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【米裁判所、北の暗号通貨の口座没収の判決…韓国取引所などハッキング資金】サイバーセキュリティ関連ニュース

こんにちは。S2W NOTE編集です。
今回の記事では、グローバルニュースを元に重要なハッキングニュースを抜粋してお届けします。

3月8日の『VOA Korea』の記事によると、北朝鮮の暗号通貨の口座に対する差し押さえ訴訟を進めていた米ワシントンDCの連邦裁判所が5日、該当の口座に対する差し押さえを命じました。

以下、記事の翻訳になります。

アメリカ連邦裁判所の電子記録システムによると、裁判を担当したワシントンDC連邦裁判所のティモシー・ケリー裁判官は同日、判決文を通じてアメリカ連邦検察の「欠席裁判」要請を承認し、これに応じて被告の資産と資産に対する所有権をアメリカ政府に帰属させることを明らかにしました。
これに先立ち、米連邦検察は2020年3月、北朝鮮のハッカーたちが不法収益を資金洗浄したとする146の暗号通貨の口座に対して差し押さえを求める民事訴訟を提起していました。

この日、差し押さえが決定した口座は145件です。
これらの口座には、2018年から翌19年に渡り北朝鮮が韓国などの暗号通貨取引所などから奪った暗号通貨が直接預けられたり、他の口座に移すために利用されたとのことです。

ケリー裁判官は、公開された意見書を通じて、「今回の訴訟は、北朝鮮によるものと推定される4件の暗号通貨取引所を対象としたハッキングに関するアメリカの調査に由来するもの」であるとの検察の主張を認めました。

調査対象となったのは主に以下の4件を含みます:
-2017年のターゲットになった取引所の全体資産の17%がハッキングにより盗まれた事件
-2018年の2億5,000万ドル規模の暗号通貨の盗難事件
-同年夏に韓国の取引所での3億ドル規模の暗号通貨の盗難事件
-2019年の韓国の取引所での暗号通貨の盗難事件

その一方で、これらの資金の一部が中国のTian Yinyin氏とLi Jiadong氏が開設した口座などを通じて送金されたか、ギフトカードに交換される方法でマネーロンダリングが行われたことが指摘されました。

これに先立ち、米連邦政府はTian Yinyin氏とLi Jiadong氏が北朝鮮が盗んだ約2億5,000万ドル相当の仮想通貨の約36%を受け取り、そのうち一部を中国の銀行口座に移すなどのマネーロンダリング(資金洗浄)を行ったことも明らかにしました。
これにより両氏は現在、米法務省から刑事訴追され、米財務省の外国資産管理局はこれらを特別指定制裁対象(SDN)に指定しました。

ケリー裁判官は、検察がアメリカ政府の正式な公告などを通じて問題の口座の所有者を発見し、かつ誰も所有権を主張していない事実を確認し、Tian Yinyin氏などにも当該口座に対する差し押さえ訴訟の事実を知らせたものの、回答を得られなかった旨も意見書に記載しました。

これにより、裁判過程なしで原告の主張だけを基に原告に勝訴判決を下す欠席裁判の要件が満たされたことになります。
また、これらの口座がマネーロンダリング犯罪に関与した事実を検察が立証した事実を今回の判決の根拠として掲げました。

今回の判決により、北朝鮮のハッカーらの収益などが入った145の暗号通貨の口座がアメリカ政府の国庫に最終的に帰属することになります。
ただし、この口座にどれだけの資金が残っているかは不明です。

VOAが今回の没収した口座の残高を照会した結果、イーサリアムを扱う口座の一部に資金が残っているだけで、かなりのビットコイン(BTC)口座は空であることがわかりました。
北朝鮮のハッカーなど特定の人物が既にこれらの資金を別の口座に移したのか、あるいは検察が米政府所有の暗号通貨ウォレットに振り込んだのかは現在確認できていません。

米政府は、2018年以降、対北朝鮮制裁違反資金に対する民事差し押さえ訴訟を提起しており、これらを国庫に帰属させています。
2022年4月、米連邦検察は、匿名のシンガポール企業の対北朝鮮制裁違反資金約60万ドルと中国企業のYunyi Woodの違反資金約172万ドルを差し押さえました。
当時検察は、匿名のシンガポール企業が2017年5月に北朝鮮の貿易銀行(FTB)の偽装企業に合計60万ドルを送金し、Yunyi Woodは赤道ギニア素材を扱う北朝鮮の林業企業chilbo woodの偽装企業に少なくとも80万ドルを送ったり、200万ドルに達する資金洗浄をしたという具体的な事例を提示し、最終的に勝訴判決を受けました。

2022年1月には、4つの匿名企業が所有する3つの口座に預けられた237万ドルが対北朝鮮制裁違反を理由にアメリカの国庫に帰属となり、2021年11月には北朝鮮との違法取引が明らかになった「ライヤー・インターナショナル・トレーディング」の資金42万ドルと、同社の代表Tang Ssing氏などの個人資産約52万ドルに対して最終的に差し押さえ判決が下されました。

また、シンガポール企業Valmer Managementとトランスアトランティック・パートナーズ、中国の丹東清泰貿易と同社の代表Chi Yu Pong氏なども同様の疑いで、2018年から2020年の間に米政府に資産を差し押さえられました。

その他、米政府は2019年と2021年にそれぞれ北朝鮮の船舶「ワイズ・オネスト号」とシンガポールのタンカー「カリザス号」を差し押さえ、売却しました。

ソース:『VOA Korea』2024年3月8日の記事を翻訳・編集しました。