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クズな恋愛でも大事にしたかった

いつもひとり。どうせわたしのこと誰もしらない。

この前、不倫していた彼から無視されるという形で振られてね。男性依存症だから不倫したの。心の穴を埋めてくれる人を渇望していて、それが圧倒的年上の男性だから不倫したの。小学校2年生の冬に父が他界して、癌でね。火葬場で大勢の人が泣いていて、焼かれて出てきたパパは銀色の台の上に散らばっていました。それをお箸で拾うのよ。衝撃で、寂しくて怖くて不安になりました。パパの遺書がなかったから親せきが財産をはぎ取りに来て民事裁判を数年やった。ママは必死だった。わたしはお留守番が得意な子だったから熱をだしてもひとりだった。お友達は引っ越先ではできなかったの。女の子は水をかけてきたり無視したり突飛ばしたり、座る時に椅子を引いてくるからお尻が腰がすごく痛かった。けれど男の子はそんなことしない。だから大好き。先生は身体を触ってくるけど黙っていれば学校に行かなくても済んだし、SEXすれば男の人は朝から晩まで一緒にいてくれる。そんなことしてたら危険だと気づく前に大人になったの。抜け出せなくなりました。いつの間にか男性は寂しさを埋めてくれる存在ではなく、わたしに孤独を突きつける存在になりました。

いいところを拡大して尊敬する。崇めてポジティブな面しか見ない。あのアドレナリンがでて世界が明るく感じる感覚が大好き。「わたしを救ってくれる人が現れた、ずっと一緒にいてくれる、これでやっと安心できる」そう思うの。でもお分かりの通り不倫だし付き合う男性はクズなのでいい結末なんてない。世界は曇ってきてわたしは我慢と執着でつまらない女になる。そのうち振られるの。待っているのは憂鬱な恐ろしい時間だけ。一人にしないでって不安に怯えるの。パパみたいにどこかに行かないでって。

地獄は長いよ。でもね、近頃「彼の驚いた発言」を思い出すことが増えてきたの。不安と怒りの状態から展開の時期が見えてきたの。

「家族4人で食べ放題にきて元を取れと奥さんと言う、義理のお母さんと会うと奢ってもらえるからラッキー限界まで食べてやった、行きたくない誘いはお金ないって断る、飲み代は秘密で経費からだしてもらっちゃった、おかず食べないで済むようにお米ばっかり食べさせられる、金かかるから風邪ひくなよって奥さんに言われる。奢ってもらう話が割り勘ぽい雰囲気になったから財布持ってねーよって言った」お金の話ばかり。ひいちゃう。中央区の一等地にお家がある人なんです。借金類はゼロ、ローンも完済してる。子供二人の学費も大学まで義理のお母さんが全額出してくれるみたい。仕事も大手だからコロナ禍でも潰れはしないでしょう。なのにお金にこだわるのは何故だろう。お金が好きなのかな。どうやら価値観が違うみたい。

この彼のこと、とんでもなく大好きだったの。けれど冷静になってきてなんとなく気づいた。大好きだった彼はケチで、とにかく損をしたくない人、あさましい人だったのではないか。わたしは一緒にいて欲しいから支払うことに抵抗がなくてて多く支払ってた。小さいプレゼントも沢山した。彼の笑顔が見たかったから。彼は何を感じていたのかな。

他人に敬意を持った対応をしない、ケチ、道やドアをふさぐ、傘を引きづったり尖ったほうを後ろに振りながら歩く、そんな人が大嫌い。狭い道をゆっくり二人で歩いて後ろから足音がしたのでわたしが端によるシチュエーションが何度かあった。彼は「他人を気にしすぎ」と冷たく言っていたな。

不倫は嘘つきのクズがするもの。当然わたしはクズ。クズなわたしはクズな恋愛を大事にしてたのかな。でも生きるには必要だったの。でも彼、あんたが嫌いなケチだよ。