人と深くつながる対話の可能性/DANRO Summerファシリテーターかずさんの想い
人と人とのつながりの中には、”目には見えない温かさ”がある。その温かさが増し、循環する時、きっと、世界は今よりもっと明るくなる。そんな想いから『深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクールDANRO』は生まれました。
今年6月に開講するDANRO Summerのファシリテーターを務めるのは、”かずさん”こと、旅するコーチ大村和広さんです。今回は、かずさんとDANROとの出会い、ファシリテーターになった理由やその経緯についてお話を伺いました。
DANROとの出会い
━━かずさんとDANROとの出会いを教えてください。
きっかけは、HIROくん(DANRO創業者)との出会いでした。僕もHIROくんも「旅するコーチ」と名乗っていたので、共通の知り合いが紹介してくれたんです。確か2、3年前じゃないかな?その後、HIROくんと何度か対話を重ねるなかで、去年「DANROを立ち上げた」と聞いたのがはじまりでした。
━━立ち上げ当初からDANROをご存知だったんですね。そこから、どんな経緯でDANRO Summerのファシリテーターに?
HIROくんに「DANROのファシリテーターをお願いしたい」と依頼されたんです。ただ、これは記事にしにくいと思うんですが……。正直、あまり気乗りがしなくて断ろうと思っていたんですよ(笑)
━━気乗りしなかった?それは何故ですか?
理由は2つあって。今、僕は企業さんや組織のリトリートをプログラムとして提供していて。ノンバーバル(非言語)コミュニケーションをより体感できるオフラインが好きなので、DANROの受講がオンラインであることに少し抵抗があったんです。もう1つは、普段経営者の方を対象にお仕事をしているので、個人やフリーランスの方との接点をあまり持っていなかったから「共通言語で話せるのかな?」どうしようかな、と。
ただ、連続講座でファシリテーターをすること自体は新しいチャレンジだし、なにより、DANROの経営者のみなさんがすごく良い人達で。
この人達の想いが込められた場だからという信頼もあるし、今は楽しい時間になるだろうなって思っています。
かずさんのルーツ/対話の可能性
━━そもそも、かずさんはどうしてコーチングやファシリテーションの道に進まれたんでしょうか?
今から約20年くらい前。当時大学生だった僕は、一年休学をして海外を旅する生活をしたことがあって。帰国してから、韓国からトルコ(ユーラシア大陸)を陸路で横断した話や、良かった経験をみんなに話すと「いいね!僕も旅したい」って言われたんです。そこで、良かれと思って「行って来なよ」って返すと、面白いくらい誰も行かなくて(笑)この時、アドバイスって本当に意味がないんだなってことを体験したんですね。
人は、自分で何かを決めないと行動は変わらないと肌で感じていた時に、コーチングと出会って。”自分で選択することをサポートする”って面白いなと感じて、22歳でコーチングを学び始めました。
独立したのは、31歳の時。今は、「意識の進化」というVISIONに共感し、GLOBAL COACHINGでも仕事をしています。
━━かずさんは、自己対話を通して「自分のなかにある感情や大切な想いに気付くことから世界は変えられる」「平和な人間関係を構築するきっかけになる」と考えているんですね?
僕は、対話って、自分とつながることで人とつながる感覚だなと思っていて。最近、伝説のファシリテーションという本の著者、アダムカヘンの講座を受けたんです。彼は、アパルトヘイト(当時、白人政権と黒人政権で敵対していた)時代、お互いに恨み合っている南アフリカの人達の間に入って、ファシリテーションで和解を導き、社会変革やイノベーションを起こしてきた人で。彼の、人に対する眼差しの温かさや、言葉が少なくても深く受け取る姿、対話する人の在り方を見た時に”こういうことだよな”って思ったんです。
僕は、バックグラウンドがコーチという仕事だから、聴く姿勢が大事だと思っていて。相手から何を聴くかとか、聴き手によって相手が何を話すかも変わる。でも最近、対話にはそれ以外の違う可能性もあるなと感じたんです。
━━違う可能性、ですか?
聴き手だけじゃない、話し手の可能性です。話す人が、自分にとって本当に大切なことを話す時って、例え上手く伝えられなくても、周囲の人は聴くんですよね。そこでは、言葉を返していなくても、何かお互いを大切に思う気持ちだったり、お互いの非言語のフィードバックによって話が深まっていく。傾聴する姿勢が自然と生まれるんです。それも対話だなと思って。聴き手だけではなく、話し手にも大事なものがあると感じているんです。
━━対話というと、”聴く人の姿勢が大事”という印象が強いけれど、話し手が本当に伝えたいことを話しているのかも大事…。自分に対しての理解を深める”自己対話”も、本当の意味で互いを知り合うために大切な要素なんですね。
日常には、対話が足りない?
━━漠然とした質問になりますが、これまで数えきれない対話を重ね、ご自身でもその場を提供しているかずさんが思う【対話】って、何でしょう?
そうだなぁ…。対話は、自分の内側、心にある本当のことをシェアするものというか。相手のことをジャッジなく受け取るだったり、話す人にも聴く人にも作法がある感じなんですよね。一方で、日常の【会話】は、たわいもないことを喋る、少し表面的な雑談だと思っていて。だから、良い対話ができた時って、充実感や自分が思っていることが掘り起こされて触発される、まるで化学反応が起こるような感覚になるんです。
━━なるほど。確かに、話した時や話した後の余韻や行動は、対話と会話によって違うかもしれないです。
でも、聴き方・傾聴のワークショップを開催していると見えてくるのは、面白いぐらいみんな、人の話を聞いているようで聞いていない姿なんですよね。「次何質問しようかな」とか「この人の話長いな」とか。”自分のおしゃべり”をずっと聴いているんです。
ただ、人って本当は、表面的なやり取りではなくて、深く人と心を通じ合うやりとりがしたいって根本的に欲している生き物なんだと思っていて。話したいし、聴いて欲しい。本当に良い対話の最後、何度か「話してくれて、ありがとう」「聴いてくれて、ありがとう」って言う言葉が生まれるのを聴いたことがあって、そういうことなんだと思うんです。
━━私がDANROを受講している時、話した後に「ありがとう」が溢れて、お互い伝え合う場面が何度もありました!
ね。普段はあんまり言わないじゃないですか、そんなこと。だから、話せたっていう心のやり取りが生まれると、その人とのつながりは深まるし、そこから良い循環、連鎖が生まれる。そういう世界を創りたいですよね。
人とのつながりを諦めたくない人へ
━━今回のDANROは、どんな方におすすめしたいですか?
人とのつながりを諦めたくないと思っている人が来てくれると嬉しいですね。仕事をしていると、忙しさから効率を求めちゃったり、人を「数」としてカウントしてしまうとか、一人ひとりと大切に向き合うことが大変だなって思ってしまう時ってあると思うんです。その一人ひとりとの時間や空間、出会いというものを大切にしたいというか、より深めたいと思う人に、と思っています。
もっと言うと、テクニックとして学ぶというよりは、自分の在り方、自分を知って自分と繋がることで人とも繋がるっていう”今の自分を変えたい”と思っている人かな。”スキルだけ学びに来ました”って人だと、きっと面白くないと思うんだよね。自分のなかでブレイクスルーしたいとか、前に進みたいとか、次のステージに行きたいと思う人が集まることで生まれる、その場の熱量も面白いと思います。
━━人と人とのつながりの中にある、”目には見えない温かさ”を体感する空間になりますね。かずさんもすでに楽しみなのでは?
未知ですよ、未知(笑)何が起こるんだろうなぁって、今からすごく楽しみですね。
インタビューを終えて
「人って本当は、表面的なやり取りではなくて、深く人と心を通じ合うやりとりがしたいって根本的に欲している生き物なんだと思っていて。」かずさんのインタビューをお聞きするなかで、私が一番印象に残った言葉です。
人と人とが関係性を築いていくために、お互いを知り合うことは欠かせなくて。その手段の一つが「対話」だけれど、聴くことにも、話すことにも技術がいる。でも、それは人間という生き物が本能的に持っているものなんだなと感じたんです。外から何か取り入れるのではなく、本来の「自分」になることで、自然とできるようになっていく。その変化を味わえる次回のDANRO summerが、これから楽しみです!
DANROについて
深いつながりを紡ぐ、実践型対話スクール。「温まると、輝き出す。人も、サービスも」をコンセプトに、個と個がダイレクトにつながることで、「人生最高だな」と感じられる光り輝く人で溢れる世界をビジョンに掲げる。
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