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GIS・空間データの概要と活用について|データドリブン座談会レポート

はじめましてこんにちは。メンバーズデータアドベンチャー(以降DA)の秋山です。

大学、大学院では産業組織論、都市経済学、計量経済学を専攻。位置情報データ、企業データ、病院データなどを用いた実証研究を行っていました。 これまでMaaS領域グロースのためのデータ分析やCX向上のためのNPS分析業務を経験し、現在は、機械学習やルーティングアルゴリズム分析、GISを活用した解析業務、MaaS領域の試験研究などに従事しています。

株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー
アナリスト事業部 データサイエンティスト
秋山 薫平(あきやま くんぺい)

今回は、2022年9月29日に開催したデータドリブン座談会のレポートを書きたいと思います。


1.イントロダクション:GIS・空間データの重要性

2020年にBCGが実施した位置情報データに関するサーベイの結果をもとに、位置情報データや地理情報システム(GIS)に関する重要性や今後学ぶモチベーションを紹介しました。

サーベイ対象となった業界は金融サービス、小売・EC、運輸・ロジスティクス、不動産、観光の5つでした。

位置情報を用いたマーケティング活動(ジオマーケティング)においては、いずれの業界においても有用という結果がありました。

小売・EC、交通・ロジスティクス業界では、ルート計画やルーティングアルゴリズム最適化、サプライチェーン最適化などにおいても有用性が高いとの結果がありました。

いずれの結果においても、今後位置情報データやGIS活用とデータ分析領域は重要性が増していくだろうとの予想を共有しました。

2.GIS・空間データとは

次に、GISや空間データの構成概要や利用シーンなどを説明しました。

地理情報システム(GIS:Geographic Information System)とは…
位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術

利用シーン
・ビジネス:店舗の出店計画、顧客動向分析、営業支援 など
・行政:都市計画、固定資産管理、情報公開 など
・危機管理:自然災害対策、緊急対応支援、犯罪分析 など
・保健医療:感染症対策、医療圏分析、訪問看護支援 など
・公益サービス:ガス設備管理、発電施設の適地選定、設備の復旧支援 など
・交通 :公共交通の運行ルート検討、オンデマンド交通の最適配車など

DAの中ではGISなどを使用している案件などはまだ少ないものの、様々な利用シーンがあることで学習するモチベーションにつながればと思い共有しました。

空間データの構成要素は3つあり、位置情報と属性情報、時間情報ということをデータセットをもとに説明しました。空間データならではの要素は位置情報(緯度経度)になります。

空間データにはベクターデータという種類があり、ポイント(点)とライン(線)、ポリゴン(面)の3種類が存在します。ベクターデータには位置情報に加え、複数の属性情報が付与されており、これらの属性情報も用いながら可視化・分析などを進めていきます。

空間データは通常以下3つで構成される
位置情報(通常は地球上の座標、緯度経度)
属性情報(関連するオブジェクト、イベント、または現象の特性)
時間情報(位置と属性が存在する時間または寿命)


例:NYC Taxi trips

空間データ(ベクターデータ)とは…
ベクターデータ(位置情報を持つポイントデータ)
ポイント(点)、ライン(線)、ポリゴン(面)の3種存在する
・ベクターデータは位置情報の他に、複数の属性情報をもつことができる。
例)店舗データ
→ 店舗名、住所、業種、店舗の面積、階数、従業員数、定休日など

ベクターデータとは

ベクターデータは複数レイヤーを重ね合わせることができ、重ね合わせたものを地物(道路、河川、建物、境界、線路など、地球上にあるすべてのものを示す概念)といいます。

空間データ(地物)とは

3.GIS・空間データ分析ツール

次に、空間データを可視化・分析していく上で普段どのようなツールを用いているのかを説明しました。

GIS・空間データ分析ツール

*Pythonライブラリ(geopy, geopandas, scikit-mobility, folium, OSMnxなど)でも可視化・分析可能だが今回は時間の都合上割愛

ArcGISは有償ですが豊富かつ高度な機能があり、様々な分析・解析や新たなデータの生成が可能です。

QGISGRASS GISはArcGISに近い機能を無償で利用することができ、学習はじめたての方におすすめかと思います。

Kepler.glはプログラミングスキルがなくてもGUI操作で以下のように可視化する事ができます。
サンプルデータセットのNYC taxi tripsを可視化してみました。

Kepler.glにてNYC taxi tripsを可視化したもの

今後重要性が増していく位置情報データ・GISを気軽にハンズオンできるので是非トライしてみてください!

まずは kepler.gl でスタートしてみて所感を掴み、QGISにも手を伸ばしてみるとよいのかなと思います。
興味がある方は、国土数値情報ダウンロードとQGISなどを使用してよりいろいろなことを試してみてください〜



さいごに


こんな感じで不定期ですがLT会というものをやっております。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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