「(私の名前)死ねー!!」という父の叫び声で目覚めた朝
ある朝、
「(私の名前)死ねー!!」
という父の叫び声で目が覚めた。(なんで…)と思いながら再び眠りについた。普通に深めの眠りに。
母も弟も、この叫び声に驚くことは無い。私達にとってそれは日常だからだ。
しかしながら、私は父から虐待のようなことは一切されていない。母も弟も同様だ。むしろ普通に愛されているのだと思う。みかんとか買ってきてくれるし。
では何故父は朝から死ねー!!と叫んだかというと、そういう人だからだ。
本当になんっっの理由もなく、娘に死ねと叫ぶ。家中に響くくらいの声量で。そういう人なのだ。
小さな頃は父の理不尽な言動が悔しくいつも泣いていたが、22年も一緒にいればさすがに諦めがつく。母と『父の理不尽な言動あるある』で盛り上がる時間はとても楽しいし。あと普通に学費とかは全然出してくれてるので親としては感謝している。
というか、むしろ親で良かった、という感じ。父は家でも理不尽だけど外でも普通に理不尽で、警察(速度オーバーとかを適切に取り締まっただけ)とかお店のアルバイトの女の子(アイスの盛り方が下手だっただけ)に対して大声でキレたり、平気で列に割り込みとかする人なので。親なおかげで私の味方ではありますからね。このような人と敵として関わる運命じゃなくて良かった、と心から思う。
さて、ここからが怖い話。
この父なんですけど、冬道で雪に埋もれて車動かせなくなった人に遭遇した時、
助けるんですよ。
ロープで繋いで引っ張る、一緒に車を押す、など、手伝うんですよ。
それも一回じゃない、何回も助けてました。
は???
え???
じゃあ何故大して悪いことしてない人にキレたりするの??
って思うんですけど、もう、誰にも解けないんですよねこの謎は。
理由を説明するとするならば、
そういう人だから。
ただ、それだけ。
だから、我々がこういう人間に出来ることというのは、彼らを天然記念物として不思議がりその生態を楽しむことだけ。
いやいやそんなの何も楽しくないよ、って思うでしょ?
20年観察してみてください。段々とその面白みが分かってきますよ。
そしてその頃には、自分も天然記念物の価値観に染められ、何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってきます。
そうなったら終わりです。
このように、noteで父親の陰口を書くような人間が出来上がってしまいます。
これが、連鎖……。
おわり
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