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小説の表現が時代遅れにならないように

たいていの作家は、
自分が10代後半から20代前半までに読み始めた書籍の著作者を
表現の基準にしているのではないかと思っています。
夏目漱石や芥川龍之介、太宰治などの物故者、海外文学の翻訳調を基準にしている作家もいるとは思います。
けど、読んでいてわかるのですが、作家の世代、年齢で言うと10歳違うと表現がだいぶ違います。古いなあと感じることもあります。
デビューから読んでいてくれるたぶん同年代か少し下の年代の一定の読者が付いていて、それだけで食べて行けるから、もう表現を変えるつもりはないという作家ならそれでいいかもしれません。
けど、古いと思われたくない、新しい読者を獲得したいなら、
今の作家の作品も読んで表現を吸収する必要がありますね。
ということで、自分がよく読む作家の年代を分析してみてはいかがでしょうか。
もちろん、だいぶ上の作家の作品も読むことで得られるものもあります。上村も幅広い年代の作家に触れようと意識して読んでいます。

上村のよく読む作家はこんな感じです。

1906年生まれ ディーノ ブッツァーティ(古さより奇妙さが勝ちますね)
1918年生まれ 堀田善衛
1924年生まれ トルーマン カポーティ

1932年生まれ 小林信彦
1934年生まれ 井上ひさし
1937年生まれ 塩野七生
1938年生まれ レイ カーヴァー(1949年生まれの村上春樹訳)

8人
1942年生まれ ジョン アーヴィング
1943年生まれ アントニオ タブッキ
1944年生まれ 椎名誠
1947年生まれ スティーブン キング 
       ポール オースター(1954年生まれの柴田元幸訳)
1948年生まれ 島田荘司 
1949年生まれ 北村薫 村上春樹

4人
1954年生まれ カズオイシグロ
1958年生まれ 川上弘美
1959年生まれ 梨木香歩 長野まゆみ

還暦前後であと何作書けるか考えているかもしれない作家 10人
1960年生まれ 宮部みゆき 
1962年生まれ 佐藤亜紀 佐藤多佳子 原田マハ 吉田篤弘
1964年生まれ 堀江敏幸 
1965年生まれ 窪 美澄
1967年生まれ 柳広司
1968年生まれ 森絵都 吉田修一 

デビューが早ければ、熟してきた作家 11人
1970年生まれ 渡辺葉
1971年生まれ 伊坂幸太郎
1972年生まれ 有川浩
1973年生まれ 柴崎友香
1976年生まれ 川上未映子 三浦しをん
1978年生まれ 米澤穂信 
1979年生まれ 森見登美彦 上田岳弘 宮内悠介 村田沙耶香

デビューが早ければ、たぶん脂がのっている時期の作家  6人
1980年生まれ 辻村深月
1983年生まれ 深緑野分 宮島未奈
1984年生まれ 綿矢りさ
1986年生まれ 乗代雄介
1989年生まれ 朝井リョウ

1990年代生まれ モモコグミカンパニー
        たぶん 住野よる
2000年代生まれ 青羽悠 鈴木るりか
          
よく読むと言っても、デビューが最近だったり、寡作の作家だったりに関しては、少ししか読んでいないこともあります。その作家さんの作品を三冊以上読んでいると言えるのはたぶん百人以上ですが、面白くない、スキではないという作家さんは書いていません。
時代が違いすぎるので、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、芥川龍之介、夏目漱石などはよく読んでいますが、省略です。数十人いる劇作家も外しています。井上ひさしさんは小説家として載せています。
還暦を過ぎると、エッセイを書くようになって、なかなか小説を書いてくれない作家もいます。残念に思っています。

1990年代、2000年代は仕方ないけど、1950年代と1980年代が少ないですね。山内マリコさん(1980年生まれ)の「ここは退屈迎えに来て」でも読んでみようかな。

1990年代、2000年代生まれの作家で、賞を取って作品が紙で出版もされているおすすめ作家さんがいれば(ホラーとお仕事小説以外で)教えて下さい。


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