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データ戦略の会社が考える「AIを開発・導入するには結局何をすればよいのか」

AI導入について、以前の記事「なぜAI導入を98%の企業が検討しているのに、導入しているのは2%だけなのか」でも書きましたが、なかなか検討から実際の導入に進んでいる企業はまだまだ少ない印象です。

AIを利用すると言ったときには、すごくざっくり言うと、大きく分けて

・AIエンジン
・AIエンジンにデータを入力・出力するインターフェース

という2つのシステムが必要になります。

この2つのシステムを作るためには、実は「外部のパッケージシステムを買ってくれば全て解決する」というパターン以外にも、様々な開発・導入パターンがあります。大まかに、以下の3つのようなパターンです。

1. 外部のAIが搭載されたパッケージシステムを導入して、そのまま使う

2. 外部が提供するAIエンジンにデータを送信して、その結果を利用する(データが送信できて、受信した結果が見られるシステムを開発するが、データを解析するAIエンジンそのものは自社で作らない)

3. 外部の提供するAIエンジンでは利用できるものがないので、AIエンジンも含めて全て自社で開発する

例えば、ある飲食店で「店舗前にカメラを設置して、カメラの画像データをAIに解析をさせて時間帯ごとの性年代別の通行量を測定したい」というお題を考えてみます。この場合、ざっくり言うと

・カメラ画像を抽出して、AIモデルに送信するためのシステム

・送信された画像データから、通行者の性年代を推定するAIモデル

・AIモデルの解析結果を受信して、見やすく表示するシステム

が必要になります。

この時、「この専用のカメラを設置すれば、すぐに通行量が測定できて、WEBの管理画面ですぐに見ることができますよ〜」というサービスを利用するのが1に相当します。外部のパッケージサービスを利用する形式です。

次に、「画像から性年代別に人数を推定するAIモデルはGoogleやAmazonが提供しているので、それらを使います。でも、カメラの設置と、画像データや解析結果を送受信するシステムは自社のエンジニアが作ります」というのが2に相当します。AIモデルは外部サービスで、それ以外を自社で作る形式です。

一方で、「画像から性年代別に人数を推定するAIモデルの精度がよくないので(あるいは自社でやりたいケースにフィットしないので)、AIモデルから自社で作ります」というのが3に相当します。

結論として、下のパターンに行けば行くほど自社向けにオーダーメードで作る必要があり、初期コストが大きくなる傾向にあります。(一部暴利とも言える高価な外部モジュールを使うとその価格が響いてくることもありますが)

実際には、各社が提供しているモジュールやサービスも既に膨大な数があり、かつ日々進化し続けているので、それらの精度や仕組み、使い勝手などを全てを完璧に把握することは実際には難しいです。実務的には、自社が導入している分野で実績があるパートナーをリストアップした上で(できれば信用できる担当者と)、こちらの依頼したい要件をAIの文脈に落として伝え、パートナーとして上記のどのパターンに近い形で貢献できるか(粒度・精度・価格・リードタイム・フレキシビリティ含め)議論した上で、開発体制を絞り込んで行くことが望ましいでしょう。

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