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【中期経営計画の計数計画の補足、特にここを見てほしい!】総売上高の目標値やリカーリング比率目標値の伸長率について詳しく解説
こんにちは!株式会社データ・アプリケーション(東証スタンダード:3848)の経営企画管理本部・経営企画グループです。
DALは2024年5月に2025年3月期~2027年3月期にわたる中期経営計画を発表しました。
発表後、
・総売上高など計数計画の伸長率が低いのではないか?
・なぜ2027年3月期のリカーリング比率の目標値がサブスクリプション比率と同じなのか?
・サブスクリプション比率は倍を目指しているのに、リカーリング比率が10%の上昇なのはなぜ?
などの、さまざまなご意見やご質問をいただきました。
そのため、補足して、特に計数計画について補足した説明資料と説明動画を公開しています。
少しでも皆様のご理解の一助となるよう、今回のnoteでもその資料についてご説明します。
※当社はWEEL社を買収し、連結に移行しており、中期経営計画自体をリバイスする可能性があります。しかし、コアな単体部分が大きく変わることはないと考えており、単体の理解が今後の当社を理解いただくのに、最良と考えております。
【売上計上区分】
中計の計数計画を補足説明するにあたり、当社の売上区分について、改めてご紹介します。
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当社の売上計上区分ですが、販売方法・内容によりおおきく3つに区分しています。
「リカーリング売上」・・・ストック型売上の総称
「パッケージ売上」・・・フロー型売上の総称
「サービスその他売上」・・・一時的な開発・導入研修など
そして、リカーリング売上も以下の3つに区分しています。
「サブスクリプション売上」・・・継続的な利用から得られる収益
「メンテナンス売上」・・・保守サービスから得られる収益
「タームライセンス売上」・・・期間利用ができるライセンスから得られる収益
これらを総称して「リカーリング売上」としています。
では、本題の中計経営計画の計数計画について改めてご説明します。
【中期経営計画の概要】
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総売上高は、2027年3月期の目標値は、33億円を設定しております。
(前期2024年3月期の実績29億円)
伸長率としては低いと思われるかもしれませんが、収益安定性の向上のためパッケージの売り切りから、サブスクリプションモデルでの販売へ展開させてまいります。
そして、全ライセンスのサブスクリプションモデルでの販売へ転換させている過渡期にあたるため、見た目の伸長率は低く見える状態となっています。
そして、収益安定性を図る上で重要な指標であるリカーリング比率は、2027年3月期の目標値を80%以上(2024年3期実績71.2%)と設定しております。新規ライセンス購入における売上比率をはかるサブスクリプション売上比率は、2027年3月期には80%以上(2024年3期実績43.1%)まで引き上げる計画を立てています。
EBITDAは、移転に伴う旧オフィス設備の割増償却約1億円を含む2024年3期実績と同等水準の7億円を目標値として設定しております。
【売上高や計数計画の目標値の伸長率について】
一見すると伸長率が低いと思われるかもしれません。しかし、以下の理由から実はチャレンジングな数値なのです・・
① 2024年3月期には特需要因があったこと
② 当中期経営計画期間で、売上の構成を大幅に変えること
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それぞれ詳しく見ていきたいと思います。
① 2024年3月期には特需要因があったこと
2024年3月期実績の売上高は、約29億円ですが、このなかに上期に発生した一過性の特需案件の約3.5億が含まれています。
特需案件としては、大型案件をパッケージにて受注し、パッケージで売上げると、それに伴う保守料(メンテナンス)も付随して増加しました。また、バージョンアップ案件を複数受注したことで、タームライセンスという期間利用のライセンスも増加しました。これらはある程度は想定していたものの、想定を超えて規模・金額が発生しました。
このような想定することができなかった特需分である3.5億円を抜きにして、前期の売上高を実力ベースで換算すると、実力値は、約25.5億円です。そのため、実質的には約25.5億から2027年3月期には、33億と、約30%の伸長率を目指す目標です。
② 当中期経営計画期間で、売上の構成を大幅に変えること
DALは現在、パッケージ売上から、サブスクリプション売上への移行を推進しております。
ここで、パッケージにて売り上げた場合の見え方と、サブスクリプションにて売り上げた場合の見え方は大きく異なります。(重要なことなので何度もお伝えします…!)
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例えば100万円の製品があるとしましょう。
仮に、4月にパッケージで売上をたてるとするとその期に100万円売上がたちます。これに加えて保守料(メンテナンス売上)が年間15万円プラスされると、売上は115万円となります。
それをサブスクに変えるとします。当社では目安として、サブスクリプションは売り切りの約4%を月額でいただいている、つまりここでは4万を月額で頂きます。仮に5月開始とすると5月~3月(11か月分)=44万円の売上になります。売り切り115万円とサブスクは44万なので、サブスクは売り切りの半分以下の売上に見えるというわけです。
さらにサブスクリプションの場合、仮に3月開始とすると1か月分=4万円の売上になります。開始時期によってこれだけ年間の売上金額の見え方が違ってきます。
また、サービス内容にも違いがあります。
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サブスクリプション販売では、あらかじめ、サポートサービスと電話でのサポートが標準付帯など手厚いサポートがついており、並行稼働ライセンスは6か月間無償など、お客様によりメリットを感じていただけるようなサービスとなっています。
一方で、パッケージ販売では、サポートサービスは別途費用、電話サポートはなく、バージョンUP費用も別途費用がかかります。また、平行稼働ライセンスは3か月間無償ですがそれ以降は料金がかかります。延長の保守についても別途費用がかかります。
(補足)
サブスクリプション売上が増加すると、売上計上区分では「タームライセンス」にあたる青枠の部分も増加する傾向にあります。パッケージ売上が増加すると売上計上区分では「メンテナンス」にあたる赤枠の売上と「タームライセンス」にあたる青枠の部分も比例して売上が増加する傾向があります。
サブスクリプション販売を推進することで、お客様にとっては
① 初期導入費用負担が軽減
② 常に最新版の利用が可能であるため、メンテナンスやアップグレードの手間を省けます。
③ 手厚いサポート体制が顧客満足度向上にもつながります。
当社にとっては
① サポートサービスの取り漏れを防ぐと同時に、収益の安定性向上や継続的な収益確保を図ることで、経営の安定化の実現につながります。
つまり
お客様にとっても当社にとってもサブスクリプションはメリットがあるのです!
少しそれてしまいましたので、計数計画に話を戻します。
リカーリング比率の目標値は当中期経営計画最終年度2027年3月期の目標値を80%以上と設定しております。(2024年3月期実績71.2%)
新規ライセンス購入における売上比率を図る指標である、サブスクリプションモデルの売上高比率は、2027年3月期には80%超まで(2024年3月期実績43.1%)引き上げる計画です。
◆リカーリング比率
サブスクリプション、タームライセンス、メンテナンスからなる、当社のストック型ビジネスの割合をはかる指標です。
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2024年3期の実績29億19百万円の内訳は上記の図になります。
上期に特需があったため、ピンク部分のパッケージ売上が大きくなっています。また、パッケージ販売ですと、その分の保守料も付随しますので、同じく前期上期は保守であるグレー部分のメンテナンスも大きくなっています。
さらに、バージョンアップ案件が発生すると、濃い青の部分のタームライセンスという期間利用のライセンスも増えます。
以上が2024年3期実績であり、リカーリング比率が71.2%でした。
2027年3期目標値33億円については、上記特需3.5億の影響がなくなり、パッケージ売上、メンテナンス売上、タームライセンス売上が減少し、伸長率としては低くみえますが、内訳は、リカーリング比率を80%以上に伸ばしてさらなる収益安定性を目指します。
◆サブスクリプション比率
パッケージとサブスクリプションの新規ライセンスの販売のうち、サブスクリプションがどの程度しめるかをはかる指標です。
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注意していただきたい点としては、メンテナンス販売や、タームライセンス販売はここには含まれていません。理由としては、メンテナンスやタームライセンスは既存契約や一時的契約に関わる売上であるためです。
2024年3期実績は、サブスクリプション比率は、
サブスクリプション売上622百万÷(サブスクリプション売上622百万円+パッケージ売上821百万円)=43.1%でした。
これを、2027年3 期には、数字の内訳は公表してないのですが、80%以上に伸長させてまいります。
◆サブスクリプションMRR
こちらは、当社の経営上の重要指標となりますサブスクリプション売上のみをMRR(月次経常収益)にしたグラフです。
サブスクなので季節要因も少なく、順調に推移しています。2024年9月単月の売上高は67百万円と、2021年3月単月の売上高の約4.8倍となっています。
引き続き、当社の経営戦略の重要ファクターであるサブスクリプションでの売上の推進を行い、収益の安定化を目指してまいります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回は中期経営計画の計数計画について、補足説明をいたしました。
繰り返しになりますが、計数計画の伸長率が低く見えますのは、今までご説明させていただいた通り、サブスクリプション売上を強化し、ビジネスモデルの過渡期にあたるためです。
当社はそれにより、さらなる収益安定性向上を目指します!!
応援のほどよろしくお願いいたします。
中期経営計画については、下記の資料もぜひご参照ください。
・中期経営計画
・中期経営計画 説明動画
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