「絶望と希望の果てに」

絶望と希望の果てに
宿り残る微かなはげましに
私たちは生を繋ぎ生きる
心の痛みを友としながら

激しくにじり寄り遠ざかる
時代の足音を聞きながら
それでも消えぬ人間の尊厳を
私たちは確かに胸に持つ

分からない者たちがいるならば、
進んでそれを恥じよ
崩れた高楼と敷き直された石畳の上に、
私たちの家は建てられている

自らの過ちに打ちひしがれる者たちも
時代にあぶれて苦しむ者も
過ぎ去り重ねられ切った時間の石の上に
偉大なる和解と寛容が可能なことを知るがいい

2024
D.I.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?