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20年間の感動をありがとう!岩隈投手をデータ分析したら安定の岩隈選手でした

10月19日20年間のキャリアにて野球選手としての人生を終えました。
MLBから戻ってきてのNPBでの活躍を期待していましたが、惜しくも引退となりました。
それでも、多くの活躍と感動を与えてくれました。
岩隈投手が先発の時にMLBの1球速法をバックグラウンドでつけながら仕事をしていたのも懐かしいです。(やめぃ)
今回は岩隈投手のデータ分析をしていきます。

基本情報

1999年ドラフト5位で近鉄に入り、楽天に移りました。
楽天ではエースとして活躍し、2012年よりマリナーズに移籍しMLBへ。
マリナーズの後は巨人へ移籍しましたがケガなどもあり、1軍での出場機会は残念ながらなく引退となりました。
意外にも190㎝と背の高さもあります。
球速も全盛期では150㎞/h以上をマークする速さも持っています。
何よりも長所はコントロールの良さと安定感にあります。

生涯キャリア

数々のタイトルを取得していますが、大きなキャリアとしては2004年のアテネオリンピック銅メダル、2009年WBCでの優勝チームのメンバでした。

投球回でみる岩隈選手の安定感

投球回を見ていると、ルーキーイヤーや晩年は出場の機会が少なく50回以下になっていますが、
だいたい1年に150回から200回を投げており、安定した投球回を投げてくれる安定感があります。

投球回

登板回数を見ても安定度がわかる

登板回数を見てみると、試合数とグラフの形状が似ています。
これを見ると登板当たりに投球回数がある程度安定しているためといえます。
毎回登板しても安定感がなくムラがある場合、1登板当たりの投球回がランダムになるため同じグラフ形状に直感的にはならないと想像がつかないでしょうか?
次は1登板当たりの投球回数を見て大体何回投げてくれるのかを見ます。

登板

1登板当たりの投球回数はだいたい6~7回投げてくれることがわかります。
具体的には平均投球回数は6.33回です。
20年間のキャリアで平均6回以上は素晴らしい先発投手でしょう。
登板すればクオリティスタートを達成してくれる投手はとても首脳陣としては計算ができる投手リレーを組めたりできるためとても重宝する選手です。

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WHIPを見ると、MLBのほうがWHIPが安定している素晴らしさ

WHIPを見ると、2017年の少ない登板回数を抜くとWHIPはMLBのほうが低く安定していることがわかります。
コントロール良く低めに集め、少ない投球数で打たせて取るピッチングスタイルを基本に得意のスプリットで要所で三振を取るスタイルは打ちに行くことに積極的かつ低めに手を出しやすいMLBではより良くハマったと考えられます。
また30歳近くからのMLBへのデビューだったため、NPBで鍛えられた投球術がさえたと言えるかもしれません。

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FIPと防御率の一致具合に脱帽

FIPと防御率を見るとFIPと防御率のずれが少ないことが特徴といえます(2017年は登板数も少ないこともあり例外)
防御率、FIPは3点、4点台を大体推移しています。
安定度は日本にいるときよりもMLBでの成績のほうが安定されています。
2点台の年は2008年しかありませんが大きく悪い年がないところが魅力でしょう。

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K/BBから見えるコントロールの良さ

K/BBを見ると岩隈選手のコントロールの良さが際立ちます。
キャリア通じての平均K/BBは3.56です。 先発投手としては申し分のない比率です。
長いイニング投げる中で、フォアボール出すまでに三振を3.5個取る計算になります。
加えてゴロを打たせるのが上手いとなるとほとんどフォアボールによる自滅はないコントロールの良さがわかります。

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LOBの傾向から見えるメジャーとプロ野球の違い

LOBを見ると、MLB時代とNPB時代で平均値が5ポイント程度違います。
(NPB時代の平均は約0.74、MLB時代の平均は約0.80)
NPB時代は平均的なLOBです。
NPBの中で見ると150近く急速にコントロールも良く完投もできる球界を代表するピッチャーでしょう。
NPBでは、ランナーをそもそも出さなかったことが言えるかもしれません。
MLBでは、パワーヒッターが多くなることと、NPBと比べ守備も安定しない分ランナーを背負うケースが多くなります。
それでも、防御率などが安定しているのは失点せず、抑えてることからLOBが高くなっていると考えられます。
ランナーを背負っても崩れない粘り強さを持っています。

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勝敗を見ても安定した勝てる投手であることがわかる

登板数、勝敗数を棒グラフに表した図をみても、安定して10勝以上取ってくれます。
何よりも大きく負け越すことがないところが素晴らしいと言えるでしょう。
NPB時代のハイキャリアとなる2008年はなんと20勝以上して負けが5と驚異的な数字を誇っております。
MLB時代も2017年と2011年以外勝ち越していて、10勝以上してくれます。
年間の勝ち数の計算が立てやすい投手ですね。
この安定した活躍がどのデータからも随所にみられます。

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奪三振数を見ると打たせて取るピッチャーのお手本感が半端ない!

三振数を見ると、平均約110個の三振を取っている計算になります。
細かく見ると、ケガなどの歳では登板数も少なく三振数が30以下の年もありますので、だいたい130ぐらいとみてもよさそうです(どんぶり勘定ですw)。
多いシーズンですと170を超えるシーズンもあることから、三振を取れないわけへはありません。
ただ、先発として1年間を先発ローテーションを持って投げ続けることを考えると、なるべく打たせて取って省エネをしなければなりません。
この打たせて取るピッチングのスタイルからもこの奪三振数というのは裏付けます。
この三振数でK/BBが3.5、良いときはそれ以上を出すのですから、本当にコントロールが良いことがわかります。

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BB/9の優秀さが異常!

1試合当たりの被本塁打数とフォアボールを見ていきます。(2017年はデータ数が少ないため評価から除外)
フォアボールに関しては、2012年コントロールに若干悩まされながらも、全体として安定しています。
一試合当たり2個程度のフォアボールで済むのは、だいたい6~7回を投げてくれることを考えると、位階の登板に1~2個しかフォアボールがないのでなかなか崩れないことがわかります。
連続ヒットやランナーを送って手堅く点を取らないといけないことが伺えます。
一方でHR/9は、NPB時代は1弱とHRも打たれにくい投手でしたが、MLBではパワーヒッターが多いこともあり2弱になっております。
唯一ホームランで点を取れるかといったところが攻略の糸口でしょうか。
悪く言えば若干一発病といったところです。

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イニング当たりの安打数が1で安定

岩隈選手は1イニング当たりの被安打数は1です。
興味深いのは、MLB時代のほうが被安打数は少ないところです。
これはより被安打に対するホームラン率が多いくなっているといえます。
MLBの一発の怖さが見えるデータと言えるのではないでしょうか。
毎回ヒット一本出せるかどうかぐらいというのは、相手としてはどう崩すか本当に悩まされる投手です。

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BABIPから見える打たせて取るピッチングの神髄

BABIPを見ると岩隈選手の特徴が強く見えます。
一般的にはBABIPは0.30に落ち着きます。
たいていの投手は、15年ほど活躍していれば、平均0.3に落ち着き、BABIPが低い年は防御率も低くなり良い成績の年になる傾向があります。
そのため、運の要素による成績の評価と次の年のは防御率が高くなるのではないかという指標に使われる側面もあります。
一方で打たせて取るピッチャーでゴロを打たせて取る比率が多い投手は、BABIPの平均値が低くなります。
岩隈投手のBABIPを見ても17ア年かの成績で平均BABIPが約2.65というのは、ゴロアウトの多さが影響していると言えます。
まさに打たせて取っていたのですね。特にMLB時代の平均は約0.25と一般的な平均の0.30と比較して0.5も低い値になっています。
NPB、MLB通して17年間通しても、0.30を下回るBABIPはまさに打たせて取るピッチングで結果を残して来たといえます。
ピッチャーのお手本ですね。

まとめ

岩隈投手は投手の教科書! 安定の岩隈選手!!

今回の分析のデータとプログラムはこちら(有料)

今回の分析のnotebookファイルとデータはこちらでダウンロードできます。
pythonでどのようなコードを書いてあるか興味ある人、データを使ってみたいという方はぜひダウンロードをお願いします。

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