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【今すぐ使える英語授業プラン! ビデオを使って発信する】現地レポート形式で、英語のキャンパス紹介ビデオ

Flipgridを使って行う大学の授業プランを紹介しています。

毎学期いろんな英語のクラスでOur (My) Favorite Place on Campusといったタイトルで、キャンパス案内のビデオを作っています。何年も前に始めた取り組みで、当初は自分たちが選んだ場所について取材し、写真を撮り、スライドを作って教室で発表し、それをビデオに撮って記録するというスタイルでした。

その後、貸し出しiPadやスマホのビデオカメラを使えるようになったので、可能な限り現地に行ってその場所を映しながら取材してビデオを撮り、それをYouTubeにアップロードするようになりました。そして、3年前からは撮影にFlipgridを使っています。

Flipgridは、PCではブラウザで、スマホやタブレットならアプリで使いますが、アプリは画面を反転してビデオカメラとして撮影できるので、現地レポート形式のビデオ作成は、スマホかタブレットが便利です。

キャンパス案内ビデオ作成のポイントは、自分たちの視点でその場所を紹介すること。紹介する施設はour favorite...なのでもちろん自分たちで選びます。図書館、学食、体育館といった定番の施設の他にも、駐輪場、トイレ、正門周辺などユニークな場所や、our favorite place around campusでもいいことにしているので、近くのお店や公園などの紹介もあります。

どこを紹介するにしろ、自分がどうしてそこが好きなのか、どのように利用しているのか、どんな利用の仕方がオススメなのか等々を話すことが最も大切です。つまり、自分たちにしかできない紹介をすることがポイント。どんなに内容が正しくても、英語が美しくても、大学のwebサイトに載っている施設紹介をそのまま翻訳したような内容はNGです。

とはいえ、基本的な施設の説明はしてもらうので、このビデオを作ることで、英語面では、

1) 場所を表す表現
There is / are ...を使う表現や、何がどこにあるのかをいう時の前置詞など
2) 道案内の表現
Go straight  and turn right. It's the first building on your left. の類
3) 「〇〇では、△△ができます」という表現
You can drink good cafe latte hereのような、日本語では省略される「みんな」「誰でも」の意味のyou の使い方

などを練習をすることができます。

どう紹介するかは自由ですが、大学紹介ビデオはネット上にたくさんあるので、こんな動画を色々見て参考にします。

UC Riverside Campus Dining Tour

University of Iowa: Main Library Learning Commons

もっとも最近の学生たちの撮影・編集力は数年前とは比較にならないほどアップしていて、素晴らしいビデオを作る学生はたくさんいます。

例えば、この大学のカフェテリアを紹介したビデオは、クラスメートたちから、かっこいい! 英語版のオフィシャル紹介ビデオにすべき!という声がたくさん上がりました。

演出力や編集力は、"発信"においてはとても大事な要素なので、もちろん評価の対象です。ただ、ビデオ制作が目的の授業ではないので、編集技術が高いかどうかではなく、伝わる発信ができているかを重視します。プロのような技術がなくても、工夫次第で面白くて効果的な発信は十分可能です。

Flipgridは、撮影しながらテキストや画像やBGMを画面に入れたり、画面をさまざまな方法で加工したり、途中でビデオを止めてまた移動してまた撮って...と、動画を追加していくことも可能なので、ある程度の編集を加えた動画を一発で投稿することもできるのです。

以下はFlipgridの録画画面です。メニューのOptionsからは、動画のアップロードや画面の左右反転、画面非表示などの設定が、また、Effectsでは、テキストを入れたり写真やイラストなどを入れたりフレームをつけたり等々あらゆることができます。

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上記で紹介した動画のような凝った演出がしたければ、別のカメラで撮ったビデオを編集してあとからFlipgridのプラットフォームにアップロードしてももちろんいいし、Flipgridだけ使ってサクッと一発撮りもOK。動画作成の方法にはいろんなオプションがあります。

コロナの感染者数が激増した2022年1月には、濃厚接触者になって自宅待機を余儀なくされる学生も何人かいました。キャンパスの生協紹介を予定していたペアは、取材日に突然一人が登校できなくなりましたが、Teamsのビデオ会議を立ち上げ、一人は家で、もう一人は現地で、二人で会話をしながら施設を案内し、録画したビデオをFlipgridに投稿。とてもユニークなビデオが出来上がりました。オーディエンスに伝わるビデオを作るためにどうしたらいいか、いろんなアイディアを考えてチャレンジすることが最も大事です。

英語の授業でビデオを作る目的は、英語という言葉を練習することではなく(それも目標の1つではありますが)、「自分の考えを、英語ということばと、ビジュアル(映像、画像)や身体表現(gesture, posture, voice inflectionなど)を使った演出で見る人に伝える」こと。学生たちにはそのことをしっかり意識してもらいたいと思っています。

もちろん撮ったビデオはFlipgridで共有してコメントし合います。他の人の作るビデオを見てアドバイスし合うことは、学生たちの創作意欲に大きな刺激を与えます。そして、学生たちのコメントに教員が気づかされることも非常に多いのです。