オフィシャル髭シュルレアリズム

オーマイキーの面白さが
最後まで分からなかった
君が嬉しそうに見せてくるから
横で笑っていたけれど
自分の好きなものは相手も好き
その幼さが切なかった
コンプレックスの童顔を隠すための無精髭が
似合ってなくて好きだった
煙草を吸う姿はどう見ても
世界の約束を拒む少年だった
ずっと隠し持っていたナイフを
私といる時は引き出しに仕舞って
おなかを見せる猫のように
安心し切って甘えてきた
3つ年上だったから
3年分私より世界の残酷さに触れて来たはずだ
その悪夢を取り消すかのように
その時間を取り戻すかのように
君はありったけの恋を求めた
私が受け止めきれなくなるほどに
永遠の傷ついた少年
どれだけ歳をとってもきっと君は変わらない
オーマイキーの皮肉な笑いを好んだ
シュールな感性は今も健在ですか
無精髭を剃ってネクタイを締めてる君を
とてもじゃないけど想像できない
勇気のなかった私を許して
全てを投げ打って君と愛し合う勇気を持てず
君の痛みを包み込んであげられなかった私を
隠したナイフはどうしましたか
きっと手離せずにいるだろう
だって君は永遠に傷だらけの少年
マネキンを愛した皮肉屋

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