕事は憧れのひとつだったように思う。いまの若い人にとってはどうなんだろう? 就職先としての広告代理店人気も一時に比べると下がっているし、広告ビジネスという観点から見ても、斜陽産業になりつつあることは否定できない。ということはたぶんコピーライターを目指す人も少なくなっているのだろう。残念だけど仕方ない。私が今大学生だとしても、きっとITビジネスを目指すと思うから。

さて、ここからはコピーライターの仕事の内容について。コピーライターといえばキャッチコピーを書くことがいちばん想像しやすい仕事かもしれない。けれどそれだけでない。今回はコピーライターという仕事の幅広さについて紹介してみようと思う。

まずさいしょは前述のように、広告コピーを書く仕事。とはいえそのために費やす時間は、仕事の総量からすると5%くらいだろうか。超々売れっ子のコピーライターの元には、「キャッチコピーだけを考えてほしい」という依頼が来るのかもしれないが、私の場合はほかにもいろんなことをやっている。

ネーミングもコピーライターの仕事の中では主要なシゴトだ。個人的にはあまり好きではないのだが、新商品や新サービスの発売、新会社の発足などのタイミングで依頼をいただく。好きでは理由? だって単調だから。何百という数をひたすら考える。ごくまれに会心の出来だと思うものが生まれるのだが、調べてみるとすでに他社が商標登録済み。そんなケースは数えきれないほど経験した。クリエイティブというよりも「作業」になりがちで、クライアントには申し訳ないが、つまらないことが多い。

つぎに映像プランナー。職種名としてはCMプランナーという仕事が有名だが、コピーライターもCMプランナーとして映像の仕事に携わることも多い。企画時点では絵が描けたほうが断然有利なのだが、私の場合は描けないので「字コンテ」で企画会議に挑むことが多い。

すこし大きなくくりになるが、企業や商品などのブランディング。こちらはコピーライティングも行うのだが、仕事の中身の多くは取材やインタビュー、そしてクライアントと話をしながら未来の姿をいっしょに考えるコンサルティングのような存在として動く。とくに大企業ではなく、中小規模の企業の場合、トップの方と直接話をしながら仕事を進められる点がおもしろいと思う。

そのほかの仕事でいうと、クリエイティブ関連でいえば、WEBコンテンツのライティングも最近ではとても多い。また、変わったところでいうと歌詞の制作。たとえばCMソングがいちばん多いが、ときには社歌をつくってほしいという依頼もある。私も過去に一度だけ携わったことがある。

コピーライターの仕事の幅について紹介をしてみたが、いわば言葉にまつわる仕事すべてだと言える。広告が斜陽産業になりつつあることを冒頭に述べたが、広告コピーの仕事はなくなっても、「言語化することの価値」というのは、今後も需要がありそうな気がしている。私自身もコピーライターにこだわらず、仕事の幅を広げていきたい。

言葉に関するご相談、お気軽に。


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