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妻が入院、その時僕は②

最低限の娯楽(スマホ)を確保できた細君は満足したのかその後LINEを送ってこなくなった。
病院は21:00消灯らしいのでたぶん早めに寝たんだろう。

自宅では朝になるとテレビ画面に韓ドラのメインメニューの画面がリピート再生している光景が日常茶飯事なので細君の生活リズムはかなり不規則だ。

夜中に起きていることが多いので弁当は基本作ってくれていたが、自分自身が食べることができなくなってきたので最近は作らなくなっていた。


話はそれるが、昨年から今年にかけて体重が増えた。
いわゆる中年太りというカテゴリーに分類されると思う。

中年太りというのは、ビール腹とかそういうのではなく単純にインプットとアウトプットのバランスが崩れているだけだと考えている。
わかりやすく言えば運動不足なのに食べ過ぎている。

体力が弱ってきて、体力を温存しようと無意識のうちにカロリー消費を控える方向に体が向かっているのに、食事の量、カロリー摂取量は変化がない、お通じも変化なしとなると太るだろう。

2019年の健康診断から今年2021年の健康診断の2年間で4~5㎏増量している。

今回の健康診断を機にさすがにちょっと考えた。
①基本やせ型なのでちょっと増量した方がいい。
②ただ、ぜい肉だけが増えるのは歓迎しない。
③できれば運動とかしたくない。

折しも西野さんが健康器具の話をちょいちょいしている時期でもあったので①を容認して②もクリアするために③ぐらいは動画見ながらでも運動できるわけだからそうしようと結論付けて今に至る。

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(↑DAISOで300円)

さて細君は僕より身長が15㎝ほど低く、体重は僕よりも重かった。
それがすっかり瘦せたとまでは言わないが随分体重が落ちていた。
元々性格的にピーキーなところがあるのに加えて食事ができないことと、病状に対する不安も重なって家ではかなりナーバスになっていた。


入院翌日、朝起きて細君がいないことを再確認した。
細君の布団には長女が寝ている。

DVD返却しておかないと延滞料金がつくのでDVDを抱えて出勤。

と、その前に次女を起こさなきゃ。
弁当は…今日は作ってる余裕ないし、買おう。
可燃ごみの日だけど次回にしよう。

いつもとそう変わらないモーニングルーティーン。
来週からは「弁当作り」がルーティーンに加わる。

次女を起こしてそのまま出発。
寄り道してDVDをGEOの返却ポストにぶち込んで、いつもよりやや遅くなったがゆえに渋滞気味の道路を縫うように走る。


やっぱいつもと感覚が違うよなぁ・・・。


元気であれば逆にいない方がいいと思うことがあるくらいなんだけど、体調崩して病院という名の収容所に隔離されて心細いとか思ってるんかな、とかどうでもいいことが頭の中でループしてなんだか調子が出ない。

職場について昨日の現場報告を受ける。
業務になるといつも以上にスイッチが入って今日はなんか頭がキレてるなぁと不思議な気持ちになった。

朝の業務がひと段落してメールを確認していると同僚の事務員のお姉さんから細君入院の件で諸手続きするなら代筆して提出しとくよー的な連絡が入っていてなんか妙に感謝した。


そういや保険の請求とかもしなきゃと思って調べていると、おおよその退院予定日が必要だということでふと我に返った。

まだ、検査結果も診断の結果も具体的なものは何もなくて、わかっているのはすぐにでも入院が必要と言われて入院したというところだけだった。

堰を切ったように自動思考が進みはじめる。

担当医師の話を聞いている限りでは手術をする方向で考えておいたほうが良いだろうと思っている。手術をするのであればいろんな方面でリスクはもちろんあるだろうということも。

普通食が摂れなくなるとか、人工的なものを入れる必要があるとか、最悪の場合、死に至るとか。
死んだら葬式はとか、墓はどうしようとか。

想定できる限りのことを一通り頭の中でシミュレーションしていると朝の時点で「あー、今日は仕事無理やな」と思ってしまった。

結局手につかないなりに結構的確に仕事をこなしている自分を客観的に見ながら、今日は仕事に対して一切感情が入らないから淡々と斬っていけるんやなぁ、と思っていた。


感情は無いわけではなく、別のカテゴリーに感情をフルに持っていかれているので仕事に使う感情が残っていないだけの話。
時間軸は同じところにあるわけなので、頭と心は別々のところにあるにしても結局どちらも疲弊している。

よほどのことがなければ17:00で定時上がりすることは無いのだが、この日は朝10:00の時点で定時上がりを決めていた


さくっと仕事を終わらせて帰路につく。
細君がいないことを実感するために家に帰るような感覚がイヤで寄り道しようと思っていたが、結局飲み物だけさっと買って家に帰った。

「はやっ!!!」
予想できていた娘の第一声。
普段明るいうちに帰ってくることが無いので。

「病院から電話あったで」
「ホンマや着信アリやわ」

担当医師と連絡が取れた。
出来そうなところは検査してもらったようだ。
ただ、炎症がひどいのであとは経過観察してそれがおさまってからということだった。現状でとり急いで処置しなきゃいけないことはないとのこと。


医師の声のトーンも含めてとりあえず大丈夫そうやということを娘たちにも報告しておいた。

入院は今のところ最短で2週間と言われている。


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