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こんな時こそ、猫のように

〜好きポイント〜
・村上春樹さんの人としての魅力が詰まっている、と思う
・時に優しい、時に「大人なんだからそんなこと自分で考えなさい」、
 時に「にゃあ」、時に質問に答えないところが良い
・笑いあり涙あり

〜出逢い〜
かわいい子がオススメしていたから。

春樹さん、こんなことも聞いていいですか?世界中から集まった質問は何と3万7465通。恋愛・人間関係・仕事など悩ましい人生のモンダイから小説の書き方、音楽や映画、社会問題、猫やスワローズまで、怒涛のメール問答は119日間、閲覧数1億PVに及んだ。可愛くてちょっとシュールなフジモトマサルのイラストマンガを多数加え、笑って泣いて励まされる選りすぐりの473通を収録する!
(新潮文庫出版「村上さんのところ」帯より引用)

あの世界の村上春樹さんが質問に答えてくれる、贅沢な企画で集まった1問1答(のようなもの)をまとめた本。

私は村上春樹さんの小説がとても好きだけれど、そんなに食らいついて追っているわけではないので、こんな企画があったことは知らなかった。

知っていたとしても、送ったかな?

説明が長くなるようなちょっと難しいことを質問すると、全部答えてもらえなくてシクシクしそう(ガラスのハート)。

猫の話なら食いついてくれそうだから、安直に猫について聞くかな。

「すぐに寝っ転がって人間にお腹をなでさせるオスの黒猫に名前をつけるとしたら、名前は何にしますか?」とか。

そう、みんな意外としょうもない話を村上さんに送っていたりする。

「妻が乳首を触ってくる」とか
「子猫が生まれたというので譲って貰ったら、貰ったのは親猫だった」とか
「猫が正○位しているのを見たことあるか」とか

「村上春樹」といったら、世俗の人々とは関わらず、サンドイッチを食べ、ジャズを聴きながら「あるいは」とか言っている人だと思っていたけれど、くだらない話を面白がったりちゃんと答えたりしていて、なんということだ、もっと好きになってしまった。

私は「こんなに有名な人の本は教養のためにも読んでおくべきだ」と思って高校生の時にはじめて村上春樹をよんだ。その時は面白いなとは思ったけれど、「衝撃を受けて、著作を全て読み漁った」みたいな筋金入りの村上主義者のような経過は辿らなかった。

でも少し歳をとって、大事な人やものを失って、私の中にいくつか大きな空洞ができてしまってからは、とても好きになった。

それは、とても自然なことのように思えた(かぶれてますね、キリッ)。

この本は、私のように村上春樹が元々好きな人も、「村上春樹の小説はちょっとよくわけがわからない」という人も楽しめるはず!

イラストもとっても可愛い。

嗚呼、読んだら実家の猫に会いたくなってしまった。

猫ってずっと家の中にいても勝手に遊んで楽しんでて、気が向いたらスリスリ撫でることを要求してきて、基本的には1日の大半寝ている。

こんな時こそ資格勉強!とか筋トレ!とかも良いけど、こんな気持ちが塞ぐ時には、本を読んで猫みたいに生きるのが一番。



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