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【獺祭社員日誌】vol.5「麴室&発酵管理(仕込み)」

台湾出身の新入社員ゾーイが製造部での研修を行いました。前回からの続きです。

昨日の夕食後、岩徳線の電車で帰宅したのですが、もちろん今日も電車で出勤することになりました。岩徳線の話を続けることをお許しいただきたいのですが、朝と夜では全く違う体験をしました。

昨晩は電車の乗客がほとんどおらず、窓の外は深い闇で、街灯や明かりのついた家も全くなく、中も外も寂しい感じでした。午前7時25分発の列車には、おしゃべりに興じる女子学生、部活の道具や楽器、ラケットを持った男子学生、そして勉強するための教科書を持った人たちも乗っていました。この光景を見るだけで、青春時代の喪失感にため息が出ます。

窓の外の風景も、平地からゆっくりと山間に向かって走っていくうちに変わりました。手つかずの野原が広がっていて、車内の雰囲気と同じように、素朴で美しいです。

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今日の見学では、午前中に麹づくり、午後に仕込みを体験します。午前中麹室は快適な温度で、ほとんどが午後の製麹に備えて布や室内を掃除していました。

お昼近くになって、先輩と一緒で大きなカゴに入った台車を押して10階の蒸米を回収していました。

蒸籠をそのままに持って帰るのでしょうか?見ると、先輩が朝の掃除の際に何十枚もの布タオルを用意していて、別の先輩が大きな木のお玉を持って上に登っていました。 全てが整った後、上に立っていた先輩が蒸籠の蓋を開け、手際よくリズムよく蒸したお米を掘り出し、ベルトコンベアに乗せました。ベルトコンベアの反対側では、布タオルでお米をキャッチして計量する役割があります。

たくさんの蒸し上がった米を麹室に持ち帰りました。そして、作業台の上に布を広げ、それぞれの台を同じ重さになるように分けて、お米の水分が抜けすぎないように丁寧に布で包みます、赤ちゃんのように優しくすることを忘れてはいけません。それが終わったら、いよいよ昼ご飯に行きましょう。麹を作った後に、お昼を食べるのはぴったりですね。

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仕込み「発酵管理」~タンク室~

麹づくりがスプリントならば、仕込みは根気と忍耐が必要なマラソンです。醗酵室は5℃に設定され、低温で長い時間をかけて発酵させ、約1ヶ月かけて醸造を行い、毎日各タンクの状態を確認しています。残念ですが、私はこの素晴らしいプロセスのうち、午後の1回しか参加できませんでした。醸造室はとても広々としていて明るく、リンゴやバナナの甘い香りが漂い、アップルグリーンの丸いタンクが見渡す限り並んでいて、もう惚れ惚れしてしまいます。

今日は仕込みの最初のステップである、タンクに材料を入れてかき混ぜることをやってみました。最初は笑って話しながらできるほど余裕がありましたが、どんどん米を振り入れていくと、底から完全にかき混ぜるのが大変になり、腰をひねるのとタンクに落ちるの、どっちが先かと感じました。

撹拌はもちろんですが、それ以外にも頑張って発酵しているタンクの世話をします、何十本ものタンクの温度を午前と午後に1回ずつチェックして登録しています。分析室に行ってチャートを作って追跡や観察して、特別な温度調整が必要なタンクをどうするか打ち合わせをします。

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発酵中に温度が高くなりすぎて、氷を入れて冷やすこともあります。同僚の言葉を借りれば、「巨大なカクテルのようだ」。でも、0.5℃や1℃だけ調整しなくてはならないのであれば、それは魔法ですよ、皆さん。

冷却が必要なタンク番号を聞いた上で、先輩は8階のエレベーターに案内してくれたのですが、階段を降りると「なぜ7階に直行しなかったのか」と思いました。階段を半階降りると、7階でも8階でもない、ハリーポッターの9と3/4番線のホームのようなドアがありました。

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扉を開けると、発酵タンクの底のフロアに来ていて、私が歩いていた金属製の透かし彫りの床が頭上にあります。魔法はまだ終わっていません、発酵タンクにはそれぞれ蛇口がついており、タンクは二重構造になっていて、水路を開いてタンクの外側に水を流したり、タンクの内側に氷水を入れることで温度を下げるように工夫されていることがわかりました。

下は迷路のようになっていて、体を曲げないと通り抜けられないんです。発酵タンクの番号がわかる上部とは違い、すべて先輩たちが頭の中で覚えた地図をもとにしています。

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先輩方について行って、環境を熟知していることに驚喜です、たくさんの仕組みがあるこの不思議な舞台にみんなが自在に操っていることに驚喜です。また、これを意外に感じているのは私だけのようでも驚喜しました。

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