フリー台本【タイトル:大丈夫だよ】

「私、笑えてるかな?」
そう僕に問いかけてきた。
「私ね、感情がわからないの。みんながなんで笑ってるんだろうとかなんで泣いてるんだろう、なんで怒ってるんだろうといつも思うの。だからさ、みんなに合わせてるの。でも君はそれを肯定してくれた。とても嬉しかった。だからね、君の事が好きだよ。この感情は多分、好きっていう感情なんだと思う。だから君に告白するね」
そう君は笑いかけた。
僕は返事に困っていた。
心の中で自問自答している。
「僕なんかでいいの?」
つい僕は口に出してしまった。
君はきょとんとしている。
「君だから良いんだよ」
「えっ」
「君は私を救ってくれたから」
君は微笑みながら僕の目を見ていた。
僕は困惑している。君は僕の手を取って
「一緒に進んでいこう。私に感情をくれたんだよ。だから・・・」
君は歩き出した。
「だから、これからも私の知らない感情を教えてね」
「うん。わかった。ずっと一緒にいようね」
「うん。約束だよ」
君は頷き僕の手を取って歩く。
僕もそれに応じて進みだす。
この先どんな困難が待ち受けていようと乗り越えられる気がする。
君は僕を求めてくれた。僕がいいと言ってくれた。だから大丈夫。

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