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【理論武装その1】時系列で情報を整理しよう! ※実例を掲載【第8話】

はい、脱兎です!

交渉を進めるにあたり、過去の訴訟経験から、
「弁護士さんに依頼する前に自力でもう少し交渉を進めよう」
という方針にすることを書きました。

そこで、理論武装の第一歩として、法律事務所を活用します。
対面やオンラインで、無料相談を受け付けている法律事務所も少なくないので、立ち退きに特化した法律事務所を探して相談しましょう。

例えば「立ち退き料に特化した法律事務所」という検索ワードで検索してみても、たくさんの法律事務所が出てきますね。

弁護士さんに依頼する可能性あり、という人は相談先は1つに絞らず、いくつかピックアップしてすべてに同じ文面で相談するようにしましょう。

弁護士さんごとの回答内容を比較、検討しやすいですしね。
また、費用も法律事務所により様々なので、リスト化しておくと良いです。

各法律事務所のホームページにある「問い合わせフォーム」などから問い合わせをすることになると思いますが、控え(問い合わせ内容)が手元に届かないところなどもあります。
手元のPC/スマホ、のメモ帳などのアプリで文章を作っておくことをオススメします!

では、その文章ですが、いくつかの観点から文章を作成します。

今回はその中で、基本中の基本、これが無いと始まらないという「時系列での情報整理」を実際に私が作成、法律事務所に送った文章(実例)を紹介します。

経緯

2012年3月8日
 賃貸借契約期間開始
  敷金:10万円 礼金:10万円 月額家賃:10万円
  7階建てマンションの5階 2DK 使用目的:居住用
  定期借家契約の記載なし

2022年2月
 賃貸借契約更新

2022年12月
 賃貸借契約の解除の通知書を書面にて受領 書面はこちら
 主な内容は以下
 ・令和6年(2024年)8月末日をもって契約期間満了とさせて頂きたい
 ・築46年を経過、老朽化。建て直さなくてはならない状況
 ・賃貸借期間が満了までに明け渡しをお願いします
 ・明渡し日が確定したら連絡ください。退出手続き、返還手続きを行う。

管理会社とのメール
 2023年4月3日 01:51 管理会社へメールを送信
 2023年4月3日 12:05 管理会社よりメールを受信
 2023年4月15日 18:43 管理会社へメールを送信
 2023年4月16日 12:11 管理会社よりメールを受信
 2023年4月22日 19:54 管理会社よりメールを受信
 2023年4月27日 2:19 管理会社へメールを送信
 2023年5月7日 18:03 管理会社へメールを送信
 2023年5月10日 22:03 管理会社よりメールを受信
 メールの内容はこちら

今になって見返すと、あれも書いておいたほうが良かったかな、とか、あれは不要だったかな、などもありますが・・・。

上記、いくつかのポイントについて説明します。

賃貸借契約期間開始

契約開始時期については訴訟になった際は必ず必要な情報になるので、これを機に確認しておきましょう。

家賃等、契約内容についての情報も必須です。
実例では「管理費」「駐車場代」の記載が無いですが、それら毎月支払っている費用があればすべて記載しておくと良いです。

管理費、駐車場代の他にありそうなものは、保証人制度関係の費用、町内会費、火災保険の費用、などでしょうか。

そして一番重要なのがコレ!

 「定期借家契約の記載有無」です!

「定期借家契約とは」、「定期借家契約と普通借家契約」などのワードで検索すると分かりますが、シンプルに言うと以下のようになります。

定期借家契約とは、「いつまで住むことができるか、が決まっている契約」です。

いつまでと期限を決めて契約をするもの、なので借りた側が「更新してもっと住みたい」ということが出来ない契約になります。

もし、この契約になっていたら「最初からそういう契約で入居したのだから期限に合わせて立ち退きましょう。立ち退き料は発生しませんよ」と裁判でも負け確定となります。

普通に賃貸物件に入るときの契約では「定期借家契約」になっていることはほぼ無いと思いますが、契約書をしっかり確認しておきましょう。

また今後、賃貸物件を借りる際に、定期借家契約と普通借家契約のどちらか、という点は確認してから契約することをオススメします。

賃貸借契約更新

直近の契約更新がいつなのか、これもしっかり確認しておきましょう。

今回、この部分に言及したやり取りはしませんでしたが、交渉の流れによっては「◯年◯月◯日に契約更新した。なので◯+2年◯月◯日までは少なくとも住む権利がある。」と主張してもいいかと思います。


賃貸借契約の解除の通知書

いわゆる退去通知の内容をまとめます。
参考までに、私に届いた退去通知は、第1話に載せたとおりです。

確実な伝達の為に、退去通知をスキャンまたは撮影し、必要に応じて一部黒塗りするなどしてお問い合わせから一緒に送信します。

一緒に送信が難しい場合は、Googleドライブなど共有ドライブなどに保存、共有設定をしてURLを伝える、というやり方が良いかと思います。

共有方法などよく分かりません、という方はコメントなど頂ければ、説明記事を書くなどしますのでお知らせください。


管理会社とのメール

時系列でやり取りの記録を伝えていますが、これは無くてもいいかな、と思います。

但し、実際に訴訟に至った場合は、このような時系列の情報は必ず必要になるので、この機会にまとめておくと良いでしょう。

メールの内容ですが、こちらも弁護士さんに見て貰うようにまとめて、共有しています。

第6話で判明したように、取り壊し&建て替えの本当の理由が「老朽化ではなく収益性の改善」といったことも、メール内容を弁護士さんに展開することで共有できます。

建物が本当にボロボロで「住民の安全確保が難しい」、「危ないので建て替えや取り壊しを行政から指導されている」という背景があるのと無いのでは裁判の際の判決、立ち退き料の金額に影響があるようです。

なので、大家側が言っている「老朽化で建て替えが必要」の本質を確認、認識してもらう為にも、やり取りした内容を弁護士さんと共有することをオススメします!


と、時系列の情報(経緯)をまとめるだけでも契約書を確認したりと、やることが少なく無いと感じたかと思います。

ただ、これらをしっかりやることで何十万円~数百万円という支出の軽減に繋がりますので、ちゃちゃっと契約書を探し出して確認、情報整理をがんばりましょう!!


今回の気づき:時系列での情報整理は必須です!


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