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海外経験を武器に、Dawn Capitalで実現したいこと

こんにちは!Dawn's note運営です。
今回は、Dawn Capitalに去年の8月入社したAssociateの大窪秀彰さんのメンバー紹介も兼ねつつ、
・日本と海外のスタートアップの違い
・グローバルで勝つ方法

をご紹介する記事となっております!

大窪さんは日本とブラジルのハーフで、日本語・英語・ポルトガル語・スペイン語が堪能なDawn Capitalきってのマルチリンガルです。
スペインの経営大学院出身で新卒時代から海外投資市場に飛び込み、現在ではDawn Capitalで多くの海外投資面談をこなす彼の投資思考知見を、ぜひご覧ください!

【読了時間目安:4分】



文化ごとの思考を学ぶ。スペイン経営大学院時代

​​Associate
大窪 秀彰/ Hideaki Okubo

2020年にスペイン・バルセロナの経営大学院(Esade Business School, MS in Innovation and Entrepreneurship)を卒業後、ユニコーン企業を中心に国内外の非上場スタートアップ企業に投資するファンドを組成・販売・運用するHiJoJo Partners株式会社に入社。海外投資をメインに投資運用部にて投資業務全般、業務部にてファンド管理業務に従事。2022年よりDawn Capitalのキャピタリストとして参画。

https://dawn-capital.vc/team

——— 大窪さんは青学を卒業後、スペインの経営大学院に進学されていますよね。そこでは、どのような学び・グローバルな経験を積みましたか?

(大窪):
経営大学院では、Master in Innovation and Entrepreurship(イノベーションと起業家精神を学ぶ修士クラス)のコースにて勉強をしていました。実践的なデザイン・シンキングを通じたプロダクト・サービス作りから、座学要素の強いスタートアップ・ファイナンスまで多方面に渡りスタートアップ経営に関する勉強をしました。
 
座学、実学を通して色々なことを学びましたが、特に面白かったのは50カ国以上の国から人が集まる場所にて、国の違いによる物事の進め方の違いを間近で見れたことです。
例えば同じヨーロッパ内でも、イタリア人とドイツ人ではチームで働く際のスタンスがだいぶ異なるというのが一つの興味深い事例です。全員がそうだと言い切れませんが、ドイツ人はチームで働く際に、チームというよりも、タスクを切り分けて個人で作業をする傾向がありました。対照的に、イタリア人はもっとウェットにコミニュケーションをとりながらチームで前に進もうとする傾向を強く感じました。
 
——— お国柄と括っては雑かもしれませんが、文化ごとの思考傾向というものがあったんですね。

(大窪):
そうですね。文化ごとに生じる人の思考の癖はやはりビジネスにダイレクトに影響していて、それを肌で感じることできたことは、今のVCでのグローバルな投資トレンドのリサーチにも生きています。また当時、大学院のプログラムでシリコンバレーに行く機会があり、そこでUS屈指のVCであるBenchmarkやUnion Square Venturesなどから出資をもらう起業家とじっくりと話す機会がありました。この経験が彼らのような人間と一緒に仕事がしたいという気持ちを芽生えさせてくれ、その経験をさせてくれた大学院には非常に感謝しております。


日本・海外市場の違いはペインの解決主体

——— それでは大窪さんが、新卒でUSのユニコーンを中心に投資をするHiJoJo Partnersに入社した理由を教えてください。また、なぜ海外投資やスタートアップに興味を持ったのですか?

(大窪):
上記の通り、世界トップを走るファウンダーとの対話を通じて、その世界で活躍するスタートアップ起業家と一緒に仕事がしたいという気持ちが芽生えました。それができる会社を日本で探した際に、強固なスタートアップ・ネットワークを駆使し、米国を代表する USユニコーンに投資をするHijojo Partnersと運良く巡り合え、入社を決めました。

——— アーリーステージを支援することの多いDawnとは、かなり対極的な会社ですね。

(大窪):
はい。HiJoJoはレイターステージのスタートアップへの出資がメインだったため、Dawnのように投資した後に起業家の真横で共に事業について考えるなどのケースは非常に少なかったです。USの最先端なビジネスを間近でみられる非常に面白い環境であった反面、投資後の起業家との関わりなどはあまりなかったため、成長を近くで見届ける観点では、今とはだいぶ異なる環境でした。

——— それでは、グローバルな市場を実地で観察してきた大窪さんが考えるスタートアップ市場の特徴について教えてください!

(大窪):
日本は良い意味でも悪い意味でも、存在するペインの数や深さが海外に比べて相対的に小さい気がしています。
その1つの理由としては、スタートアップではなく、日本の大企業が一定程度あらゆる領域で便利なサービスを作ってくれるからなのではないかと考えています。PayPayなんかがまさにその典型だと思います。

日本市場が上記の通りである一方で、海外では大企業ではなくスタートアップが中心となってサービスを作っている印象があります。
欧州の事例でいうと、イタリアにあるSatispayというPayPayとほぼ同じようなサービスを提供しているユニコーン企業がその一例です。
PayPayのようなサービスを大企業側がやっていないこともあり、ヨーロッパのみならず中国や米国の大手テック企業、VCファンドから多額の資金を調達し拡大しています。


日本でスタートアップが勝機を見出すには?

——— ではどうすれば、海外と比較してペインが小さい日本でスタートアップは勝機を見出せるでしょうか?

(大窪):
何かしらの理由で、大企業が時間と資本を使っても取り組めないスペースでサービスを作ることは1つの有効なアプローチだと思います。
また、グローバル展開を視野に入れ、深いペインを国外の市場でも探すなどのやり方も面白いかもしれません。

——— なるほど。それでは、大窪さんは日本のスタートアップ企業や企業家にとって海外展開やグローバル進出の重要性についてどのように捉えているのでしょうか?

(大窪):
会社をより大きくできる可能性が高まるという点で、非常に重要なのではないかと捉えています。
グローバルに進出することで、そもそものマーケットサイズも大きくなりますし、それに伴ってサービスの浸透シェア率が同じでも対象とする市場が大きくなることで売上も大きくなります。

もちろんそれだけ競合相手の数も増えますが、日本ならではの強みと言った部分を生かせれば、むしろ海外に存在するニーズを掴みに行くこともできると思います。Oishii Farmの事例は、その一例だと思います。


Dawn Capitalでグローバルに起業家支援を

——— 大学院、新卒を通しての海外の知見・経験が具体的にどのような投資業務に役立っていますか?

(大窪):
主に起業家との面談、投資先の支援などで役立っています。
具体例を挙げると、投資面談でHRや教育系スタートアップの起業家と話す際、「大学に取って代わる」と言われる革新的な教育・就労プログラムを提供するMultiverseというイギリスの会社の話をすることなどがありました。この会社は日本ではあまり知られていませんが欧州、米国では有名で、徒弟制度という概念をうまく活用しているユニークな会社です。
このように、日本ではまだ知られていないソリューションを起業家の方々に共有するなどして、彼らの事業のお役に立てるよう日々尽力しております。
 
また投資先支援のコンテクストでは、Spatial Computing時代のDrop Box、Figmaの役割を担おうとしているOという投資先の資金調達支援の際に、海外VCのナレッジを使った海外VCアタックリストの作成、海外VCネットワークを活用した海外VCへのお繋ぎなどでご支援をさせていただくケースなどもありました。
 
【O創業者の方のnoteはこちら!】

——— Dawn Capitalは、出資した北海道のスタートアップにディレクターが数ヶ月泊まり込みで経営支援に行った過去もあるような、手厚いハンズオンをする会社ですよね。
そんなDawn Capitalというファンドで起業家をいかに心強く支えられるかという点で、グローバルな知識が大窪さんなりのハンズオンの基盤になっていることがよくわかりました。

【最近では、Dawn Capitalの投資ストーリーや熱いハンズオンを一橋ビジネスレビュー様に取材していただきました!北海道の話はこちらにガッツリ載っております!】


———
 では、最後の質問です!
大窪さんはなぜ投資業務に情熱を持って取り組めているのでしょうか?その意義や目標について教えてください!

(大窪):
まず、毎日のように社会的意義のある取り組みをしているバイタリティ溢れる起業家の方と巡り合うことができ、彼らに何かしらの形で貢献できるような仕事である点にやりがいを感じているからです。

自分はかつてブラジルという国で生活をしていたバックボーンもあり、「持たざる」人々がいかに生活を豊かにできるかという視点を子供の時から常に考えていました。その経験もあり、ペインの深いセクターの問題を解決する一助になれることはこの仕事をする1つの理由でもあります。

VCという仕事は普通では出会えないようなバイタリティ溢れる起業家に巡り合い、社会貢献的な意味でも満たされる仕事です。
だからこそ、この仕事に就けた事に常々感謝しながら充実した日々を過ごせています!

 

——— 本日はインタビューさせていただき、ありがとうございました!最後にここまで読んでくださった方々に一言お願いします。

(大窪):
日本には海外を視野に入れることのできる、大きく成長できるビジネスがたくさんあると考えています。グローバルを目指す起業家、日本に存在する根深い課題を解決したいファウンダーの皆さんなど、全力で起業家の皆さんの応援をさせていただければと思っておりますので、事業相談・投資面談問わず、お気軽にご連絡を頂ければ幸いです。

ぜひ次回のメンバー紹介もお楽しみに!

【Dawn Capitalコンタクトフォームはこちら!】




インタビュー・文/八並映里香
写真・クリエイティブ/池田龍之介