「試合に勝って、勝負に負けた」では意味がない

「試合に勝って、勝負に負けた」では意味がない。
悪いのは完全にパワハラをしてきた上司であると、内部通報制度を利用して人事部に訴えて長い時間をかけてやっとパワハラが認定された。しかし、その結果、会社でのキャリアは終わった、同僚も離れていった、社内では腫れ物に触るかのような扱いを受けることになった、今まで仕事に打ち込んで頑張ってきたことが全て無になってしまった、パワハラ上司は何事もなかったように仕事をしている。会社では飼い殺しで孤立した状態、この先自分はどうすればいいのか?

パワハラを会社に認定させたとしても、自分のキャリアがダメになったら、意味がない。ただ、パワハラが認定されても、自分が思っていたような結果にならないことはよくある。

だからこそ、パワハラと戦うという試合に臨む際は、今後の自分のキャリア・人生をどうするか、つまり、どうやって勝負に勝つのかを考えた上で行動を起こす必要がある。

そもそもパワハラを認定させることは、想像以上に大変なことだ。
パワハラとは、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為と定めれらている。
パワハラ上司から、暴言を吐かれたり、侮辱されているパワハラを受けており、それが明らかにパワハラ行為であったとしても、それを会社に認定させることは難易度が高い。

しっかりとしたパワハラの証拠があれば大丈夫ではないか?
ICでパワハラ音声を録音した証拠があっても、会社はなかなかパワハラを認定しない。
以前の私もそう思っていたので、厚生労働省のパワハラ定義を見て、自分がされていることはパワハラ行為であると判断した後、証拠がなければ意味がないと考えて、ICでパワハラ音声を録音して、日時場所内容をエクセルにまとめた。これだけしっかりとした証拠があれば、会社はすぐにパワハラ行為を認定してくれると考えたが、実際は違った。
私がその時勤めていた会社の就業規則にも、パワハラ禁止規定が定められおり、事実確認・処分実施・不利益取り扱い禁止などが謳われていた。しかし、実態は、形だけの事実確認・あいまいな処分・不利益だらけだった。

なぜ会社はパワハラを認定しないのか?
パワハラ上司は、部下を肉体的・精神的に追い込みながら、自分はどんどん出世していく人が多い。相対的に仕事は出来るのである。出世して上司になっているのは、会社にとって有益な存在であると、会社が評価しているからだ。
そのため、会社がパワハラ上司に対して問題があると分かっていても、パワハラを認定したり、すぐに処分をしたりすることをしない。
会社は、今後パワハラ上司とパワハラ被害者のどちらが会社に貢献してくれるかを天秤にかける。もしあなたが、仕事が出来る人だとしても、パワハラを受けてぶっ壊れそうになっているとしたら、会社としてはこれからも成果を上げてくれるパワハラ上司を残そうと考えても不思議ではない。

パワハラを会社に認定させるのは、想像しているより大変なことである。
なおかつ、パワハラを会社に認定させて、以前のように会社で活躍するキャリアを実現するとなると、更にハードルが上がる。ただ、実現できないことではない。試合に勝って、勝負に勝てばいい。そのために、パワハラと戦う際は、今後の自分のキャリア・人生を良くするという勝負に勝つための戦略を立てて行動する必要がある。

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