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「宗教の起源」まとめ

読み終わったのでまとめ。

第10章は今までの振り返りでした。

私たちにとってほんとうに意味があるのはこのひと握りの人間関係で、そこでは社会集団が効果的に機能するために必要な信頼と責務を実感し、参加意識を持てるのだ。そんな小さな集団は居心地がいいし、そこから多くのものを得ることができる。

P261

結局、人間の認知は150人以下の群れに最適化されているので、それくらいのサイズに落ち着くようになってるんですね。ただ、なんらかの圧力で人口が密集せざるを得なくなったときに、宗教とかの力をつかってストレスを昇華してしのいでいるだけ。もし群れを分裂させて150人以下にできるなら、その方が安定なんです。

宗教の進化を支えているのは神秘志向である――これがこの本の最大の主張だ。神秘志向は、現生人類のみが持つと思われる高次元のメンタライジング能力と、別次元の意識のなかで強烈な没入感をともなうトランス状態を生みだすエンドルフィンの働きによって生まれる。

P279

だいたい150人を越える大きな群れが一か所にとどまらなければならないときは、ストレスが高まり、争いが起こり、命が危険にさらされます。だからこそそこから救われるための神秘的な力を信じることで、争いを仲裁して、密集してても生きられるようになったんですね。

経済状態が良好で、富の格差が小さいと、宗教への関心が低下する

P283

命の危険がなければ、神秘志向が生まれないですし、宗教に頼る必要もないというわけです。

世俗宗教、つまり人智を超えた世界を信じなくても同じように高揚させてくれる代替宗教は、可能だろうか?

P285

これが本書の最後の問いです。私たちは、コミュニティ作りに宗教の力を活用できないだろうか、と考えています。でも、筆者の答えは「今のところそのような成功事例はない」ということです。決して無理とはいいきれませんが、多くの人がチャレンジしてきて、そして皆が失敗したというのが事実です。

やはり宗教が成り立つのは、命の危険が原点にあるんだろうな、と思いました。

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