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「宗教の起源」~カルトとカリスマ

第9章ではカリスマの話が出てきました。本書ではカリスマに対する認識がそこまで深くないので、以前読んだ「カリスマ」を参考にすると理解が深まると思います。

カリスマ指導者にありがちなこと

自分には特別な能力あるいは使命があると確信していること。そしてそれをある意味自信を持って提示できることだ。

P240

激しい宗教体験や信仰への目ざめは、人生の矛盾と悲劇に直面して存在の危機に陥ったときによく見られる反応のようだ。

P243

カルトが軌道に乗るには、指導者のカリスマ性と、救済の鍵は自分が握っているという深い確信が条件となる。

P243

カリスマというかメンヘラ? なんか精神がヤバくなって、何かに目覚めちゃった感じがしますね。依存体質だと信者になるけど、そこで自分が導くんだ、という気持ちになるとカリスマになるようです。

宗教心と心理的特徴の関係を詳細に調べた研究のなかで、統合失調症と宗教体験では、脳内の同じ認知プロセスが関わっていることを示唆している。

P245

統合失調症、双極性障害の躁状態、それに激しい宗教的行動では、脳の同じ領域が過活動を起こしていることがわかる。

P246

こうした障害?と近い感覚が宗教にはあるようです。宗教という形をとれば社会にとって害がないから障害扱いされない、くらいの差でしかないのかなぁと思いました。

伊予柑先生と魔法陣

 いま、(独自概念の)魔法陣の研究してて、「魔法が起きる場所」の条件を考えています。そもそも魔法とは何かといえば「一見理屈が見えないけど、何かが起きていること」全般。「なんか居心地のいい家」「リピートしちゃうお店」「惹きつけられるカリスマ」など、あらゆる魅力や権力。
 役者さんが舞台の外では単なるおっさんのように、魔法が使えるのは一定の魔法陣の中である。ぷろおごなら「DMで予約して寿司屋にいく」時点で魔法陣の中にいる。
 息子からすると「実家」は魔法陣である。何もしなくても飯がでてきて洗濯されて家賃がゼロ!そりゃあ体力も維持される。渋谷の「青山学院大学」に通う学生は、おしゃれ魔法陣にいる。何もしなくても、おしゃれ情報が入ってくる。一方で東京工業大学は科学魔法陣である。ざんねんながらおしゃれはデバフがかかるが…。ジャニーズはもちろん超強烈な魔法陣で、たんなるお兄ちゃんを神に近づける。すごい。

 でまあ魔法陣は言われればわかるんですけど、いざ作ろうと思うとすげーむずい!「今通ってる職場にいい魔法陣を描いてね!」といわれて、できる人おらん。
 なんかこのギャップを埋めたいなあという感じです。で、話が飛ぶけど、それには「強烈な魔法体験(宗教体験)」があるのがいいのかなあと。神社ひとつあると便利だなーって……教会でもいいけど……。
 聖性の研究するにも、宗教をちゃんと実践しないとなー、みたいな気持ち。神秘をR&Dしたい。伊予柑ただねの進む道って「神主」ではと。「巫女」はアーティストです。神秘の環境を整えて、どしっとする。神主そのものは神秘ではない。管理者。掃除などがしごと。

2023年10月のログ

これは邪悪な意見です。カリスマ指導者と信者の関係性を一つの便利な装置として利用すれば、共同体の管理が簡単になります。もともと宗教はダンバー数を越えた多数の人間が共同生活をするために始まったものではありますが、その起点となるのは個人個人の神秘体験です。

共同生活でつらいことがあった、そこから脱する神秘体験があった、だから宗教を信じるようになった、の順序です。これを逆向きに、共同生活を効率的に進めたい、だから宗教で管理したい、だから神秘体験をさせる、みたいなのは危険思想です。成人として迎え入れるためにバンジージャンプさせるとか、入社させるために面接試験を課して入社後にも社員研修で洗脳するような、そんな危険思想です。

宗教に属する人の多くは、従来どおりまっすぐな気持ちで人智を超えた世界への信仰に向き合っている。ただその感情の下には、日々の社会生活に存在する暗い欲求や動機が潜んでいるのだ。カリスマ指導者、儀式、歌や踊りをともなう激しい動き、エンドルフィン分泌、向精神性物質が溶けあって興奮を呼ぶカルトという密室では、それが表に出てきやすい。

P259

こういうことはしちゃいけません、と書いてありますね。儀式、歌や踊りで人をコントロールするのはやめましょう。

でも、メンヘラカリスマに心酔して自己喪失して信者となるのと、冷静な神官に騙されて宗教魔法陣の中に組み込まれるのと、どっちが安全なのかは微妙なところですね。自分の人生の手綱は手放したくないと個人的には思うのですが、そんな自由には生きづらさが伴うって、どこかのカリスマが言ってましたしね。。。

前回までの記事はこちら


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